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GT2008秋[4]9月24日(水)愛媛県→高知県→徳島県→香川県 [drive/touring]

080924山荘山岡にて.jpgグランド・ツーリング2008秋、4日目の朝。
宿の窓から仰ぐ空は白灰色に濁っており、遠くの山々も靄に霞んでその稜線がはっきりしない。
今日は再び山の上を走るつもりなので、是非とも晴れてほしいものだ。
好天を願いながら宿の庭でぼんやり空を眺めていると、傍らにやってきた仔猫が同意するようにミャアと啼く。
朝飯を喰ってチェック・アウト。
内子からR379、山の中の広い2車線路を東へ向かう。

080924石鎚山スカイライン.jpgR380に入って暫く走ると、時間帯通行止に遭う。
30分近くの足止めに我慢ならず、かなりの遠回りを覚悟で引き返してR379からK42経由で通行止区間をパス。
R380に復帰、R33→K212と結び、R494を4速中心に気分良く快走していく。
そもままの勢いでK12/石鎚山スカイラインに突入、タイトなコーナーの連続する旧有料道路を2速⇔3速でヒル・クライム。
空はいつの間にかすっかり晴れわたり、遠くの山々までハッキリと見通せるようになってきた。
しめしめ、こりゃ雄大なパノラマが期待できるぞ。
うひ、うひひひひひひ・・・。

080924瓶ヶ森林道.jpg→で、山頂は濃霧(倒)。
引き返そうかと何度も迷いながら、アイドリング・スピードで瓶ヶ森(かめがもり)林道を進んでいく。
舗装はされているものの、森の中の非常に狭いクネクネ道。
ヘッド・ライトやフォグ・ライトも全く役に立たず、正にホワイト・アウト状態である。
途中のパーキングでB3を止め、地図を広げながらUターンを真剣に検討する。
が、考えるのも面倒になってきたため半ばヤケクソでそのまま進むことにした。
せっかくここまでやって来たのに・・・と泣きそうになりながら、幾多のコーナーをロー・テンションで登って行く。

・・・と、眩いばかりの陽光と共に突然、蒼い空が拡がった!

080924瓶ヶ森林道2.jpg080924瓶ヶ森林道1.jpg眼下に分厚くたゆたう雲海と、その先に浮かぶ西日本最高峰・石鎚山。
得も言われぬ、素晴らしい景色である。
霧では無く、雲の中を走っていたことにそのとき初めて気がついた。
引き返さずにやってきて、本当に、本当に良かった・・・。
一昨日の五段高原でも天気に恵まれたが、四国の山々は42歳の旅人に極めて寛大なのであった。

080924瓶ヶ森林道3.jpg林道は1,800mクラスの峰々に沿って遥か彼方まで延びており、眼前に展開するパノラマを眺めながらB3をゆっくりと走らせる。
途中、改良工事で40分ほど待たされることになったが、雄大な景色にそれも苦にならない。
その間、リッター・バイクに乗るソロ・ツーリング中のライダーと旅の話に花が咲く。
愛知から来た50歳の彼はヒマを見つけては文字通り全国を走っているようで、一昨日は鹿児島に泊まっていたとのこと。
その「グランド・ツアラー」っぷり、私など足許にも及ばないのである。

080924早明浦ダム.jpg予定時刻より15分ほど早く通行止が解除となり、再び断崖上の1車線路を走る。
高知県に入ると道は深い森の中へと分け入るようになり、急勾配のヘアピン・カーブ群で一気に標高を落としていく。
豪快な2車線の山岳路であるR194から分かれて続くK17は、3速⇔4速の快速ワインディング・ロード。
ところどころパッチ・ワーク状の補修跡が残ってはいるものの、ノン・ストップでウリャウリャと早明浦ダムへとB3を走らせる。
ニュース映像などで見るとおりダムは殆ど干上がっていて、旧村役場がその姿を現していた。
何とも寂寥感の漂う光景である。

080924おばちゃんのチヂミ.JPGR439沿いの道の駅「土佐さめうら」に立ち寄り、昼飯代わりに焼きたてのチヂミを喰う。
パリッとモチッとピリッとしていて、とっても旨い。
汗を拭き拭き独りで貪り喰っている私に、手際よくチヂミを焼きながらおばちゃんが声をかけてくれた。

「お客さん、独り?この辺の人ですか?」
「いや、関東からクルマで来たんですよ」
「えぇっ!関東から!?クルマで!?独りで!?」
「あの、そんなに驚かなくても・・・(汗)」
「まぁまぁ、よくそんな遠いところから・・・。(他のお客さんに向かって)あのねぇ、この人関東からクルマで走って来たんだって!」
「ちょ、ちょっと!そんなん言わなくていいって!(大汗)」

080924おばちゃんのラーメン.JPGチヂミがやけに旨いと思ったら、おばちゃんは韓国の人だった。
高知の山中に移り住んで、もう30年以上になるのだと言う。
お互いに楽しく話をしていると、最初の一枚は少し焦げちゃってたから焼きたてをもう一枚どうぞ、とサービスしてくれた。
更に、おばちゃんの大好物で昼ごはん用に持ってきたと言う韓国のインスタントラーメン(コムタン味)をお土産にくれたのである。
2枚のチヂミと都会ではあり得ない暖かなコミュニケーションに、腹も胸も一杯になって道の駅を後にした。
おばちゃん、ありがとう!

R439→R32、高知県から徳島県へと、B3は快走を続けてゆく。
大歩危(おおぼけ)でK45へと右折し、日本三奇橋の一つである「かずら橋」へと向かった。
500円を払って渡り始めたが、さすがに木のつるを編んで造った橋、足元は隙間だらけで14m下の清流が丸見え。
おまけに前方ではオッサンやオバハンたちがヒィコラ言いながら変なテンポで渡っているため、橋全体が不規則に揺れるのである。
ワイヤーで強化されているとは言え、恐ろしいことこの上無し。
冷たい汗をかきながらへっぴり腰でなんとか渡り終えた42歳のオッサンは、へたり込むようにしてベンチで煙草に火を点けるのであった(震)。

080924祖谷渓1.jpg080924祖谷渓.jpg落石が砕け散る断崖絶壁の1車線路、K32で祖谷渓(いやけい)を走る。
途中の岩場に建つ小便小僧、そこから谷底まではなんと200m!
昔の人は度胸試しと実際にここで立小便をしたと云うのだが、私にゃ到底不可能である。
よしんばこの岩の上に立てたとしても、出ない。
絶対に、出ない(縮)。

080924「おか泉」.jpgそろそろ宿へと向かうべく、交通量の多いR32で香川県に入る。
陽も傾きつつある讃岐平野を北上、坂出市でさぬきうどんの有名店「おか泉」の暖簾をくぐる。
名物のひや天おろしうどんは892円とさぬきうどんにしてはズバ抜けて高いのであるが、ボリュームも満点でさすがに旨い。
K46で琴平まで戻り、街中のホテルにチェック・イン。
GT2008も残すところあと僅か3日間となった。
明日もまた精一杯楽しもうと心に決め、ベッドに潜り込む。

本日の走行距離、330km。
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