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GT2010秋[6]10月22日:牛と雲と紅葉と [drive/touring]

夜明け前に早起きしてみたものの、四国カルストの空は引き続き雲に覆われていた。
朝食までにはまだ時間があるので、早朝の高原へとB3を走らせる。

・・・と、行く手を阻む黒い牛(汗)。

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石灰石が多数露出するカルスト地形の五段高原はその一帯が牧場となっているようで、のんびりと草を食む牛の姿をあちこちで目にすることができる。
牧草地と道路とはワイヤーなどで区切られているハズなのだが、ま、なかなかアバウトな感じでよろしい(笑)。
尾根のてっぺんに建つ宿「天狗荘」の周辺からも色づき始めた山々や遠くの雲海を見下ろすことができ、明るんでくる絶景を仁王立ちで睥睨する。
うむ、実に気分が良い。

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風呂入ってメシ喰ってチェック・アウト。
昨日走ってきた尾根伝いのK383を地芳峠まで引き返し、R440で山を下りる。
1-1.5車線の山道、地図上では何となく「酷道」の予感がしていたのだが、思いのほか路面も良くて快適に走ることができた。
R33→K212と北上、高速コーナーの続くR494を風を切って走る。
再び山へと登る前に一休みすべく、K12の途中を左に入り面河渓へ。
紅葉には早いが、ハイカーの姿も疎らな渓谷は静かで実に清々しい。

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K12/石鎚スカイラインは、2速⇔3速のテクニカル・コーナーが続く楽しい登山道。
破綻しない程度にアクセルを開け、B3のドライビング・ダイナミクスを大いに堪能する。
ぐんぐんと登るに従って、周囲の樹々が次第に色づいてきた。
この辺りは四国でも最も標高の高いエリアのひとつで、実際、四国の紅葉は石鎚山周辺から始まると言われている。
空は相変らず雲に覆われていたが、これは思いがけず紅葉ドライブを楽しめるかもしれないぞ・・・と期待しつつ県道終点から瓶ヶ森林道に入るや否や、濃霧に襲われた(涙)。
2年前と同じパターンである。

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白く閉ざされた1車線路を我慢してノロノロと進んでいったら、突然視界が拓けて雲の上に出た。
つまり霧では無く雲の中を走っていたワケで、これまた前回と全く同じパターンである。
眼下には極めて濃密な雲の海が拡がり、西日本の最高峰・石鎚山が頭を出している。
その雲海は谷からあふれ出し、子持権現山の脇をゆっくりと下に向かって流れ落ちてゆく。
いや~、来て良かった。
紅葉の始まった瓶ヶ森林道は、平日にも関わらず思いのほか人やクルマがいる。
もともと「走る道」では無いので、私もところどころでB3を停めて景色を眺めたりしながら、尾根道をのんびりと辿っていった。
瓶ヶ森林道・・・この道もまた、外せない絶景ルートのひとつである。

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尾根からは羊腸路を一気に下り、R194を西条方面へ。
これがまた豪快な高速ルート、道幅も広く信号も無く、知らず知らずのうちに速度が上がってしまうので注意が必要だ。
街中のR11を東に走るが、つまんないのでK47へと右折し再び山の中へと向かう。
・・・とその前に、小腹が空いたので道の駅「マイントピア別子」へ。
売店のおねいさんに「アツアツはいかがですか?」と微笑まれ、名物のじゃこ天とじゃこカツが揚がるまでじっと待つ。
で、アツアツを、ハフハフ言いながら貪り喰った。

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K47→K6の別子ラインは、半端無くドライビングを楽しめるルートだった。
ドライバーを挑発するかのような連続タイト・コーナーをクリアすれば、ハイ・アベレージをキープできる快走路が待っている。
その構成と距離感が抜群で、こと「走り」に於いては今回のGTで最も楽しい道のひとつであった。
金砂湖に出たところでひと休み、宿までのルートをカーナビで検索する。
と、例によって無難な行程を5つも出してきたので全て却下、ナビが選ばなかったR319湖岸ルートで行くことにした。
これがまた案の定、延々続くくねくねくねくねの山峡路。
路面は比較的良かったものの、景色も拓けず拡幅区間も無い、実にタフな「酷道」であった。
いいかげんに飽きてきたところでK5へとスイッチし、解き放たれたかのようなハイスピード・ランを楽しむ。
R192を東へ快適に走り、R32→K12と吉野川に沿ってクルーズし、R438を北に駆け上がって香川県の外れにある美霞洞(みかど)温泉に到着した。

グランド・ツーリングも、残り僅か。
楽しかった思い出を反芻し、明日はどこを走ろうかと思案しつつ、宿の脇を流れる渓流に沿って独り静かに歩くのであった。

本日の走行距離は、280km。
走行時間は5時間33分、平均速度は50.4km/hだった。

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ball

例によって(←例なのか)5回づつ位拝見させていただいておりますが、存分に楽しまれたご様子が伝わって参ります。 最後の写真なんてどついたろか、と羨ましくもハンカチ噛み締めてますよ(笑)。

山間を走っていると、鹿・狸・猿・梟(ふくろう)なんかに出くわすなんてことが時々ありましたが、さすがに牛は無いですねぇ...一発目の写真にして笑かせていただきました。 また雲の下に雲海を望む光景、肉眼で観てみたいなぁ・・・・これはい~なぁ。 ベットに潜り込むが如くダイブしたら意外と漫画みたく乗れちゃうものなのでしょうか。四国だし。(←筋斗雲やないし、そもそも四国は関係ない四国は)

「どこか行きたいなぁ」なんて思うも一週間もの休みをどう捻出するか(涙)・・・・
あ、先立つものも(号泣)。
by ball (2010-11-04 05:00) 

wata

ballさん、こんにちは。

はい、おかげさまで存分に楽しませていただきました、グランド・ツーリング。
まぁ牛は放牧されていたので周りにいることはわかっちゃいたのですが、道に出てきているとは思いませんでした。
結果、バックによる撤収を余儀なくされた次第です(涙)。
石鎚山の雲海も、実にイイ感じでした。
今回は観ることはできませんでしたが、阿蘇の雲海も素晴らしいモノがありますので、ballさんも是非行ってみて下さい。
仕事を休む価値は、十分あると思いますよ(笑)。

by wata (2010-11-04 20:06) 

sako

こんばんは♪
相変わらず、臨場感溢れる素晴らしいツーリング記事ですネ(゚∀゚*)
まるで、どこかのクルマ雑誌のようです。
いつも思うのですが、wataさんのブログ記事を集めればツーリング雑誌になっちゃいますネ (∩_∩)
σ(^_^;)も見習わなければ ・ ・ ・ あ、私には到底無理な話でした(爆)

by sako (2010-11-04 21:50) 

wata

sakoさん、こんにちは。

臨場感に溢れているかどうかは全く以って謎ですが(汗)、テキストは走ったその日の夜にラフを書くようにしています。
当日に体験したことや思ったことをできるだけ新鮮なうちに遺しておこうとの魂胆ですが、ま、要するに健忘症対策ですね(笑)。
なお私のBlogは4割がドライブ/ツーリングに関する記事ですが、内容的にはどれもただ走ってるだけ。
こんなもんを雑誌にしたとしても、即日廃刊決定です(涙)。

by wata (2010-11-04 22:58) 

Skoll

こんばんわ。
GT2010秋、毎回楽しく読ませていただいております。

九州のレポも記事の内容・写真ともに大変興味深かったのですが、今回の四国編も臨場感の伝わる素晴らしい内容だと思いました。(ホントに凄いですね。)

記事や写真もさることながら、実際に長期のお休みを取り、日常とは違う世界を存分に満喫されているお姿に感動と尊敬の念を持たざるを得ないです。

wataさんの漢の実行力、見習おうと思います。(素)
by Skoll (2010-11-04 23:07) 

wata

Skollさん、こんにちは。

いや・・・あのですね・・・。
何か社会に役立つことをしているワケでも無く、単に休みを取って独りでアホみたいにクルマを走らせているだけのことですからねぇ。
「感動と尊敬の念」なんて、いくらなんでも勿体無さ過ぎます。
堪忍してください(伏)。

ま、要するに楽しいんです、こういうの(笑)。
兵庫にお住まいのSkollさんなら、例えば週末+1日の2泊3日で四国のハイライトを十分楽しむことができると思います。
B3Sの走りに惚れ直すこと請け合いですから、是非独り旅へお出かけ下さい(誘)。

by wata (2010-11-04 23:41) 

zdm1929

こんにちは(^^)
GTレポ、楽しく読ませていただきました♪

道の真ん中に黒くてデカイ牛がじっとコチラを見ている景色、日本じゃないみたいですね(笑) アバウトさがとてもステキです(^^)

石鎚山の紅葉って有名みたいですね。
四国は1度仕事で行っただけですが、時間を掛けてゆっくり回るといいとこイッパイありそうですね~♪
by zdm1929 (2010-11-05 11:31) 

wata

zdm1929さん、こんにちは。

四国カルスト、尾根伝いの県道からちょっと脇道に逸れたら、牛により通行止め。
驚いてカーナビをチェックしてみましたが、この情報はVICSにも反映されていませんでした(←そりゃそうだ)。
石鎚山を横目に走る瓶ヶ森林道は標高1700-1800mほどの高さですので、四国でもこの時期から紅葉が始まるようです。
シーズン中の週末はこの狭い林道が渋滞するらしいですから、たまったもんじゃありませんね(笑)。

四国はですね、走るととてもイイところだと思います。
九州や北海道よりは圧倒的に近いですから、ツーリングのターゲットとしてリアリティが高いですよね。
マジで、お勧めですよ!

by wata (2010-11-05 19:25) 

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