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GT2011北海道[6]:追走 [drive/touring]

6日目は、オンネトーを出発。
北海道らしい景色の中を、上富良野まで走る。

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昨夜の星空はどこへやら、オンネトー/雌阿寒温泉の朝はどんより曇って気温は7度。
露天風呂で目を醒まし、今日も朝食抜きで6時半に出発した。
B3のクライメート・コントロールを今シーズン初めて暖房にセットし、R241を西に走る。
途中でトイレに立ち寄ったパーキングには、シボレー・アストロのキャンピング仕様車とアメリカン・バイクが駐まっていた。
おや?と思って声をかけてみたら、昨夜露天風呂で一緒になった関西系の元気なおねいさん三人組である。
「うっわ、温泉のおにいさんや!」って、何やねんそれ(汗)。
記念撮影をされ、軽く談笑してから手を振って別れた。

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今日も朝飯はセイコーマートの握り飯か・・・と思いきや、R241沿いに開店準備中と思しき農産物直売所を発見!
聞けば、あと数分で採れ立てのとうきびが茹で上がるとのこと、甘い芳香を放つ大鍋のかけられた薪ストーブで暖を取りながら待たせてもらう。
実のギッシリ詰まったとうきびは、「あゆみ」と言う品種。
アツアツをハフハフ言いながらかぶりつくと、歯を立てられるのを待っていたかのようにその実は勢いよく弾け、甘みと旨みとが口いっぱいに拡がった。
店の人に話を聞くと、今年の北海道は天候不順で農作物も大きな影響を受けてしまったとの由。
それでもとうきびの出来は良かったとのこと、それはこの一本を平らげて良くわかった。

足寄[あしょろ]の街を過ぎ、R274との併用区間となったR241。
留辺蘂[るべしべ]から下りてくるD88との交点手前からB3のスロットルを絞り、地元の軽自動車をブッコ抜かずに走る。
芽登[めとう]付近、ここで6年前にレーダー搭載パトカーの待ち伏せに遭ったのだ。
今思い出しても肚が立つのだが、今日は何事も無くその場を通過、対向車からのパッシングも無いことを確認して草原のストレートで巡航速度に復帰する。
ちなみに今回のGTでは、まだ取締りに遭遇していない。
しかしその時は必ずやって来るはずだ・・・と、改めて自身を戒めた。

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上士幌[かみしほろ]でD806に入り、徐々に高度を上げてゆく。
やがてナイタイ高原牧場のゲートを通過するが、ここからレストハウスまであと7kmも走るのだと言う。
牧場の入口からレストハウスまで7kmもあるなんて、どんだけデカいのよ(汗)。
しかもこの私道、大きなRのコーナーで緑の丘を走るパノラミックな絶景ロード。
雄大な景色の中を駆け抜けるその爽快感は、半端では無い。
この道を設計したのは、クルマやバイクで走ることが解っている人に違いない・・・と、確信するに至った。
そして辿り着いたてっぺんのパーキングからは、十勝平野が一望。
空は相変わらずの鈍色だが、雲は高いところにあり視程は悪くないだろうと思ってやってきたのがドンピシャリである。
6年前に訪れた際は青キップを切られて凹んだ状態であり、かつ下界が靄に覆われていたため、これほどまでの感動は得られなかった。
レストハウスはまだ開店前、先客のバイクとクルマも引き上げて、この広大な風景の中でリアルに私独り。
独禁法違反で公取に立入調査を受けるんじゃないか・・・と心配になるほどの独り占めっぷりである。
それにしても、このナイタイ高原牧場は本当に素晴らしいツーリング・スポットだと思う。
アプローチのドライビングから終着のランドスケープまで、ドライバーの気分をぐんぐんと高揚させるよう、極めて巧妙に仕組まれているのだ。
いずれまた、必ず訪れよう。

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久しぶりのタイトなワインディングを楽しみにしていたD85は、月初の台風による崩壊で然別湖から先が今も不通となっている。
そこで、R273/糠平国道でのファスト・ランを存分に楽しんだ。
その楽しみを倍加させてくれたのが、山間に入る手前で脇道からB3の前に入った黒いセダン。
エンブレムが読めず車種は不明ながら巨大なリア・ウィングと左右出しマフラーで武装、その見かけに恥じないハイ・ペースで走ってゆくのだ。
こういうバディが現れると、ソロ・ツーリングは俄然楽しくなる!
一定の車間距離をキープして追走、共に先行車を片っ端からブッコ抜き、彼がギャップで跳ねるのを見て減速し(笑)、加速して再びフォーメーションを組む。
左右は雄大な山並みが拡がる素晴らしいロケーション、2台は白樺林を加速して、巨大な橋梁を駆け上がる。
いや~、最高に楽しいドライブだ。
三国峠のPAに入り、黒い4ドア・セダンから降りてきたおにいちゃんと笑顔で話をした。
中も外もかなりイジってある彼のクルマは、スバル・インプレッサ。
なるほど2リッターのボクサー・ターボじゃ速いワケだと思いきや、「いや、1.5リッターのNAモデルなんすよ」と聞いて心底仰天した。
マジかよ、オレのクルマは排気量が倍以上あるのに・・・と、たまげる&ちょっと凹む45歳。
いや~、ビーエムは速いっすよね、このインプもちょろっとイジってますけど今日はずっとベタ踏みでしたよ、と笑うおにいちゃん。
なるほど、やっぱりクルマはパワーや排気量じゃなくて、ドライバーの気合と助手席に誰が座るかで走りが決まるんだよな、と言うと、おにいちゃんとその傍らに立つかわいい彼女は嬉しそうに笑ってくれた。

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二人を見送ってからリスタート、観光バスが連なる層雲峡をパスしてR39/R273を走っているうちに正午が近づいていた。
旭川でラーメンでも喰おうかと思ったものの、まだ距離もあるし市街地へと入るのもまったく面白くない。
で、現在地の上川と言う地名で思い出したのが「上川ラーメン」。
ケータイ&カーナビで調べるとすぐ近くに旨そうな店があるので行ってみたら、これが予想以上の成果であった。
地元の人やツーリング・ライダーで賑わう「あさひ」の特みそラーメンは、あっさり味噌味に固めの縮れ細麺がマッチして実に旨い。
一滴残らずスープを飲み干して、大満足のうちに店を出た。

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無料開放中の愛別上川道路で愛別までワープし、D140→D37で旭川空港の脇を掠めてR237に合流。
美しい丘に色とりどりの花が咲き、カップルやファミリーで賑わう超観光地の美瑛[びえい]に、泥と蟲にまみれた汚れ放題のB3で乱入した(汗)。
平日にも関わらず「○○の木」とか「××の丘」には人が群がり、観光バスが邪魔をする。
肚が立ったのでそんな観光エリアを脱出し、D580を美馬牛[びばうし]方面へと快走するうちに大いに気分が良くなった。
途中、一面が黄色く染まる丘に出会う。
膝丈ぐらいまでの小さなヒマワリが無数に咲いており、遠く農作業に勤しむ人以外には誰もいない。
これでますます気分が良くなったオッサンは美馬牛からD824を勢い良く走り、突き当たりのD966を右折。
その先の駐車場にB3を置き、5分ほど歩いて「青い池」に到着した。
夕方近い曇天のせいか、はたまた雨が降ったのか、青い水面はやや濁った印象でその美しさはオンネトーに遠く及ばない。
それでも樹々が立ち枯れてなお自己を主張する小さな空間は、観に来て良かったと思わせるものがあった。

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D353をカッ飛ばし、「旅の宿 ステラ」に到着。
上富良野の風景に建つ、瀟洒な造りの快適なペンションである。
そのダイニングに設えられたTVには、台風15号に翻弄される首都圏の様子が映し出されていた。
台風がやって来ていることはインターネットなどで知ってはいたのだが、ここ数日はTVにもラジオにも接していなかったため、首都圏直撃にはビックリである。
さらにこの台風は北海道に向かっており、今夜から明朝にかけて最接近する見込みだと言う。
明日、私はその進路に最も近い襟裳岬[えりもみさき]方面へ行く予定なのだ。
マジかよ・・・と呟きつつ見上げる西の空は、吉兆か凶兆か、赤紫色の激しい夕焼けに染まっていた。

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9月21日の走行距離は、371km。
走行時間は5時間49分、平均速度は63.8km/hだった。

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コメント 2

パンサー

こんにちは。
例によってまたGT拝見しておりました。
やっぱりいったんですね。。。三国峠
緑の樹海の中に一際目立つストレートの赤い鉄橋は
展望台からだけしか見ることのできないロケーションですね。
上りの三国峠のストーレート&コーナリングは、その車両の
持っているスペックがほぼ体感ができますね。
(下りは操舵装置&制動装置が肝・・・汗)


この時期、太く縮れた卵麺に油の膜が浮いた味噌ラーメンは
あ~格別だろうな~。。。羨ましい






by パンサー (2011-10-09 08:54) 

wata

パンサーさん、こんにちは。

毎度ご覧いただき、ありがとうございます!
三国峠越えはツアラーとして外せないルートですので、もちろん走らせていただきました。
道も景色も素晴らしく、北海道らしいダイナミックな走りを堪能できますよね。
しかもインプレッサと(勝手に)一緒にハイアベレージ・ドライビングを楽しむことができ、大満足でございます。

上川「あさひ」の味噌ラーメンは、札幌の「太麺+こってり味噌味」とは違って「細麺+あっさり味噌味」でした。
これがまた、旨いんですよ~(笑)。

by wata (2011-10-09 20:52) 

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