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みちのくGT[4]下北半島漫遊記 [drive/touring]

青森県むつ市、「むつパークホテル」。
暑いわけでもないのに妙に寝苦しく、夜中に何度も目が覚めた。
朝5時、アラームが鳴る前にベッドを出て身支度を整える。
前日の宿に自前のカミソリを忘れたらしく、止むを得ずホテルの備品を使った。
いつもの調子で適当に剃ったら案の定、血まみれとなった(涙)。

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6時前にホテルを出て、R338でむつの街を後にする。
空はスカッと晴れているわけではないが、雨の心配は無いだろう。
途中の空き地にB3を停め、穏やかな陸奥湾を眺めながら途中のサークルKで仕入れたおにぎりを喰った。
今日はこれから、下北半島の沿岸部を時計回りにぐるっと一周するのだ。

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ポツポツとクルマが走るR338は、半島南西端の脇野沢を過ぎると人の気配が絶無となる。
高度を上げ、「海峡ライン」と呼ばれる3速メインのワインディングを堪能するが、クルマもバイクも文字通り1台もいない。
途中のパーキングで15分ほど休憩している間も、わずかに虫の声が聞こえてくるだけである。
30km以上にわたり、完全なる無人状態が続いた。
すんごい道だ。

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途中、プリミティブな手書きの立看板に誘われ、名勝・仏ヶ浦への観光船が出ているらしい牛滝の漁港に立ち寄ってみる。
しかしそこには建物などは何も無く、「観光船乗り場」と記されたこれまたプリミティブな看板が立っているだけだ。
いやはや、プリミティブにも程がある(汗)。
で、看板に記された番号に電話してみるものの、おばちゃんは9時にならないと船は出ないと言う。
それまで30分も待つのはイヤなので、同じく9時ちょうどに佐井の港から出る観光遊覧船に乗ることに決定し、R338に戻った。
しかしカーナビで検索すると目的地までの距離は30km、ETA[推定到着時刻]は9時30分・・・。
間に合うのか?と自問しながら、山坂道をタイヤ削ってカッ飛ばす47歳。
佐井港の埠頭に滑り込み、出航準備中の船員さんに詫びを入れ、ダッシュでチケットを買いに走った。

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息を切らせて乗り込んだ「サイライト号」は、90人近く乗れるスマートな観光船。
港を出て穏やかな海を滑るように走り、30分で仏ヶ浦の桟橋に着いた。
上陸時間も30分ということで奇岩を見て歩くが、しかし団体客と一緒にガイドさんの観光案内を聞いている安穏とした状況が、グランド・ツーリングにまったく似つかわしくない。
前回のように、国道沿いの駐車場から仏ヶ浦まで歩き、波に翻弄される小さな舟の中で転覆しないように祈り、無限とも思える駐車場までの上り坂をヘトヘトになって戻るほうが自分の旅らしいと思えると言うことは、自身がM体質であることの証なのであろうか・・・。
帰路の船中、そんなことを考えながらエアコンの効いたキャビンで居眠りを試みるも、爆音の観光案内ビデオがそれを許してはくれないのであった(涙)。

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佐井港からリスタート、せっかくここまで来たのでとりあえず本州最北端の大間岬に寄ってみる。
相変わらず観光地感炸裂で最果ての風情もへったくれも無いが、大きな駐車場ができて路上駐車が減ったのは実に喜ばしいことだ。
岬を回り、左手に津軽海峡を見ながらR279を走る。
で、風間浦村の集落を通過中、前方に2名の警察官が出てきて止まれの合図をするではないか。
捕まるようなことは何もしていないので何事かと身構えていたら、歩道にいた小学生ぐらいの男の子が「交通安全、気をつけてください」と言いながらお守りをくれたのだ。
小さな貝殻を甲羅に見立てた亀に、「ゆっくり走ろう」「蛇浦小学校」と書かれた短冊が下げられている。
お守りをもらうところを父兄の方に撮影され、安堵から大笑いしつつその場を後にしたが、いやもうマジでビックリした(汗)。

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フロント・ウィンドウに黄色いお守りをぶら下げて、B3は引き続きR279を西に走る。
交通量は相変わらず僅少で、快適そのものだ。
しかしお守りをもらっておいて事故ったりしたらシャレにならないので、「事故らず・壊さず・捕まらず」と低く唱え、今一度気を引き締めて走った。
大畑を過ぎ、K266へと左折する。
十数年前と異なり完全舗装路となっていたが、林と草原の風景は今も変わらない。
と、つい最近見たことのある脇道の景色を発見、それが2013年度版のツーリングマップル東北で見た写真のロケ地であることに気がつき、同じように撮ってみた(笑)。

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続くK6を快調に飛ばしていると、白く濁っていた空がどんどん晴れてくる。
到着した尻屋崎では青空に純白の灯台が建ち、降り注ぐ陽光に心地よい海風が吹いていた。
その周辺では寒立馬[かんだちめ]がゆっくりと草を食み、或いは風に吹かれて立ち、何とも素晴らしい情景である。
馬の親子に道を塞がれたりもしたが、ここは馬優先の地、譲ってくれるまで大らかな気持ちでのんびりと待とう。
幾度となく訪れている尻屋崎、今回もまた、本当にいい岬だとつくづく思った。

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ここからは、下北半島東岸を太平洋に沿って南下する。
K248→R338と、まるでハイウェイ・ランのような走り放題のドライブを堪能した。
半島から出て原野を貫くK170を走り、道の駅「みさわ」にて小休止。
今日もまた昼飯を喰いそびれていたのだが、限定品だというピーカンパイとアップルパイを買って喰ったら元気が出た。
東部上北広域農道からR45を経由し、蕪嶋神社に立ち寄ってみる。
付近ではウミネコの大群が見られるとのことで初めてやって来たものの、この日はどうやら不在だったようで、その姿を見ることはできなかった。

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そろそろ宿へ向かおうかとも思ったが、そのまま海沿いのK1を走り、種差海岸へ。
海岸が広大な芝生で覆われているという、他ではあまり見られない景色である。
芝生の上でボーッと寛いでいるうちに陽も傾き始めたため、カーナビの目的地に宿泊先をセットした。
今晩の宿は、R454で八戸の街を出た先にある「五戸まきば温泉」。
露天風呂で今日一日の汗を流し、桜鍋のついた夕食を生ビールと共にいただく。
部屋に戻ってBlogの下書きを書いているうちに、強烈な睡魔がやってきた。

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本日の走行距離は、361km。
走行時間は6時間46分、平均速度は53.3km/hだった。
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銀蔵

あぁ〜wataさん 馬にパンあげちゃ駄目でしょう。
と一瞬思ってしまいました。呆けないように気を付けよう(^_^;)
お守り効きそうですね。
by 銀蔵 (2013-09-26 01:35) 

Shima

この馬でかすぎませんか?
by Shima (2013-09-26 18:00) 

wata

銀蔵さん、こんにちは。

はい、さすがに私も馬に勝手にパンをやるほど非常識ではございません(笑)。
ちなみにお守りは良く効いてくれているようで、無事にツーリングを終了し現在に至ります。
記事にも書きましたが、これで事故ったらシャレにならないし、お守りをくれた男の子に申し訳ないからな・・・と思いましたからねぇ。
お守りそのものよりも、もらったことによるプレッシャーが効いているのかもしれませんね(汗)。

by wata (2013-09-26 20:51) 

wata

Shimaさん、こんにちは。

寒立馬[かんだちめ]は、デカいです。
競走馬のようにスマートではありませんが、近くで見るとその力強い存在感に圧倒されます。
是非とも尻屋崎まで行っていただき、乗ってみて下さい!(←乗れるのか?)

by wata (2013-09-26 20:52) 

こだま

一昨年、ほぼ同じコースを逆回りに走ったのを思い出しましたぁ・・・
尻屋崎や恐山に寄っていたら、最後はバタバタになりましたが(汗)
仏ヶ浦の少し北の福浦にある「ぬいどう食堂」という小さな食堂で食べたウニ丼が忘れられません・・・
by こだま (2013-10-01 09:22) 

wata

こだまさん、こんにちは。

そうですか、やはりこだまさんも走られていましたか!
下北半島は関東から遠いだけでなく、走りどころ&見どころが満載で、すべてを満喫しようと思うと結構な時間がかかりますよねぇ。
でも、それだけの価値があるツーリング・エリアだと思います。
ちなみに私はウニやイクラが喰えないので、低予算でも満喫できるのです(涙)。

by wata (2013-10-01 20:38) 

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