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新潟・福島ツーリング[1] [drive/touring]

光芒一閃、頻闇を切り裂くキセノン・ヘッド・ライト。
B3のガス・ペダルを踏んづけて、東京外環自動車道を西へと走ります。
普段はそれほどスピードを出さない私がブッ飛ばしているのには、ワケがあります。
・・・ETC深夜割引の適用が終了する午前4時までに、なんとか関越自動車道/新座料金所のゲートを潜らんがためなのです(汗)。

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「海の日」絡みの3連休。
土曜日の夕刻、ふと思い立って日-月(祝)とツーリングへ出ることにしました。
とりあえずは福島県/裏磐梯に宿を取りましたが、たかが300kmの道程をまっすぐ走る気などさらさら無し。
「まだ走っていない、走りたい道」を目指し、3時58分に無事ゲート・インした関越道を一路北へと向かいました。

200kmの高速走行を経て、新潟県/小出ICでアウト。
ここからR352を東へと走ります。
10kmも走ると周囲に人家は無くなり、センター・ラインも消失して1.5車線の上りワインディング・ロードとなります。

新潟と福島に跨る深い山の中にある巨大な人造湖・奥只見湖へのアプローチは、新潟側からは二つあります。
一つはK50、「奥只見シルバーライン」。
全長の殆どがトンネルで、一気に標高を稼いで湖まで到達することができます。
奥只見へのメイン・ルートとなっており、私も10年ほど前にM3Bで走ったことがありました。

で、もう一方がR352の枝折峠(しおりとうげ)越えルート。
羊腸の峠道ですが、シルバーラインに較べれば交通量も圧倒的に少ないと思われます。
実はこの道、2年ほど前までは時間制の一方通行路でした。
細い山道とは言え、ワインディング・ランの大敵である対向車の心配無しに走れるのは極めて魅力的だったことでしょう。
今回はこのR352で、福島県は檜枝岐(ひのえまた)までの山岳ドライビングを堪能する所存です。

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「酷道」とも評されるR352の枝折峠越えですが、道幅は狭いものの視界も開け路面も良く、加えて対向車も皆無だったために楽しく登ることができました。
気温は20℃を割り、下界の暑さがウソのようです。
湖に出て銀山平を過ぎると、複雑な湖畔に沿ってひたすら続くクネクネ道
この辺りはいわゆる「洗い越し」が多数ありました。
増水時だけではなく、最初から沢が道を横切るようになっているのです。
朝も早よから、アドベンチャー・ドライブが炸裂です(笑)。

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奥只見湖の終端、福島との県境付近で煙草休憩。
耳を澄ませど鳥の囀りだけしか聞こえてこない、文字通りの深山幽谷です。
マイルドセブン・ライトの先から立ち昇る紫煙が、風の無い奥只見の空へと、ゆっくり溶けていきました。

湖を離れて、再び山の中を走るB3。
K1との交点を過ぎると、シーズン真っ盛りとあってか尾瀬へと向かう対向車が目につき出します。
が、反対方向へ向かうのは私だけ。
ブラインド・コーナーから現れる巨大な観光バスに時折肝を冷やしつつ、タイヤ鳴らして檜枝岐の集落まで駆け下っていきました。
ここまでのクネクネ道、約75km。
いやー、走りました(笑)。

檜枝岐からはR352を離れ、大規模林道へと右折。
この道も「走りたい道」の一つだったのですが、昨年5月の東北ツーリングで訪れた際には積雪のため通行止でした。
で、念願叶って今回の初走行となったワケですが、これがまたビックリするほどの超絶快走路。
白いセンター・ラインが途切れること無く続き、3速⇔4速でのハイ・スピード・ドライビングを楽しむことができました。

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その沿道に湧く、木賊(とくさ)温泉の岩風呂。
私が大好きな温泉の一つで、今回も迷わず立ち寄りました。
硫黄の香りに包まれて、袋の皺も伸ばし放題。
のぼせてくると素っ裸で傍らを流れる清流に仁王立ち、お宝は涼風に嬲られるがまま。
う〜ん、極楽浄土です。

再び岩風呂に浸かっていると、更衣室に何やら人の気配。
この温泉は一応混浴となっており、女性専用の更衣室があるのです。
4-5人の入浴客の間に走る、得も言われぬ緊張感。
風呂から上がろうとしていたオッサンなどは、そ知らぬ顔で再びパンツを脱いで湯に入る始末です。

・・・と、入ってきたのは案の定、おばあさん(萎)。
先に入っていたおじいさんに、「熱くないかえ?」なんて聞いています。
音を立てて崩れていく、下卑た男どもの儚い期待。
先ほどのオッサンは、「話が違うじゃねぇか」とでも言いたげな表情でパンツに手を伸ばしています。
人里離れた山あいの秘湯で垣間見た、哀しい人間模様の一幕でした(涙)。

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R401を北へ向かい、引き続きR289を走ります。
連休中だと言うのに、ここも先行車はほとんどいません。
スライディング・ルーフとサイド・ウィンドウを開け放ち、5速3000rpm-6速2000rpmでの快調なクルージングを続けることができました。
沿道の水田は、見事なまでの緑の絨毯。
B3を停めて畦道を歩けば、梅雨明けの強い陽射しに噎せ返るような土の匂い。
夏がやって来たことを、殊更に感じたひとときでした。

只見からは、R252を西へ。
スノー・シェッドが連続する田子倉湖沿いのワインディング・ロードを、思うさま走らせました。
シェッド内でも右へ左へとコーナーが連続しており、P Zero Neroのスキール音が大きく響き渡ります。
その音に、出口付近のパーキング・ロットで屯していたライダー達が怪訝な表情でこちらを振り返っておりました(汗)。

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奥只見湖経由で苦労して福島県入りしたはずなのに、何故か再び新潟県へ。
192円のハイオク・ガソリンを52L、ちょうど「大一枚」(涙)飲み込んだB3は、R290を北へと走ります。
昼を過ぎてだいぶ腹も減ってきたのですが、沿道にはコンビニエンス・ストアすら見当たりません。
村松の街を出てK17に入ると、もはや周囲には何も無いカントリー・ロード。
と、脇道へと誘う「蕎麦処」の小さな看板が・・・。

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農村の一角にひっそりと建つ、手打蕎麦「阿彌陀瀬(あみだせ)」。
なんとも凄い店名だと思ったら、阿彌陀瀬と言うのはこの辺りの地名なのだそうです。
冷たく盛られた細切りの蕎麦に、かなり甘めで濃いツユが良く合います。
地の物を使った野菜の天ぷらは、素材そのものの味がしっかりと出ていました。
四十路のオッサン、大満足。
やはりツーリングに蕎麦は必食だと、独り頷いた次第です。

080720K17.jpgK17へ戻り、東を目指します。
早出川渓谷を過ぎると人家も途絶え、1-1.5車線の完全な山道となりました。
先行車、対向車、ゼロ。
ひたすらに、ただひたすらに、深い緑を分けて行きます。
時折現れる、ニホンザルの群れ。
日光などで見かけるような、バカな観光客にエサを与えられたバカザルとは違い、こちらの姿を見ると一斉に山の中へと散っていきました。

列島横断の大動脈、R49
さすがにクルマが多く、本日初のチンタラ走行です(笑)。
で、津川からK174へとエスケイプしたのですが、続くR459がとにかく素晴らしい。
交通量はほぼ皆無、ゆったりと流れる阿賀野川に沿って3速⇔4速の実に爽快なドライビングが続きます。
そのまま再び福島県に入ると、程なく山の中へ。
2車線の中速ワインディングや1.5車線の屈曲路など、とにかく変化に富んでいてドライバーを飽きさせません。
旅情満点、これぞツーリングだ!ってな感じの道でした。
いつかまた、走ってみたいと思います。

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山を下り、喜多方の市街地を抜けると、R459は再び上り坂に。
裏磐梯への快適なヒル・クライムです。
登坂車線が現れると、居並ぶ先行車を片っ端からぶっこ抜くB3。
桧原湖畔まで出ると雨が落ちてきましたが、本日はここまでです。
近くの宿にチェック・イン、ビールを飲んで晩飯をたらふく食って、強まる雨音を聴きながら眠りに就きました。
しかし、今日は良く走ったなぁ(笑)。

本日の走行距離は、647kmでした。
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