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新潟・福島ツーリング[2] [drive/touring]

裏磐梯の朝。
夜通し降り続いていた雨も上がり、宿のダイニングには陽の光が入ってくるまでになりました。
蒼く高い空には白い千切れ雲が浮かんでおり、さながら初秋の趣。
雨に濡れたB3をユニセームでキレイに拭き上げ、イグニッションを入れて出発です。

R459を南へと下り、R115を東へ。
途中を右に折れ、母成グリーンラインへと向かいます。
2年前まで有料道路だったこの道は、牧場地帯を抜ける爽快な高原道路との由。
今回初めて走るにあたり、やはり楽しみにしていた道のひとつでした。
ところが旧有料区間にさしかかると、途端に深く濃い霧の中。
視程も急激に下がり、恐ろしくて走れません。
霧が晴れる下界まで、スロー・ダウンを余儀なくされました。
仕方無い、今日のところは大人しく、いずれ再び参ることと致しましょう。

帰り道は、福島県南部の阿武隈高地を縦走することにしています。
そこで不要な市街地走行を避けるべく、磐梯熱海ICから磐越自動車道に乗りました。
小野ICからは、R349
この道をひたすらトレースし、茨城県との県境まで南下していきます。

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初めて走るR349もまた、昨日のR452に劣らず素晴らしい道でした。
一部を除いて交通量も少なく、阿武隈の深い緑の中を抜けて続く2車線幅の快走路をダイナミックに走って行くことができます。
ご多分に漏れず未整備の1.5車線区間も多く残ってはいましたが、それとて路面状況/見通し共に良く、ドライビング・ファンをいささかもスポイルするものではありません。
やがて纏わりつきだした霧雨に間歇ワイパーとヘッド・ライトをオンにして、独りB3は走り続けて行きました。

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福島県の南端、茨城県境の山中、湯岐(ゆじまた)温泉
昨年の冬に茨城側からアプローチを試みたものの、その際は積雪により断念した覚えがあります。
小屋掛けの岩風呂には温めの湯が満ち満ちており、アルカリ性温泉故かヌルリとした肌触りがなんとも心地よく感じられました。
時刻は既に午(ひる)近く。
連休最終日の渋滞を避けるべく、ここから常磐自動車道へ出て帰路に就くこととしました。
風呂から上がり、煙草を喫って出発です。
インター・チェンジまでどうせなら面白そうな道を走るべと、地図で選んだK111
しかし、コレがまた予想以上に凶悪極まりない道でした。

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センター・ラインは全く無く、延々と山の中を行く1.5車線路。
県境を越えて茨城に入ると、もはや完全なリアル1車線となりました。
追い討ちをかけるように再び降り出した雨と、立ち込める霧。
真っ昼間にも関わらず、魔を思わせる闇がそこここに蟠(わだかま)っています。
GPSを失探したのか、カーナビ上では自車マークがあらぬ方向へと走り始めました。
何者かに幻惑されて地図に無い道へと迷い込み、このまま暗い森を果てしなく彷徨うのではないだろうか・・・。
「早く脱出したい」、それだけを禁呪のように念じながら、ただ走ることしかできませんでした。

脱出。
突然拓けた風景の眩しさに戸惑いつつも、完全2車線の乾いたアスファルトに思わずフル・パワーを叩きつけるB3。
反射的にDSCスイッチをワン・プッシュ、誰もいない中高速ワインディング・ロードを憑かれたように駆けて行きます。
その勢いのまま、県北東部広域農道へと突入。
再び湧いてきた霧をさえ一顧だにせず、能(あた)う限りの力でB3を走らせました。

・・・で、高萩市街へと向かうR461との交点に一時停止した瞬間、我に還った42歳。
年甲斐も無く冷静さを欠いたドライビングに、反省すること頻りです(汗)。

常磐自動車道、友部SA
連休最終日の賑わいに、俗世間へ戻って来たことを強く意識させられます。
パーキングの縁石に腰を下ろし、食いそびれた昼飯代わりに熱々のタコ焼きをハフハフと頬張る中年サラリーマン(泣)。
楽しい2日間だったなぁ、などと耽りつつ眼前のB3に目をやると、

「汚い・・・汚すぎる・・・」

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ブレーキ・ダストに黒々と塗(まみ)れた、18インチ・ホイール。
フロント・セクションを彩る、無数の虫たちの屍骸。
ドア・パネルはおろか、サイド・ウィンドウまで跳ね上がった泥砂。
周囲に並ぶクルマたちの中で、私のB3だけがとにかく異様に汚れています。
その汚れっぷりは、己がオーナー・ドライバーたる事実を恥ずかしく感じるほど。
いたたまれなくなった私、すっかり温くなったペット・ボトルの烏龍茶で残る3個のタコ焼きを一気に流し込み、逃げるようにサービス・エリアを後にするのでした(汗)。

本日の走行距離は、360kmでした。

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夏のショート・ツーリング。
今回は、2日間合計でB3を1,000kmほど走らせました。
事前に計画もせず、前日の夕刻に急遽出立を決め、いつもに増して行き当たりバッタリであったにも関わらず、数々の素晴らしい道に恵まれた楽しい旅となりました。
例によって、渋滞ゼロ。
事故らず、壊さず、捕まらず。
B3の優れたツーリング性能を、今回もまた存分に堪能することができました。

それにしても、日本は広い。
私などが識らない、素晴らしい道がまだまだたくさんあるはずです。
そんな道を走るために、このB3は在る。
帰宅前、汗だくで洗車をしながら、改めてそう思った次第です。

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