東北GT2012春[4]・5月4日：三陸沿岸部と肘折温泉 [drive/touring]
昨日からの雨は今朝も降り続いており、低気圧の中心はまだ三陸沖でモタモタしているようです。
東北の各県には大雨や洪水などに関する警報が出されたままですが、少なくともこれ以上天候が悪くなることは無いだろうと思い、岩手県/奥州江刺のホテルを後にしました。
R456→R343で東へ、三陸の沿岸部へと走るホンダ・インサイト。
強い雨がフロント・スクリーンを叩き、路面には川のように水が流れています。
今日の宿は日本海側の山形県にあり、そちらへと向かえば天気が少しはマシだと言うことは解っています。
ですが、そんな言い訳は昨日のうちに使い切っており、今日は何としても三陸へ行かなければならないと思うのです。
東北は、これまでに何度もツーリングで訪れています。
もともと大好きなドライビング・エリアですので、震災後も復興への想いと共に何度か走りに来ていました。
が、三陸沿岸部には今まで一度も行ったことがありません。
津波による被害があまりに甚大だったため、私のような一介の観光者がフラフラと訪れるのはさすがに憚られていたのです。
しかしながら震災から1年以上が経過し、地元経済再興の面からも観光客を受け入れるようになってきた旨の報道などを目にするようになりました。
加えて、岩手県/大槌町出身の先輩社員からも、「遠慮せずに是非行ってやってくれ」との言葉。
そんな経緯もあって、今回のGTでは三陸沿岸部を走ることにしていたのです。
低気圧による荒天でルート短縮を余儀なくされたものの、今日は岩手県/陸前高田から三陸海岸沿いに南下するつもりです。
で、到着した陸前高田。
TVやWebなどで見慣れているはずなのですが、実際に走ってこの目で見ると、その非現実的な光景に愕然とさせられます。
堆［うずたか］く積み上げられた瓦礫の山、廃墟と化した大型建築物、そして新たに立てられたと思われる電柱。
それ以外には何も無く、荒涼とした埋立地のような色の無い世界が拡がっています。
さらに、海沿いのR45を離れて市街地だったはずの地域を走るうちに、その道は泥色に濁った水の中に没していきました。
思わずインサイトを停め、土砂降りの雨に足元をびしょ濡れにしつつ、傘を差して付近を彷徨います。
今更ながら、この現実にショックを受けました・・・。
恐らくもう少し山側で店を開いているのでしょう、周囲に仮設の店舗などを見つけることはできませんでした。
唯一営業していたのはセルフ方式のガソリン・スタンド、ここでインサイトにレギュラー・ガソリンを満たし、次は気仙沼を目指します。
・・・が、R45は大雨による冠水で陸前高田の南で通行止め。
そこでR343を少し戻り、K34で南へ向かおうと思いきや、この県道もまた全面通行止めとなっています（涙）。
仕方が無いので大雨の中をずーっと内陸方面に戻り、40kmほど余計に走ってK10→R284で宮城県/気仙沼に入りました。
パッと見たところ街は大きく流されてはいないようでしたが、やはり破壊された建物があちこちに見受けられます。
それでも観光客相手の食堂や土産物屋は大勢の人で賑わっており、私もそんな店のひとつ「鮮」で海鮮丼をいただき、売店で土産を買いました。
しかしながら少し南に走ると建物が根こそぎ流された跡地がそのままとなっており、やはりこの付近も津波の被害を免れなかった模様。
南に走る海沿いのR45沿道には、そんな場所がいくつもありました。
本日の宿泊地である山形県/肘折温泉をターゲットにカーナビに検索させてみたところ、160km/18時30分到着との見積もりが出ました。
現地ではまたもや通行止めの情報もあるため、早めに向かったほうが良さそうです。
と言うことで、気仙沼の南にある本吉でR346へと右折し、宮城県を西へと横断することにしました。
R346→K36→R398→R457→R47。
雨も上がり、可能な限り前走車をブッコ抜きながら走ります。
ただしインサイトには、短時間で追い越しを終わらせることのできる加速力が備わっていません。
更に頑として道を譲ろうとしないクルマも多数いるため、十分な注意と安全確認の上で仕掛けどころを見極めていきます。
連休真っ只中なのに渋滞にも引っかからず、R47で山形県入り。
予想より早いペースで距離を稼いできたため、桜舞う小さな寺院や山を望む田んぼの真ん中で小休止を取りました。
いやはや、実にいい風情です。
K56→K31→K330と西に走り、R458で南に走れば肘折温泉。
しかし事前の情報どおり、R458は土砂崩れでここ1ヶ月間ほど通行止めとなっており、K331や林道を経由してK57で迂回する措置が採られています。
この迂回路がまたすんごい山道で、雪崩寸止めレベルの大量の雪から霧が発生し、視界を遮る場面も多々ありました。
雪解けで増水しまくりの川岸近く、狭い道の左右に旅館が犇めき合う肘折温泉街は、昭和の雰囲気が炸裂中。
宿泊した「亀屋旅館」のお湯もたいへん良く、チェック・イン直後に思わず長風呂してしまい、しばし部屋でひっくり返っておりました（汗）。
この付近で採れたと言う山菜中心のヘルシーな食事をちっともヘルシーじゃないビールと共にいただき、急激に冷え込む夜に何度かの風呂で体を温めてから、布団に潜り込み爆睡です。
本日の走行距離は、324km。
平均燃費は、20.1km/Lでした。
東北の各県には大雨や洪水などに関する警報が出されたままですが、少なくともこれ以上天候が悪くなることは無いだろうと思い、岩手県/奥州江刺のホテルを後にしました。
R456→R343で東へ、三陸の沿岸部へと走るホンダ・インサイト。
強い雨がフロント・スクリーンを叩き、路面には川のように水が流れています。
今日の宿は日本海側の山形県にあり、そちらへと向かえば天気が少しはマシだと言うことは解っています。
ですが、そんな言い訳は昨日のうちに使い切っており、今日は何としても三陸へ行かなければならないと思うのです。
東北は、これまでに何度もツーリングで訪れています。
もともと大好きなドライビング・エリアですので、震災後も復興への想いと共に何度か走りに来ていました。
が、三陸沿岸部には今まで一度も行ったことがありません。
津波による被害があまりに甚大だったため、私のような一介の観光者がフラフラと訪れるのはさすがに憚られていたのです。
しかしながら震災から1年以上が経過し、地元経済再興の面からも観光客を受け入れるようになってきた旨の報道などを目にするようになりました。
加えて、岩手県/大槌町出身の先輩社員からも、「遠慮せずに是非行ってやってくれ」との言葉。
そんな経緯もあって、今回のGTでは三陸沿岸部を走ることにしていたのです。
低気圧による荒天でルート短縮を余儀なくされたものの、今日は岩手県/陸前高田から三陸海岸沿いに南下するつもりです。
TVやWebなどで見慣れているはずなのですが、実際に走ってこの目で見ると、その非現実的な光景に愕然とさせられます。
堆［うずたか］く積み上げられた瓦礫の山、廃墟と化した大型建築物、そして新たに立てられたと思われる電柱。
それ以外には何も無く、荒涼とした埋立地のような色の無い世界が拡がっています。
さらに、海沿いのR45を離れて市街地だったはずの地域を走るうちに、その道は泥色に濁った水の中に没していきました。
思わずインサイトを停め、土砂降りの雨に足元をびしょ濡れにしつつ、傘を差して付近を彷徨います。
今更ながら、この現実にショックを受けました・・・。
恐らくもう少し山側で店を開いているのでしょう、周囲に仮設の店舗などを見つけることはできませんでした。
唯一営業していたのはセルフ方式のガソリン・スタンド、ここでインサイトにレギュラー・ガソリンを満たし、次は気仙沼を目指します。
・・・が、R45は大雨による冠水で陸前高田の南で通行止め。
そこでR343を少し戻り、K34で南へ向かおうと思いきや、この県道もまた全面通行止めとなっています（涙）。
仕方が無いので大雨の中をずーっと内陸方面に戻り、40kmほど余計に走ってK10→R284で宮城県/気仙沼に入りました。
パッと見たところ街は大きく流されてはいないようでしたが、やはり破壊された建物があちこちに見受けられます。
それでも観光客相手の食堂や土産物屋は大勢の人で賑わっており、私もそんな店のひとつ「鮮」で海鮮丼をいただき、売店で土産を買いました。
しかしながら少し南に走ると建物が根こそぎ流された跡地がそのままとなっており、やはりこの付近も津波の被害を免れなかった模様。
南に走る海沿いのR45沿道には、そんな場所がいくつもありました。
本日の宿泊地である山形県/肘折温泉をターゲットにカーナビに検索させてみたところ、160km/18時30分到着との見積もりが出ました。
現地ではまたもや通行止めの情報もあるため、早めに向かったほうが良さそうです。
と言うことで、気仙沼の南にある本吉でR346へと右折し、宮城県を西へと横断することにしました。
R346→K36→R398→R457→R47。
雨も上がり、可能な限り前走車をブッコ抜きながら走ります。
ただしインサイトには、短時間で追い越しを終わらせることのできる加速力が備わっていません。
更に頑として道を譲ろうとしないクルマも多数いるため、十分な注意と安全確認の上で仕掛けどころを見極めていきます。
連休真っ只中なのに渋滞にも引っかからず、R47で山形県入り。
予想より早いペースで距離を稼いできたため、桜舞う小さな寺院や山を望む田んぼの真ん中で小休止を取りました。
いやはや、実にいい風情です。
K56→K31→K330と西に走り、R458で南に走れば肘折温泉。
しかし事前の情報どおり、R458は土砂崩れでここ1ヶ月間ほど通行止めとなっており、K331や林道を経由してK57で迂回する措置が採られています。
この迂回路がまたすんごい山道で、雪崩寸止めレベルの大量の雪から霧が発生し、視界を遮る場面も多々ありました。
雪解けで増水しまくりの川岸近く、狭い道の左右に旅館が犇めき合う肘折温泉街は、昭和の雰囲気が炸裂中。
宿泊した「亀屋旅館」のお湯もたいへん良く、チェック・イン直後に思わず長風呂してしまい、しばし部屋でひっくり返っておりました（汗）。
この付近で採れたと言う山菜中心のヘルシーな食事をちっともヘルシーじゃないビールと共にいただき、急激に冷え込む夜に何度かの風呂で体を温めてから、布団に潜り込み爆睡です。
本日の走行距離は、324km。
平均燃費は、20.1km/Lでした。
2012-05-15 20:43
nice?(8)
コメント(10)
先輩のおっしゃるとおり、とにかく被災地のことを忘れずに、用事はなんでもいいから訪れること自体が大事だと私も思います。今度そのあたりを友人達とツーリングに行くことにしております。何度も行こうと思っています。
by acatsuki-studio (2012-05-15 22:02)
acatsuki-studioさん、こんにちは。
私なんぞは結局遊びに行くだけですから、地元の人にも、ボランティアなどで現地入りしている人にも申し訳ないんだよな･･･と考えていました。
GW前にそんな話をしたところ、大槌町出身の先輩社員は「いや、とにかく人が来てくれることが嬉しいんだよ」とも言ってくれたのです。
私もいずれまた、必ず三陸へ走りに行きますよ！
by wata (2012-05-15 22:29)
私も最近福島へ行き、その光景にショックを受けました・・・・
複雑な思いでしたが、自分のできることは？と考えた時、お店の人にメガ海鮮丼！大盛り！と叫んでました。
しかし、インサイトすっかり違和感なくなりましたね、wataさんの乗っていた車はなんでしたっけ？（爆）
by つくばの松 (2012-05-16 21:41)
つくばの松さん、こんにちは。
そうですね、実際に津波の被災地に行ってみると、ショックですよね･･･。
正直、陸前高田ではその場にいることが辛く感じるほどでしたが、やはり自分の目で見ておくことは大事だと思いました。
今回のGTを通じて、インサイトのことがほんの少しだけですがわかったような気がします。
借り物なのに、我が物顔で走らせていました（笑）。
･･･ところで、「メガ」なのに「大盛り」って、どういうことですか？（汗）
by wata (2012-05-16 23:11)
こんにちは
本当に何度見てもショッキングな画像です・・・。
ワタシも一度は行っておきたいと思いつつ、物見遊山で･･･という思いもあり未だ実現できていませんでした。
wataさんの先輩社員さんのお話を聞き、やっぱり行ってみようという気になりました(^^)
しかし水没した道の写真、ものすごく衝撃的です・・・。
by zdm1929 (2012-05-17 11:31)
出遅れました。お怪我がなくてなによりです。
ワタシも、2度ほど東北鈍足GTをやっています。よい道も多く好きになりました。早く、震災から復旧しますように。(ALPINA B3はもっと早く直りますように)
ワタシのいるところもずいぶんやられましたが、道路に関しては優先度をつけての復旧で、裏道あたりは、ようやく直り始めたところもあります。いろいろ言われていますが、道路の保守にたずさわる組織はなかなかうまくやってきていると思います。
by ちゅう (2012-05-17 19:58)
zdm1929さん、こんにちは。
見渡す限り津波で跡形も無くなった街の姿は、晴れていても相当ショッキングなはずです。
それが更に豪雨で広範囲に亙って冠水している光景は、とても現実のものとは思えませんでしたよ・・・。
今回は陸前高田と気仙沼にちょっと立ち寄っただけでしたが、それでもこれまでの認識がブッ飛ぶほどの辛いインパクトがありました。
私のような者が言うのもおこがましいとは思いますが、zdm1929さんも是非一度足を運んでみてください。
いずれまた、私も必ず再訪しようと思っています。
by wata (2012-05-17 20:41)
ちゅうさん、こんにちは。
事故の件、温かいお言葉をありがとうございます。
それにしても、東北はいいですよね。
仰るとおり、走るのが好きなドライバーにとっては素晴らしい道が多くて本当に嬉しい限りです。
震災からの復興には重要なインフラのひとつである道路の復旧が欠かせないと思いますが、少なくとも今回走ったエリアに於いては、震災による通行止めの道はありませんでした。
積雪や、大雨による通行止めには何度もやられましたけどね･･･（涙）。
by wata (2012-05-17 20:42)
上から2枚目の写真。
タイヤが「うい～ん」とか言って格納され、「ぎゅい～ん」ってウイングがせり出し、サンダーバードみたく潜水するのかと思いましたよ。
インサイトって水中もOKなんですね。
流石・・・
by zen (2012-05-17 21:00)
zenさん、こんにちは。
･･･いや、違いますって（汗）。
サンダーバードじゃなくて、「007/私を愛したスパイ」に登場したボンド・カー、ロータス・エスプリのように、タイヤが「うい～ん」とか言って格納され、「ぎゅい～ん」ってウイングがせり出
･･･いや、違いますって（汗・2）
by wata (2012-05-17 21:51)