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四国GT2012[6]剣山と骨付鳥 [drive/touring]

9月7日。
徳島県那珂郡那珂町、山奥の一軒宿「四季美谷温泉」の朝。

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6時に起床し外に出てみると空は高く晴れており、まるで秋のようです。
これまでの高温多湿な四国の残暑がウソのように、涼しく気持ちいい風が吹いていました。
が、これまでのパターンから、今日もどこかで雨に降られることは間違いないと思います・・・。
それでも懲りずに水道を借り、豪雨で汚れ放題のB3をキレイに洗い上げますが、文字通り真っ黒となっているALPINAクラシック・ホイールにはさすがに手をつけられませんでした(汗)。
旨い和定食を腹いっぱい喰ってから、チェック・アウト&イグニッション・オン。
いろいろとルートを考えた結果、本日は四国の山岳ドライビングに臨むこととしています。

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R193へと戻って北に向かうのですが、ここまでの2車線路から国道はいきなり強烈な「酷道」となりました。
延々と続く離合不可能な狭路、荒れたアスファルトに散乱する落石の破片、断崖絶壁に穿たれた素掘りの隧道。
国道とは俄かに信じがたいめちゃくちゃな山道を、不安でいっぱいになりながら辿っていきます。
昨日の豪雨の影響か、路上のあちこちに泥水が流れており、空は晴れているのに今朝洗ったばかりのB3はもう泥だらけとなりました(涙)。
地図上、このR193はなぜか途中で切れてK253になるのですが、広さも整備状況も特に変わりません。
日本最長のダートを誇る剣山スーパー林道との分岐を過ぎ、峠のトンネルを抜けてしばらくすると、いつの間にか再びR193へと名前が戻っています。
引き続き路面の悪い急坂を慎重に下り集落に出、ホッと一息ついてからR438に合流しました。
それにしてもとんでもない山道で、文字通り「酷道」の面目躍如たるルートだと思います(汗)。

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そのR438で針路を西に変え、剣山方面へと再び深い山の中へと分け入っていきます。
路面のギャップやアンジュレーションに注意を払いながら、B3のステアリングを回し続けました。
とにかく周囲はでっかい山と深い谷だらけで、すんごいところに来た感が炸裂します。
ぐんぐん上って峠の川井トンネルを抜け、ぐんぐん下って木屋平の集落まで出ました。
この付近、道は2車線となり周囲には家や店も建っています。
こんなすごい山奥にも人の営みがあることに、改めて驚かされました。
本日初めてギア・スティックが5速まで入りましたが、やがてR438は剣山に向けてまたもや狭い山道化
リア・タイヤをインリフトさせながら、B3は九十九折れの急勾配を上っていきました。
ふとサイド・ウィンドウに目をやると、もう殆ど雲の高さにまで来ていることがわかります。
砕け散った落石を避け、時にはフロント・スポイラーにヒットしそうな大きい石をどかしながら、ひたすら走り続ける46歳。
で、ようやく剣山の登山口に到着したのですが、宿からここまで70km弱、平均速度はたったの30km/h。
あまりの遅さに仰天しましたが、私、このルートをこれ以上速くは走れません(涙)。

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剣山の観光リフトは、往復1,800円。
ちょっと高いなぁと思いましたが、実際に乗るとめちゃめちゃ長くてビックリです。
振り返るとビビるほど高いところを上っていくこのリフト、料金は妥当だと思い直しました(汗)。
やがて到着したのが剣山の頂上・・・と思いきや、山頂を極めるにはここから急な登山道を40分ほど上る必要があるとのこと。
どうしようかとしばらく考えた挙句、考えるのが面倒になったのでそのまま登ってみることにしました。
・・・が、登り始めて3分で激しく後悔(涙)。
やはり歳と共に基礎体力が衰えているのでしょう、とにかくめちゃくちゃしんどくて、息は上がり汗びっしょりです。
ここ数年でもっとも辛い思いをしながら登り続け、何とか登頂に成功。
標高1,955m、剣山の山頂は名前と裏腹になだらかな草原で、木道やテラスが整備されています。
何だかよくわかりませんが、そのテラスのひとつで、下界から電子ピアノとバッテリーを担いで上がり弾いているおじさんがいました。
いやはや、すんごい人がいるもんです(汗)。

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死ぬ思いで上ってきたのに空は雲に覆われていましたが、それでも尾根筋からは眼下に連なる山々の大きな景色を見下ろすことができます。
そんな山のてっぺんで、涼しい風に吹かれながら飲む山頂の山小屋で買った200円のバヤリース・オレンジは、最高の旨さでした。
やがてガスが出始め、あっという間に世界は真っ白に。
霧の向こうからかすかに聞こえてくるピアノおじさんの演奏を背に、下山の途に就きました。

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ここからは、R439(「与作」)を東に向かうことにします。
相変わらずの山峡路ですが、感覚がすっかりマヒしてしまったのか、それほど狭い感じはしません(笑)。
ただし路面はうねったり穴が空いていたりしますので、調子に乗って飛ばしたりせず慎重に走りました。
沿道、「奥祖谷二重かずら橋」に立ち寄ります。
ここは、団体客も訪れる有名な「祖谷のかずら橋」よりも遥かに山奥にあり規模も小さいのですが、秘境の風情は圧倒的にこちらが上。
男橋と女橋、二つのかずら橋をビビりまくりながら渡り、河原に降りて小さな滝や清流からマイナス・イオンをたっぷりといただきました。
ちなみに、近くの観光レストランで喰った名物の「祖谷そば」は、ぐにゃぐにゃで旨くも何ともありませんでした・・・(涙)。

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「与作」と別れ、広狭混在のK32へと右折。
良く整備されたK45へと結び、久しぶりに普通の国道/R32に出ました。
大歩危/小歩危をスルー、R192へと左折し、K8で山越えの楽しいワインディング・ラン。
県境のトンネルを越えて香川県に入ると、いきなりの土砂降りで前も見えなくなりましたが、少し走ったらその豪雨もパタリと止みました。
今日もまた、四国の激変天気が炸裂です(笑)。

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R11を北上し、三豊市内のショッピングセンターの駐車場に入ると、そこにはシルバーのマツダ・デミオに乗るSHERRYさんが待っていてくれました。
私が四国をフラフラしていることをBlogで知り、それなら会いましょうと連絡をくれたのです。
2台を前にクルマ&旅談義に花を咲かせる、初対面の24歳と46歳。
今日は街中のホテルに泊まるため、晩飯に何か旨いものは無いかと尋ねたところ、「それなら『骨付鳥』を喰いましょう!」と言うことでアテンドしてもらうことに決定。
デミオの後について夕闇迫るR11を北上し、JR丸亀駅近くの「一鶴」に到着しました。
「讃岐うどんの次はコレ」と言われるだけあって、スパイシー&ジューシーなひなどりの骨付鳥はすこぶる旨く、ノンアルコール・ビールが進みます。
併せて頼んだとりめしを喰えば腹もいっぱい、SHERRYさんのおかげで思いがけず旨い&楽しい晩飯となりました。
それにしても、こうして旅先で声をかけてもらえるなんて、本当に嬉しいですよね。

再会を誓って別れ、昨晩予約しておいた「坂出プラザホテル」にチェックイン。
大浴場で汗を流し、驚くほど広くて快適な3,980円のツイン・ルームでUMPCに記事のドラフトを打ち込みながら、近づく旅の終わりをひしひしと感じていました。
明日はいよいよ、四国を離れることになります。

本日の走行距離は、196km。
走行時間は5時間27分、平均速度は36.0km/hでした。
さすがは四国の山岳酷道ドライブ、距離も速度もGTのミニマム記録を更新です(笑)。

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KeiM*

wataさん、こんばんは。

四国GTの連載楽しく読ませていただいております。
とりあえず最後の写真で「wataさんなにやってるんですか(笑」
とふと思ったのでコメントさせていただきます。
最後!?のまとめ動画も楽しみにしておりますよ。では。
by KeiM* (2012-09-22 19:47) 

wata

KeiM*さん、こんにちは。

GT記をご覧いただき、どうもありがとうございます。
が、最後の写真は・・・自分でも何やってんだかわかってないと思います(汗)。
ちなみに動画ファイルは4時間近くありましたので、観るだけでも一苦労。
編集してアップロードするには、かなりの時間を要すると思われます。
予め、ご了承下さい(伏)。

by wata (2012-09-22 23:11) 

wakinchan

こんばんは!

四国の山はやはり深く、自分と向き合う時間が多くて
日常の何かしらのヒント?気付き?に良い影響を与えてくれそうです。

最後の写真はアートな香りがします・・。

福岡通過の折は、是非ともご同道、お願いいたします!^^

by wakinchan (2012-09-22 23:47) 

shima

祖谷は山深いなんとも言えない場所だった事と、市営バスがものすごい勢いで山道を下っていった記憶が鮮明です。ちょっと観光客が多かったかなぁ。ちなみに最後の写真、秘密兵器で恥ずかしさも半分といったところでしょうか(笑
by shima (2012-09-23 09:45) 

wata

wakinchanさん、こんにちは。

ホント、四国の山は「深い」と言う表現がピッタリかもしれませんね。
山の中でひたすらステアリングを繰っていると、確かに自分と向き合うことができるような気もしますが、向き合ってもそこには疲れた46歳のオッサンがいるだけなので、向き合いません(涙)。

九州へもいつかまた行きますので、その際はよろしくお願いします。
なお、最後の写真、オリジナルの隅々までチェックしてみましたが、残念ながらアートの「ア」の字も見つけることができませんでした・・・(汗)。

by wata (2012-09-23 10:06) 

wata

shimaさん、こんにちは。

この辺りは、すんごいところですよね・・・。
通過しただけの「祖谷のかずら橋」付近では駐車場に観光バスの姿もありましたが、今回歩いた「奥祖谷二重かずら橋」周辺は本当に静かで人もおらず、秘境感を満喫することができました。
なお、shimaさんが遭遇した「爆走!市営バス!」には、残念ながらお目にかかることはできませんでした(笑)。

「秘密兵器」ってのが何のことだかやっぱりわかりませんが、ここは墜ちたら死んじゃう的な岩場なので、恥ずかしがってるヒマはありませんでした(汗)。

by wata (2012-09-23 10:16) 

zen

僕も「祖谷そば」の美味いの食べたことありません。

あれをわざわざ祖谷そばって読んでいる意味も不明です。

あの辺りだと「半田素麺」か「たらいうどん」が美味いと思いました。

まあ、蕎麦の当たり外れは仕方ないですよねぇ。
by zen (2012-09-23 10:44) 

wata

zenさん、こんにちは。

「まずい佐野ラーメン」や「旨くない水沢うどん」などを食ったことがありますが、要するに店の良し悪しなんですよね。
旨い祖谷そばを喰わせてくれる店も必ずあるはずなので、次回はちゃんと調べてから行こうと思います。
四国と言えばうどんのイメージが強すぎるので、むしろ旨い蕎麦を喰ってみたいんですよ(笑)。

by wata (2012-09-23 20:59) 

zdm1929

こんにちは
R129といい、R439といい、いい意味でもそうでなくても(^^; “R”との表記を疑いたくなる雰囲気ですね~(汗) また、剣山の頂上でピアノを弾くおじさんの画もシュールです(笑)
それにしても四国の山間はホントに深いんですね。

by zdm1929 (2012-09-24 10:05) 

リョウスケ

wataさん、最後の画像・・・。
何もらえたんですか(笑)?
by リョウスケ (2012-09-24 20:09) 

wata

zdm1929さん、こんにちは。

R129は神奈川県中央部の立派な国道ですが(笑)、私が走ったR193やR439の未改良区間は文字通りの「酷道」でした。
しかしながら、いずれの国道も一番酷いと言われる区間は今回走っていません。
是非、走ってみて下さい(逃)。

死ぬ思いで登った剣山、疲労困憊で辿り着いた山頂で待っていたのは、「ピアノおじさん」・・・。
仰る通り、シュールにも程があります(汗)。

by wata (2012-09-24 20:36) 

wata

リョウスケさん、こんにちは。

「希望」、ですかね・・・(遠い目)。

by wata (2012-09-24 20:39) 

SHERRY

遅れのコメント、失礼します。

無事に帰られた様で何よりです。

こんな野郎の晩飯につきあって下さり、本当にありがとうございましたm(_ _)m

次はこちらが峠のうどん?を食しに参りますので、その時はまた是非遊んでやって下さいませ。。。

そして、まとめ動画の開陳を楽しみにしております!
by SHERRY (2012-09-30 18:25) 

wata

SHERRYさん、こんにちは。

こちらこそ、旨いもんを紹介していただきありがとうございました。
香川と言えば讃岐うどんぐらいしか知りませんでしたが、骨付鳥も旨いんですねぇ。
これでまた、四国へ行く楽しみが増えました(笑)。
で、SHERRYさんが峠のうどんを喰いにこられるのであれば、喜んでお供しますよ。
・・・ま、店は休みですけどね(涙)。

お察しの通り、近いうちにGT動画を開陳する予定です。
ただしぜんぜんまとまっておらず、1時間ほどの長尺となってしまいそうです(汗)。

by wata (2012-09-30 19:51) 

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