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蓼科ツーリング [drive/touring]

8月最後の土曜日の朝、雨もパラつく関越自動車道。
3台は大混雑の上里SAを逃げ出して藤岡JCTから上信越自動車道に入り、ルートを検討すべく甘楽PAで再集結しました。

今日は十数年来のクルマ仲間と、蓼科高原への一泊ツーリングに出ています。
MTさんのクルマは白いポルシェ・911カレラS、PDK仕様。
Kさんのクルマも白いポルシェ・911カレラ、マニュアル・トランスミッション仕様。
基本「ルート隊長」な私が前を走るのですが、バック・ミラーに2台の白い911が常時映りっぱなしってのは、かなりエキサイティングな感じです(汗)。

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今にも落ちてきそうな重たい雲の下、下仁田ICからR254を西に走ります。
途中から旧道に入り、荒れた細い山道をぐりぐりと上っていくと、周囲はやがて真っ白な霧に覆われ始めました。
で、神津牧場でひとやすみ。
ジャージー牛やヤギが草をムシャムシャと喰いまくっている山の牧場は、晴れていれば良い景色を眺めることができたと思われます。
オッサン3人でミルク感たっぷりのソフトクリームを舐め倒し、出発です。

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濃霧の細い山道を「大丈夫なのか?」と訝りつつ辿っていくと、長野県境を越えたK44はやがて2車線のダウン・ヒルとなりました。
いつの間にか霧も晴れており、高い雲の間からは青空さえ見えています。
と言うことで、アクセル・オン。
路面は荒れ気味、初めて走る道だしのんびり行こうと思っていたのですが、背後から襲いかかる2台のポルシェ・911がそうさせてくれないのです(←被害妄想か?)。
嗚呼オレもうこれ以上走れないよひぃ(涙)・・・となったところで山道終了、小休止。
いやはや、タフなワインディングでした。

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「腹減ったから旨い蕎麦喰うべ」との意見が一致し、市街地を迂回するため佐久ICから小諸ICまで一区間だけ上信越道を使用。
K80からK94を地蔵峠方面に少し上ったところに、旨い蕎麦屋があるんです。
「蕎麦の茶屋 丸山」は、以前にも同じメンバーで訪れているお気に入りの店。
前回と同じく胡麻だれ蕎麦を喰い、相変わらずの味に舌鼓を打ち鳴らしました(笑)。
トロットロの蕎麦湯を飲み干して店を出ると、朝の天気がウソのように空は晴れ渡っています。
よーし、これから絶景のスカイラインを気持ちよく走るぞっ!

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・・・と思いきや、蓼科スカイラインは霧の中(涙)。
スタート地点からしばらくは木漏れ日に恵まれていたのですが、程なく周囲は白一色の世界となり、景色など望むべくもありません。
こうなりゃもう走るしかありませんので、二車線区間の終わりまで3速メインでアクセルを開け続けました。
蓼科スカイラインはこのメンバーで過去に二度走りに来ていますが、積雪や土砂崩れでいずれも撤収を余儀なくされています。
今回、一車線区間では土砂降りの豪雨、更にはミルクのような超濃霧にも襲われたりしたものの、ピークの大河原峠を抜けて無事に女神湖へと達することができました。
陽も射し始め、激変する山の天気に驚きながらK40→K192と下山。
「宿泊隊長」MTさんの先導で、目的地の蓼科高原に到着しました。

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露天風呂で汗を流したら、夕暮れのテラスに七輪を出してビールで乾杯。
「こんなに喰うから太るんだよな~」とやや自虐的に呟きながら、次から次へと遠慮なく肉を野菜を炙りました。
いつも以上に呑み、更にはじゃがバターや焼きとうもろこし、最後のトドメは焼きおにぎりで、腹も心も満たされまくりです。
空が暗くなるに従って気温も下がり、炭火から離れると肌寒いほど。
後片付けをして風呂から出るともう耐えられず、21時過ぎには布団に倒れこむのでした。

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翌朝は、残念ながら雨。
・・・だったのですが、「料理隊長」Kさんの手になる朝食を喰っているうちに雲は切れ、小鳥の囀りとともに山の端から朝日が射してきました。
ドロッドロに汚れまくりのカレラ/カレラSとB3をバケツ洗車でザッとキレイにしたら、出立。
昨日下りてきた山へと、3台は再び上っていきました。

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曇り先行ながら、幸いにも懸念していた雨や霧には邪魔されなかったビーナスライン
クルマが多くてマイペース走行とはなりませんでしたが、「ラン&ウェイト、オーバー・テイク」で3台は走りました。
ここは屈指の観光道路、季節や時間によっては渋滞すると聞くものの、それでもビーナスラインの素晴らしさは第一級だと思います。
霧ケ峰にクルマを停め、暫し寛ぐオッサン・トリオ。
うーん、いい気分です。

「で、乗るんでしょ?」
「ん?乗るって何に?」
「911」
「え?オレが?いやいや、ぶつけちゃったりしたらシャレにならな
「はい、キー」
「マジかよ・・・(汗)」

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そんなワケで、「ポルシェ童貞」が運転する911カレラはおっかなびっくり走り出しました。
12年モノ/150,000km超のB3と、新車から10,000kmにも満たないKさんの911カレラとを比較するのは明らかに間違っていますが(汗)、「そうか、これがスポーツ・カーなんだ」と思わず唸ってしまいます。
その走り、速いのはもちろんですけど、とにかく加減速旋回のすべての動きに一切のムダが無いんですねぇ。
ステアリング・ホイールからシフト・スティック、3つのペダルやシートに至るまで、ニンゲンがクルマと接する部分の「遊び」がB3よりも遥かに少なく、何もかもがダイレクトだと感じます。
更に三峰展望所からは、MTさんにカレラSのキーを渡されました。
ツー・ペダル、最新のロボタイズドMTたるPDKの変速動作は、シフト・ショックも無ければシフト・ラグも無し。
話に聞いてはいましたが、文字通り完璧なギア・チェンジをやってくれます。
うーん、こりゃどう考えても3ペダルMT車より速いですわ、PDK。

MTさんもKさんも、かつてはE46/M3のオーナー・ドライバー。
その二人が口を揃えて「911は速さが違う」と言いますし、私もビーナスライン20kmの試乗でその片鱗を垣間見たような気がしました。
ただMTさん曰く、911を911らしく速く走らせるには、ドライバーにも相応の技量が求められるだろうとのこと。
M3で飛ばしているときよりも、ついつい真剣になってしまうのだそうです。
恐らく911と言うクルマは、ドライバーに媚びていないのでしょうね。
そう考えるとPDKも、イージー・ドライブやクリック・シフトなど「ドライバーへのサービス」のためでは無く、ニンゲンのムダなクラッチ操作を嫌って速く走るために搭載されているんじゃないかと思えます。
空冷時代に比べれば少しは丸くなったと聞きますが、ポルシェ・911はやはり生粋のスポーツ・カーであり、故に乗り手を選ぶクルマなのだろうと改めて思った次第です。

先ほどまで乗っていた2台の911に引き離されつつ美ヶ原へのタイトなヒル・クライムを全力で走らせながら、「B3、ユルユルやん・・・」と思わず苦笑いする45歳。
でもそのユルさと言うか、懐の深さがまた魅力なんですけどね、B3(笑)。

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霧に展望を閉ざされた美ヶ原高原を後にし、扉峠まで戻ってよもぎこば林道で松本方面へと下ります。
トランシーバからは先導するMTさんの「タイヤ減ってるからあんまり飛ばさないよ~」との声が聞こえてきますが、そうは言っても先行する2台はかなりのハイペース。
ケツ持ちのB3も、各コーナーでタイヤに悲鳴を上げさせながら懸命に下っていきました。
市街地の手前で「開田蕎麦 田舎家」に入り、昨日に引き続き昼飯は手打ち蕎麦。
この店はMTさんが以前にも訪れているとのことで、文句無しに旨い蕎麦を喰わせてもらいました。

混雑する松本市内を通り、帰路に就くべく中央道に乗ったのが13時過ぎ。
大渋滞が始まる前に何とか八王子まで辿りつこうと3台はアクセルを開け続けましたが、用も無いのに追越車線をチンタラ走るクルマに進路妨害を喰らうことも多く、思うようにペースが上がりません。
そうこうしているうちに予想よりも早く渋滞が始まり、甲府盆地を走っているうちに、大月JCTから先のVICS表示があっという間に真っ赤になりました。
ここまでか・・・と無念の思いに駆られつつ、釈迦堂PAへと入ります。

「さてどうすっか」
「このまま中央道・・・は無いよね」
「うん、絶対にあり得ない」
陣馬山とか、都留から県道で相模湖とか?」
奥多摩を越えるとかね」
「うーん、どれも八王子辺りがめんどくさいなぁ」
秩父へ抜けるのも吝かでは無いけど」
「それはねぇだろ」
「長野方面へ戻るか」
「いいねぇ」
「良くないって」
「東名は?」
「富士山ぐるっと回って御殿場に出るか」
「いや、御殿場から大和トンネルまで大渋滞だよ」
「御殿場市内も大混雑だしね」
「じゃ『オダアツ(小田原厚木道路)』で行こうか」
「そうだね」
「そうしよう」
「よし、出発!」

・・・って、そんなんでいいのか?(汗)

B3を先頭にすぐ先の勝沼ICで中央道を捨て、登坂車線つきの豪華なR137バイパスで河口湖まで出ます。
観光客やファミリー・カーで混雑する湖畔を我慢して抜け、富士吉田ICから東富士五湖道路で山中湖へ。
御殿場方面へ渋滞するR138を避けて北岸のK279を走り、K730に入ったところでアクセル・オン!
三国峠/明神峠を越えるこのワインディング・ルートは他にクルマも殆ど走っておらず、後続の911×2が放つプレッシャーに圧されて、B3はラグナ・セカばりのコーク・スクリューへと涙目で吸い込まれていきました。
必死ですが、楽しいです(←ドMか?)。

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小山の町を抜け、今度は足柄峠を目指してK365でのヒル・クライム。
ここでも必要以上にガス・ペダルを踏み、最後の峠道を駆け上がっていきます。
途中の展望駐車場、今日の富士山は足元まで雲のベールに隠れていましたが、暮れゆく晩夏の空は何ともイイ感じでした。
が、B3に履かせているネクセン・N3000は、走行6,000kmにしてフロントのショルダー部がつるっつるになっています。
MTさんのカレラSが19インチ・ホイールに巻くピレリ・Pゼロもまた、スリップ・サインが出ている模様。
走行距離が少ないKさんのカレラはまだ大丈夫のようですが、いずれにせよこの二日間で12本のタイヤは大きく削られてしまったようです(汗)。

峠を越えた3台は、K78から南足柄広域農道へと右折。
陽が落ちた小田原の街で、またもや「こんなんばっかり喰ってるから太るんだよな~」と自虐的に呟きつつ、3名ともトンカツを貪り喰いました(笑)。
たくさんのクルマに囲まれながら小田原厚木道路を走り、渋滞が始まった伊勢原ICでアウト。
東へ迂回し、R129経由で改めて厚木ICから東名高速道路に乗ります。
それにしてもすんごい渋滞で、御殿場からずっとこの中にいたらもう発狂しかねません(涙)。
遠回りだろうが時間がかかろうが、やっぱり走ってるほうがいいよな・・・などと思っているうちに大和トンネルを過ぎ、クルマが流れ始めました。
大混雑の港北PAでMTさん/Kさんと落ち合い、笑顔で解散。
首都高を順調に走って、21時過ぎに埼玉の自宅に帰着しました。

2日間の走行距離は、756km。
走行時間は13時間44分、平均速度は55.0km/hでした。

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いや~、走りまくりました・・・。
要所要所のワインディング・ロードでは何故か毎回「濃い走り」となり、緊張感炸裂でステアリングを繰っておりました。
ただでさえパイロット役は大変なのに、後続が2台の911ですからもうたまりません(笑)。
自身の限界を超えるような瞬間もあったりしましたが、こうして仲間と走り、呑んで喰って語らうのは、やはり格別の楽しさがありますね。
また今回は、ポルシェ・911カレラ/カレラSの走りを生まれて初めて目の当たりにしたツーリングでもありました。
更に二人から「ドライバー目線」での話を聞き、かつ試乗させてもらったことで、その素晴らしさがわかったような気がします。
と同時に、やっぱりB3もいいクルマだよな・・・と再認識することもできました(笑)。

MTさん、Kさん、どうもありがとうございました。
また一緒に遊びましょうね!

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M郎

藁科ツーリングお疲れ様でした。
相変わらず、よく走りに出掛けますね。(笑)
このルートもいいですね。参考にさせていただきます。

本日、6日間の九州・四国GTから帰還しました。
素晴らしい地獄温泉・極楽温泉、ダイナミックな阿蘇とその周辺の広域農道、尾鈴サンロードなど楽しいにも程があり、本当に行って良かったと思っています。。
このブログを参考にさせてもらい、直前にはアドバイスもいただきありがとうございました。
おかげさまで勤労意欲も出てきました。来年も行くつもりです。













by M郎 (2011-08-31 00:49) 

MT

お疲れ様でした。
楽しいツーリングでした。まぁ、ルート設定は普通じゃないですが。(笑)
しかし、走りました。先導のB3がやたら攻め込んでくれて、おかげさまで
タイヤは終わってしまいました。(汗)
今回、ビーナスラインで久々にB3をドライブしましたが、懐の深さはさす
がでした。そして、あぁ、アルピナだなぁ・・と。(笑)
路面を選ばないしなやかな足はやはり魅力ですね。
今回も思いっきり走って緊張し、温泉でフニャフニャに緩んで旨いものを
食って楽しいんでとメリハリのきいた休日でした。
またやりましょうね。
by MT (2011-08-31 00:54) 

wata

M郎さん、こんにちは。

もう何度もこのメンバーで蓼科へツーリングに行ってますが、下仁田から佐久への山越えルートは初めてでした。
蓼科スカイラインや三国峠/明神峠、足柄峠など、いずれも走り放題でしたよ(笑)。

九州・四国GT、おつかれさまでした!
現地へ行くだけでもかなりの距離ですが、九州も四国も、思い切って行く価値がありますよねぇ。
私のBlogを少しでも参考にしていただいたのであればとてもありがたいですし、ロング・ツーリングの楽しさを共有できて本当に嬉しく思っています。
いずれ、みやげ話でも聞かせてくださいね(笑)。

by wata (2011-08-31 20:07) 

wata

MTさん、こんにちは。

二日間、どうもありがとうございました!
いや~、楽しかったですよ。
確かに今回は、これまでにも増して走ったような気がしています。
タイヤの磨耗をメンバーのせいにするのは私も含めてお約束ですが(汗)、それだけ走ったってことなんですよね。
渋滞を嫌って中央道を降りましたけど、そこから先の行動も単なる「迂回」ではなく楽しい「走り」だったので、更に磨耗が進んだものと思われます(笑)。

ドライビング時の緊張と、飯や温泉での弛緩、確かにこの落差は大きいですねぇ。
なるほど、これがトータルとしてのツーリングの楽しさなのかもしれません。
こりゃやっぱり、やめられまへんな(笑)。

by wata (2011-08-31 20:10) 

K

久しぶりに快走できた二日間でした。
翌日から、“腰”にきております・・・

緊張と弛緩のバランス、いいですね。
またの機会を!
by K (2011-09-01 19:06) 

wata

Kさん、こんにちは。

どうもおつかれさまでした。
まぁ良く走りましたよねぇ。
快走と言うか、「激走」の場面も多かったように思いますけどね(笑)。
私は腰は大丈夫ですが、肩から腕に余韻が残っており、ステアリング切り過ぎだった二日間を反芻させられている次第です(汗)。

緊張ばかりじゃツラいですし、弛緩ばかりじゃつまらない。
ピークとボトムのバランスを、全力で楽しんだ週末となりました。
はい、是非また行きましょう!

by wata (2011-09-01 23:08) 

amataro

wataさん こんにちは

911二台に後ろ付かれるというのは精神衛生上よろしくないですね。。。
いろんな所で比較に引っ張りだされるM3と911からなのか分かりませんが、後ろに付かれること多いです。
無論チャレンジなんぞせずに速攻道を譲ります。

2日間かけてのツーリング、気の知れた仲間、緊張と緩和の繰り返し、旨い蕎麦。 いいですねー。

これぞツーリングの醍醐味ですね!
by amataro (2011-09-02 23:10) 

wata

amataroさん、こんにちは。

路上で911につかれたら、1台だってもちろん直ちに譲りますよ。
今回だって、仲間だとわかっていても、バック・ミラーに映る2台のプレッシャーは並大抵のモノじゃありませんでしたからねぇ・・・。
そういう意味では、MTさん/Kさんよりも私のほうが遥かに「緊張」の度合いが高かったと思います(汗)。

しかし、E92/M3ならまったく大丈夫なのではないでしょうか。
いつかこの二人とamataroさんと一緒に走る機会があれば、私になんぞ気を遣っていただく必要はございません。
どうぞ遠慮なく3台でお先に行っちゃって下さい、どこまでも(震)。

by wata (2011-09-03 11:18) 

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