SSブログ

みちのくGT[3]津軽半島を巡り、山奥の温泉に浸かる [drive/touring]

青森県五所川原市郊外の温泉宿、「湯元 津軽富士見ランドホテル」。
朝6時に起きて窓を開けると、肌寒くも心地よい朝風が部屋へと静かに入ってきた。

P1130772.jpg
P1130775.jpg
小さいながらもかけ流しの露天風呂で身体を温め、朝飯を喰う。
メタボリック化が気になる中年のオッサンも旅に出ると朝から食欲が全開となり、今朝もご飯3杯&おかず完食(汗)。
満腹をさすりながらチェック・アウト、R101を五所川原の市街地方面に向かった。

P1130781.jpg
P1130791.jpg
P1130787.jpg
今日はまず、津軽半島を走りまくる所存。
R339から並行する広域農道/こめ米ロードへトラバースして、ひたすら続くストレートを走った。
このあたりも、関東ではまず見られない広大な稲作地帯。
少し脇道に入ると穏やかな稲穂の海がどこまでも拡がっており、遠くに霞む岩木山がまるで島のようだ。
空は青く高く、実に気持ちがいい。

P1130793.jpg
P1130796.jpg
P1130798.jpg
平野部を抜けたR339は、森の中の適度なワインディングとなった。
交通量は極めて少なく、ステアリングを楽しみながらマイペースで走り続ける。
たくさんの小型クルーザーが並ぶ十三湖のマリーナに立ち寄り、海に出たR339をトレースし、道の駅「こどまり」で小休止。
ここから先、R339は「龍泊ライン」と呼ばれる絶景路となる。

P1130810.jpg
P1130820.jpg
P1130827.jpg
P1130818.jpg
青い空、白い雲、そして輝く日本海に沿ってたゆたうアスファルト。
他にクルマは見当たらず、こんなに走っていいのか?と思えるほどの極上のクルージングが続いている。
やがてR339は海を離れ、大きく弧を描きながら一気に高度を稼いでゆく。
DSCを切られたB3は、フロント225&リア255サイズのネクセン・N8000を削りながら高みへと駆け上っていった。
風景もドライビング・プレジャーも最高で、思わずUターンして二度走りしてしまった程だ。
稜線に出ると、海を挟んで北海道や下北半島を望むことができるようになる。
前回走ったときには濃霧で何も見えずにチンタラ走行を強いられたのだが、こんなに素晴らしい道だとは思わなかった。
いや、参った(笑)。

P1130835.jpg
竜飛崎に到着。
賑やかな団体客から逃げ、誰もいない砲兵隊要塞跡地で手持ちの袋を開いた。
「嶽[だけ]きみ」は、岩木山麓の一部で作られているとうもろこしの名品なのだと言う。
チェック・アウトの際、宿のおかみさんが茹でて土産に持たせてくれたものだ。
ラップを外すと、驚くほど甘い香りが立ち上る。
かぶりついて二度ビックリ、話には聞いていたが、こんなに甘くて旨いとうもろこしを喰ったのは生まれて初めてだ。
彼方の水平線を眺めながら一粒残さず齧りつくし、大満足で竜飛崎を後にした。

P1130836.jpg
P1130842.jpg
P1130847.jpg
ダイナミックな走りを楽しませてくれたR339は、津軽半島北部になると小さな漁村を結ぶ道となり、ペースは上がらない。
そこで前回と同様、山側の一段上を並行するK281/あじさいロードにスイッチ。
その名の通り、咲き残ったあじさいが並ぶ完全2車線路は人も家もクルマも皆無で、B3はマイペース走行を取り戻した。
三厩[みんまや]からはR280/今別バイパス、北海道のような直線道路を6速ギアで走り続ける。
再び海岸線に出ても交通量は僅少、しばらく走った後に平舘の海辺で小休止。
鮮やかな芝生の向こうは美しい海とキレイな青空、その間に横たわる下北半島が豪快な断崖面を見せつけている。
そんな素晴らしい風景にしばし見とれてから陸奥湾を望むシーサイド・クルージングを再開、高速道路と間違えそうなR280/内真部蓬田バイパスで青森の市街地に入り、津軽半島周遊は完了した。
あぁ、すんごく楽しかった!

P1130858.jpg
P1130859.jpg
ここからは一転して、下北半島を目指す。
みちのく有料道路は高いが時短ルートとして利用価値は大きく、続くK242で一気に半島の付け根にまで達することができる。
R394→K25で丘陵地帯のクルージングや森の中のワインディングを楽しみ、六ヶ所村からはR338で太平洋側を怒涛のように北上した。
ちなみに下北半島のメイン・ルートは陸奥湾沿いのR279ではあるが、交通量や通過する町が多いため、「走る」のなら絶対にR338だと思う。
途中、誰もいない神社に立ち寄り、境内を借りてひとやすみ。
時刻は既に15時半だが、空腹に耐えかねて途中のコンビニで買ったサンドイッチを貪り喰った。
さらに走るとR338は北から西へと向きを転じ、低い横流峠を越え森の中を行く素晴らしい中速ワインディング・ロードとなる。
メイン・ギアは3速と4速、E4/6型エンジンの咆哮が耳に心地よい。

P1130861.jpg
今日の宿はむつ市街のビジネス・ホテル、風呂はユニット・バスだし、直行するにはまだ早すぎる。
そんなわけで、もう少し走って温泉に立ち寄ることにした。
K4は山の奥に行くほど曲率が厳しくなってくるが、路面がいいためB3がコーナーで跳ねることもなく、タイヤはアスファルトを余裕で捉え続ける。
思いがけず前方に現れた観光バスを短いストレートでブッコ抜き、DSCを緩めて森の中を集中力全開で走った。
そんな素晴らしいワインディングを走りきると、目の前が急に開けて現世から少し外れたかのような風景が展開する。
静かに水を湛えた宇曽利山湖の奥は、霊場・恐山
その敷地内に、温泉が沸いているのだそうだ・・・。

P1130865.jpg
P1130866.jpg
大声でゲラゲラ笑いながら歩く関西系の団体客をやり過ごし、4つある風呂のひとつに入った。
木造の小屋だが内部はとてもキレイで、二つの浴槽に乳白色の硫黄泉がこんこんと注がれている。
よーくかけ湯をしてから入ると、ちょいと熱めだがこれが実に素晴らしいお湯と雰囲気なのだ。
霊場の中にある温泉なんて・・・と、勝手にキワモノっぽくイメージしていたのだが、心癒される実に良い温泉であった。
入山料500円だけで入れるので、「非日常感」を加味すれば、そこらの日帰り温泉を遥かに凌駕するコスト・パフォーマンスだと思う(笑)。

P1130872.jpg
P1130873.jpg
P1130880.jpg
P1130881.jpg
汗が引いてから服を着、独り霊場を歩く。
夕刻、観光客は疎らで、吹き抜ける硫黄の風に小さな風車があちこちで音を立てて回っている。
柄にもなく厳かな気分になりながら歩き、宇曽利山湖の畔でひとやすみしてから、恐山を後にした。
ちなみに恐山を訪れるのは2009年以来二度目となるが、アプローチのワインディングや初入浴の温泉も含め、ここはとてもいいところだと思う。
いずれまた、やって来よう。

P1130891.jpg
P1130892.jpg
P1130894.jpg
往路と同様、復路もまたK4でのワインディング・ランを堪能し、市街地に立つ「むつパークホテル」にチェック・イン。
荷物を部屋に放りこんでから、近くの居酒屋「下北物語」の暖簾をくぐった。
とりあえず生ビール、観光客丸出しで郷土料理の味噌貝焼きやマグロの串カツ(←絶品)、ホタテ焼きなどを次々に喰らう。
最後にご飯を平らげたら、信じられないほど腹が一杯になった。
苦しさに軽く冷や汗をかきながらホテルに戻り、そのままベッドに横になって、メタボリックが気になる腹をさするのであった(涙)。

MGT3.jpg
本日の走行距離は、345km。
走行時間は6時間4分、平均速度は56.8km/hだった。

nice?(12)  コメント(8) 
共通テーマ:自動車

nice? 12

コメント 8

MT

私も今東北は牡鹿半島に来てます。強硬軍できてますが、豪勢な食事で食い過ぎた!
ツーリングに来ると食べてしまう。今、私はメタボからは少し離脱してますが、ツーリング明けは健康診断で。マズイよなぁ。明日の朝食は控えめに、いや、明朝歩くか!(汗)
by MT (2013-09-21 20:36) 

wata

MTさん、こんにちは。

そう、ツーリングに出ると飯を喰い過ぎちゃうんですよねぇ。
晩飯もそうですが、普段はロクに喰わない朝飯を腹いっぱい喰ってしまうのが不思議です。
しかしクルマと違ってバイクは体を使うのでしょうから、ガッツリ喰ったほうがいいんじゃないでしょうか(笑)。

みちのくバイク・ツーリング、いいですねぇ。
道中お気をつけて、どうぞ良い旅を!

by wata (2013-09-21 23:47) 

tamu

wataさん、こんばんは!!

「こめ米ロード」なる広域農道があるのですね(笑)
ネーミングはさておき、この時期の収穫前の稲田を駆け抜けるのは
気持ちいいですよね。
地図で拝見しましたが、かなりの直線で興味をそそられます。

更に日本海沿いのR339、私も昔走ったことがあるのですが、
その時は天気が悪く、こんなに素晴らしい道路だとは気付きませんでした。
竜飛崎へ行くことが目的だったので、それはそれでよかったのですが、
うーん、絶景ですね。

長崎から竜飛崎まで北陸道経由の最短距離で1,900km弱。
うーん、流石に(?)決断しかねます(笑)

続きを楽しみにしています!
by tamu (2013-09-22 18:39) 

ちゅう

いやあ、楽しいドライブですね。ワタシも2回目は恐山に行きました。緑の森の中を登っていくと、最後に開けて壮絶な景色になるところが面白かったです。ココまで来て、大間には行かず。

下北には「横浜」という地名があって、TVでやっていた駒方どぜうの新人店員の女の子が下北の横浜出身ですが、ご存じないでしょとお客に話しているのを聞いて、あ知ってる知ってる、と独り言したものですw

こめ米から十三湖を通過、小泊経由で竜飛までは、素晴らしい道路ですね。太宰の一部を好むので、小泊なんかぴぴっと来ます。記念館の朗読おば様と仲良くなりました(^^)




by ちゅう (2013-09-22 19:06) 

wata

tamuさん、こんにちは。

全国にはいろんな愛称の道があり、特に広域農道は地元農産物にまつわるネーミングが多いように思えます。
フルーツライン、ビーフライン、メロンロード、オレンジライン、アップルロードなどいろいろありますが、個人的には「こめ米ロード」と「ぶどうマツタケライン」がイケてると思ってます(笑)。

天気に恵まれた今回の津軽半島周遊は、本当に素晴らしいドライブでした。
しかし、さすがに片道1,900kmはちょっと・・・いや、tamuさんなら楽勝でしょう!(←無責任)

by wata (2013-09-23 08:39) 

wata

ちゅうさん、こんにちは。

ちゅうさんもこの辺りを走られているんですね!
恐山、前回は薬研温泉側から入りましたが、いずれにしても「深い山の中から視界がバッと開けるとそこは霊場・・・」な感じが凄いですよねぇ。
R339/龍泊ラインも最高で、双方ともに是非また行こうと思っています。

ちなみに横浜町では、以前に立ち寄ってしょうもないネタを披露したことがあります(汗)。
http://alpina-b3.blog.so-net.ne.jp/2009-05-05

by wata (2013-09-23 08:53) 

えび丸

はじめまして。
今日、偶然にもこのサイトにたどり着きました。
そしてたまらずカキコ。失礼します。

やっぱしいいクルマだねぇ、いやぁ素敵な写真だねぇ、と感心していると、見たことある風景。ん?なんか近いぞ!?あれ!?もしかして!!?


陸奥湾を左手に見ながらの写真。
そのおそらく1分後には、私、クルマ見ました!(笑)
道路脇で通りすぎるアルピナを見て、おーアルピナじゃん珍しぃ〜なんて思ったのですが、まさか貴方様だったとは。(^^
仕事中でまじまじとは拝見できませんでしたが。

あの日は天気も良く、絶好のツーリング日和でしたもんね。
馴染みの地でも、こうして写真で見るとすごく美しく見えました。
改めて行ってみたい!とも思えました
これも撮影の技術、なんですかねぇ。ヽ(´▽`)/
by えび丸 (2013-09-23 22:04) 

wata

えび丸さん、はじめまして。

・・・って、目撃談にビックリ仰天です(汗)。
このBlogを偶然見つけていただき、更にコメントを頂戴できてとても嬉しく思っています。
どうもありがとうございます。
もしよろしければ、これを機に引き続きアクセスしていただければ幸いです!

津軽半島周遊ドライブは本当に楽しくて、晴天にも恵まれてもう最高でした。
写真がキレイなワケじゃなく、風景がキレイだったんですよ。
むしろ、私の写真では実際の素晴らしさを1割も再現できていないんじゃないかと思ってます。
いずれまた、再訪しますよ!

by wata (2013-09-23 22:57) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。