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GT2013春[3]5月1日:南九州シーサイド・ラン [drive/touring]

鹿児島県、錦江高原ホテル、午前5時30分。
ベッドを出てカーテンを開けると、薄曇りの空に月が浮かんでいました。
一日中降り続いた雨は、深夜になってようやく止んだようです。
寝起きの状態で大浴場へと向かい、清掃係の方のOKをもらって露天風呂へのドアを開きました。

おぉ、これは素晴らしい・・・。

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新しい湯が注がれる露天風呂の向こうでは、雲間から昇る朝日が錦江湾を照らし、その海に浮かぶ桜島がシルエットとなっていました。
手前の鹿児島市街地も目を覚まし始めたようで、幹線道路にクルマの動きを見て取ることができます。
この絶景露天風呂に入りたくてこの宿を選んだので、天気が回復してくれて本当に良かった・・・。
早朝の冷たい風に吹かれながら適温の湯に浸かり、眼下のパノラマを長いこと眺めていました。
朝飯もとても旨く、かつボリューム満点。
お代わり3杯、おかずも残さず平らげて腹はパンパン、今日も昼飯を喰えない予感で一杯です(←実際、喰いませんでした)。
昨日の雨で汚れ放題のB3を軽く洗わせてもらい、ホテルを後にしました。

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錫山ICから、7年ぶり指宿[いぶすき]スカイラインを走ります。
全線追い越し禁止ではありますが、クルマもバイクも走っていないので関係無し。
路面はほぼドライ、開け放ったサイド・ウィンドウから少し肌寒い風を浴びながら、タイヤが啼かない程度のペースを保って稜線上を気持ちよく走りました。
昨日は雨中走行の一日だったので、今朝のドライビング・プレジャーはまた格別です。
有料区間終着の頴娃[えい]からはK17となりますが、これがまた登坂車線つきの超快走路。
おいおい、高速道路じゃないんだから・・・と自分に言い聞かせつつ、山の間を縫って豪快に走りました。

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春霞の開聞岳を望む池田湖畔で休憩。
何だかよくわかりませんが、オレンジやピンクの花が一面に咲いており、とてもキレイな景色です。
ツーリングマップル」を開いてここからのルートを検討、指宿方面は7年前に走っているので、今回は更に西へと向かうことにしました。
海沿いのR226はトラックなどがそこそこ走っているため内陸部へとエスケープ、どこまでも広がる茶畑の中、南薩広域農道K34を突っ走るB3。
ストレート&アップ・ダウンが続くこのルート、最南端の鹿児島県にありながら、まるで北海道の道東エリアのようです。
いやはや、爽快にも程があります。

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枕崎からは、時間がかかるのを承知で野間半島をぐるっと一周するR226のリアス式海岸ドライブをセレクト。
これが予想外に素晴らしく、輝く海を左手眼下に眺めながらのワインディング・ロードで、2速⇔3速でB3のドライビングを存分に堪能します。
半島の先端まで走り、リアル1車線の激細山道を上って稜線上に建つ風力発電機の下で小休止。
ここから先は曲率が下がり幅員も広くなったR226でペース・アップ、街に出るまでの間、絶景のシーサイド・ランを満喫しました。
枕崎から60kmほどの海岸線ドライブ、走り好きの貴兄に是非ともお勧めしたいルートです(笑)。

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薩摩半島西岸は、何のヒネリもないR270が延々と北に続いています。
ここはもうリエゾン区間と割り切って、先行車輌をブッコ抜いたり、広い海岸に立ち寄ったりしながら淡々と走りました。
しかしながら、今日の宿へ行くにはフェリーに乗る必要があるため、モタモタしてはいられません。
16時00分の便に乗ろうと思ってカーナビで検索したら、到着予想時刻も16時ちょうどと出たので、90km先のフェリー乗り場へとペース・アップを図るべく、市来から南九州自動車道の無料区間で時間を稼ぎます。
R3で北上しつつ、16時に間に合いそうだ・・・と思ったら、それは対岸からやってくる便の出港時刻であることが判明(汗)。
改めて調べると次は15時20分、その次は16時40分となっています。
宿への道程を考え、何とか15時20分の便に乗るべく、止むを得ずアクセル・オン。
長島の美しい景観に立ち止まることもできずR389をカッ飛ばした結果、15時過ぎに蔵之元港のフェリー乗り場に到着することができました。
我ながら、よく間に合ったもんだと思います(笑)。

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対岸、天草下島の牛深港までは30分の船旅。
相変わらずフェリーでの移動はとても楽しく、客室へ入らずに空と海と島の風景に見入っていました。
入港、着岸、下船、ここからはR266で北上、明るい山間路を気持ちよく走っていきます。
続くR389の途中を左に折れ、丘の上に建つ大江天主堂に立ち寄ってみました。
調子に乗って教会の中へ入らせてもらいましたが、その内部はあまりに厳かで、私のような観光客が軽々しく立ち入るべきではないと痛感させられることになります(涙)。
いたたまれなくなって3分も経たないうちに退出、太陽を背にした美しい天主堂をもう一度振り返ってから、丘を下りました。

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バイパス化されたR389を避け、山の中の狭隘路を辿るB3。
毎度おなじみの「ツーリングマップル」おすすめルートをトレースしているワケですが、とにかく人っ子一人おらず、こんなところ走ってて大丈夫なのか感が炸裂中です(汗)。
やがて暗い森を抜けると一気に視界が拓け、B3は傾きつつある太陽と天草灘の水平線とを望む断崖上に飛び出しました。
すんごいところまでやって来たんだなぁ・・・との感慨に耽りつつステアリングを繰って1.5車線路を走り、最後に小さな蒼い入り江まで下ってR389に復帰。
今日の投宿地、下田温泉に到着しました。

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民宿「湯の華」にチェック・イン。
宿のご主人によれば、この付近は海岸線が西を向いており、夕日の名所として有名なのだそうです。
今日は雲ひとつ無い快晴、これはもう間違いなく、水平線に直接沈む夕日を見られるに違いありません。
と言うことで、ご主人に聞いた海岸線の高台にある絶景ポイントまでB3を走らせ、19時の日没を待ちました。
朱い太陽はゆっくりと水面に近づいてゆき、カップルや家族連れ、浴衣姿のオッサンたちなど、見物客から感嘆の声が上がり始めます。
で、その場にいた全員が固唾を飲んで見守る中、太陽は土壇場で水平線上に現れた雲の中へと消えていったのでした(涙)。

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宿に戻り、ひとっ風呂浴びて夕餉の時間。
それにしても、二食つき6,800円の「ビジネス出張プラン」とは思えない魚の旨さにビックリです。
肝醤油で喰うカワハギの造りを始め、焼物も煮付けも驚くほどの味で、民宿の底力を見せつけられた思いがしました。
風呂は掛け流しの温泉で、しかもちょっとした旅館よりも広くてのんびりできます。
今日は一日いい天気、いい道といい宿に当たって良かったなぁと呟きつつ、大の字で温泉に浸かるのでした(笑)。

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本日の走行距離は、330km。
走行時間は6時間31分、平均速度は50.6km/hでした。

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リョウスケ

22枚目の画像がすんばらしいぃ~。 (イタリア ナポリかぁ~っ・・)
かわはぎの刺身も、これまたすんばらしいぃっ・・。

wataさん、とてもうらやましいぃ~~。。。
九州はすばらしいところなんですね(←東北人なので)。

画像を眺めてるだけで九州の素晴らしさが納得できます・・・。
by リョウスケ (2013-05-11 00:13) 

wata

リョウスケさん、こんにちは。

22枚目っつーと、・・・入り江に下りていく手前の写真ですかね。
イタリアへは行ったことがないのでよくわかりませんが(汗)、仰るとおりすんばらしい眺めでした。
カワハギも、肝を溶いた醤油で喰うとすんばらしく旨いんですよね。
九州は確かに東北からは遠いですが、行けない距離ではないと思いますので、リョウスケさんも是非!

by wata (2013-05-11 09:05) 

AKUAKISARAZU

wataさん初めまして。私は、B3Sに乗ってます。週初めは、このブログを楽しみにしてます。何時も綺麗な写真とコメントを見させて、頂いています。今回は九州の旅ですか。いい所ですね。行って見たくなります。ところで wataさんは毎週末ドライブに行ってるんですね。私のアルピナは、休日しか乗りません。でも18万キロなんて凄いですね。ちなみに私のはまだ33000キロなmんです。もちろんMTです。これからも、楽しみにしてます。          ちなみにコメント書くのは初めてですあしからず。
by AKUAKISARAZU (2013-05-11 15:23) 

wata

AKUAKISARAZUさん、はじめまして。

コメントをいただき、ありがとうございます。
ALPINA B3S/MTとは、素晴らしいですね!
33,000kmってことは、これからエンジンのフィーリングがどんどん良くなると思います。
お互いに楽しく、安全に走らせていきましょう。
ちなみにゴールデン・ウィークの旅日記はあと数回ありますので、おつきあいいただけると幸いです。
これからも、どうぞよろしくお願いします!

by wata (2013-05-11 16:56) 

ゆう320

地の果てって感じがしますね。民宿のいたせりつくせりにはびっくりです。お造り 焼き物 煮付けって魚好きの私はテンション上がりっぱなしやで...です。(苦笑)
by ゆう320 (2013-05-11 22:19) 

wata

ゆう320さん、こんにちは。

はい、果てまでやって来たって感じがしましたよ。
宿はどうせ独りなので一番安いプランでいいや・・・と思ったのですが、確かに豪勢では無いものの、とにかく旨い魚を出すんですねぇ。
いやもう、参りました(伏)。

by wata (2013-05-11 23:14) 

はじぱぱ

wataさん ご無沙汰しています。GWは九州に行かれていたんですね。
今日は、GWに都城から学生時代の友人が上京した際のお土産「宮崎地鶏の炭焼き」で焼酎を飲んだところでした。
民宿の食事素晴らしいですね。wataさんの写真を見ていていると九州の素晴らしさを改めて感じます。

私事で恐縮ですが、6月より海外勤務となりましたので、B10は泣く泣く手放すこととしました。
何年で戻れるかわかりませんが、赴任地でブログを拝見させて頂きます。
by はじぱぱ (2013-05-11 23:30) 

wata

はじぱぱさん、こんにちは。

埼玉の自宅から九州までは1,000km以上もあるのですが、今回もまたはるばるやって来た甲斐があったなぁ・・・と思いました。
ご覧のとおりあまりカネをかけていないんですけど(涙)、低料金の宿でも旨いもんを喰わせてもらってありがたい限りです。

今回は出張ではなく、赴任なんですね・・・。
B10-B3を通じてバーチャル/リアルともにおつき合いいただき、どうもありがとうございました。
くれぐれもお体に気をつけて、どうぞお元気で!

by wata (2013-05-12 09:05) 

d3

wataさま。この四年ほど毎記事!楽しみに読ませて頂いています福岡のd3と申します。ALPINA D3BITURBO(MT)に乗っています。

wataさんの記事の中でも、とりわけGTのファンでして、しかも今回の天草は義父の家があることで親近感もばりばり、思わずコメントさせて頂いています。

思えばアルピナへ乗り換えるきっかけもwataさんの加飾の無いリアルなリポートでした。肩のチカラの抜け加減が最高に面白く読み続けています。
温泉好きもあって参考にさせてもらってます。

天草はよく行きますので今度wataさんルートの逆を走ってみようと思います!
これからも毎回楽しみにしていま〜す!

by d3 (2013-05-12 12:40) 

wata

d3さん、はじめまして。

コメントをお寄せいただき、ありがとうございます!
おかげさまでこの日は天草の素晴らしい景色を堪能させていただきましたが、翌日もまた楽しませてもらいました。
天草の海岸線のワインディングで、MTを駆使しながらトルクフルなD3ビターボを走らせるのは、また格別でしょうねぇ。
グランド・ツーリングは自分のクルマ・ライフのハイライトだと思ってますので、引き続きお読みいただけると大変励みになります。
チカラ抜きすぎのBlogで恐縮ですが(汗)、これからもよろしくお願いします!

by wata (2013-05-12 20:05) 

shima

下田温泉からの夕日は格別ですよね。私も去年の夏行きました。もしかして次は初老の男の1人イルカウォッチングですか??(笑)
by shima (2013-05-13 19:30) 

wata

shimaさん、こんにちは。

・・・正解!(汗)

by wata (2013-05-13 19:54) 

tamu

こんばんは!!

楽しく拝読させていただいておりますm(_ _)m
wataさんが行かれた野間岬、蔵之元港の長島町、そして天草と
仕事で苦い思い出がたっぷり詰まった地でもあるためコメントは避けておりましたが(笑)、
その素晴らしいお写真をはじめとするブログにコメントせざるを得ませんでした。

天草下島の西岸を通過するには、wataさんが通られた道がベストだと思います。
急ぐときはついついR389のトンネルを突っ切ってしまいますが・・・

それから大江天主堂より南にある崎津天主堂も、堂内が畳敷きですし、悲しい歴史がある所で、眺めも良いのでこちらもお勧めです!

下田温泉、私も夏場に1か月半くらい泊り込んだのですが、安価にもかかわらず夕食は魚を中心にした内容で、朝も出立が早いのでお弁当を作って頂いて非常に良い場所だったのですが、なぜか客室内にまでフナムシが・・・(以下略)

失礼しましたm(_ _)m
by tamu (2013-05-15 20:43) 

wata

tamuさん、こんにちは。

ご覧いただき、ありがとうございます。
私が遊びでフラフラしていたこのエリアで、tamuさんは仕事をしておられたんですね。
いやむしろ、とても素晴らしい場所でしたので、こんなところで仕事ができるなんて羨ましい限りです(笑)。
崎津天主堂はR389から眺めただけですので、次回は立ち寄ってみようと思います。
・・・が、やはり私のような不届者が入る場所では無いと思うんですけどね(涙)。

by wata (2013-05-15 23:01) 

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