SSブログ

GT2010秋[5]10月21日:街を歩き、海を越え、山に登る [drive/touring]

朝6時に起床、露天風呂に浸かる。
夜中に降っていた雨は止んでいたが、いつまた降りだしてもおかしくない空模様だ。
昨日はかろうじて垣間見ることができた由布岳も、今朝は雲の向こうに隠れたままである。
いずれまた晴天の日に再訪したいものだと思いつつ、宿を後にした。

P1010826.jpg
P1010824.jpg
P1010831.jpg
今日は九州の最終日。
四国へのフェリーまでには少々時間があったので、ガラにも無く湯布院の街を歩いてみた。
4年前に立ち寄った時は渋滞と人ごみに即時撤収を余儀なくされたので、今回はそのリベンジでもある(笑)。
小洒落た土産物屋が立ち並び、豪壮な老舗旅館が潜む街は確かに風情があり、人気があるのもなるほど頷ける。
JR湯布院駅から金隣湖までそぞろ歩き、古民家のような茶房で久しぶりに旨い珈琲を味わった。
大いに結構である。
・・・が、やはりオッサンが独りで歩く街では無いとつくづく思った、湯布院(涙)。

P1010834.jpg
P1010838.jpg
P1010840.jpg
湯布院ICから大分自動車道に乗り、前を行く全てのクルマ/バイクをブッコ抜き、大分宮河内ICでアウト。
別府湾に沿うR197を走って、佐賀関の国道九四フェリー乗り場に到着した。
出航時刻、汽笛が響き、B3を積んだフェリー「ニュー豊予3」が港をゆっくりと離れる。
ここからは、70分ほどの船旅。
潮風吹くデッキに独り佇み、白い航跡の向こうに霞んでゆく九州を呆けたように眺めていた。

P1010842.jpg

------

愛媛県/佐田岬半島。
三崎港に接岸したフェリーのゲートが開き、B3は四国へと上陸した。
そのままR197に出て、内陸方面に向かう。
大分県の乗り場までの道もR197だったので、フェリーも文字通り国道の一部と言うことなのであろう。
空は九州に引き続き曇っており、トラックなどもそこそこ走っていたが、佐田岬メロディーラインと呼ばれる快走ルートは景色も良くてイイ感じである。
八幡浜から大洲辺りまではごく普通のつまらない道となるが、その先は交通量もグッと減ってアクセル・オン。
道の駅「清流の里ひじかわ」で一休み、肉まんで小腹を満たしてから、R197と別れて暗く深い山の中へとB3を進めていった。

P1010852.jpg
P1010854.jpg
K32→K36は、地図上で予想していた通りのロング&タイト&ワインディング・ロード。
ところどころ現れる改良区間を除き、深い森の中をクネクネの1-1.5車線路が延々と続いている。
路面は悪くないのだが、ところどころで落石が砕け散っていたりするのはこのテの道のお約束。
いかにも四国の「険道」と言った趣で、今回のグランド・ツーリングに於いてこれまでで最もタフなコンディションである。
標高を上げるに従って霧も出始め、世間からの隔絶感は深まるばかりだ。
日が暮れる前に尾根まで出ようと、ピッチを上げて誰もいない山坂道を独り上ってゆく。

P1010859.jpg
数え切れないほどのカーブを経て、暗い森から大野ヶ原に飛び出した。
K383にスイッチし、道端を歩く牛を横目に尾根道を走る。
地芳峠から姫鶴平まではミルク色の濃霧に一切の視野を遮られていたが、五段高原に入ると風景がゆっくりと戻ってきた。
イグニッションを切り、B3を降りる。

P1010868.jpg
P1010861.jpg
無人のカルスト台地には、ただ風が吹いているだけだった。
巨大な風力発電機の低く唸る音が、静寂さを一層際立たせているかのようである。
四国カルストは2年前にもB3で訪れているのだが、今回は北面の山峡路を延々と走ってきたためか、その到達感はまた格別だ。
空は一面の雲に覆われており、夕日を見ることは叶わない。
しかしながら、ここはやはり訪れるべき地のひとつであることを、改めて感じさせられたひとときだった。
さて、暗くなる前に宿へと向かおう。
標高1400mの天狗高原に建つ「天狗荘」は、もう目と鼻の先である。

本日の走行距離は、201km。
走行時間は3時間35分、平均速度は56.1km/hだった。

P1010867.jpg
nice?(0)  コメント(6) 

nice? 0

コメント 6

shima

私は四国でずっと9枚目のような道を走ってたような気がします。。。。
でも数日違いで同じカルストを訪れているってもの奇遇ですね。
2枚目の写真で買い物をされている方は無関係?ですよね~。
何かおもろいネタが欲しかったところですが。。。。
by shima (2010-11-02 20:38) 

wata

shimaさん、こんにちは。

四国には、望めばいくらでもありますよね、こんな感じの山峡路。
好き好んで四国の「酷道」や「険道」を走り回っていたshimaさんは、常人から大きく逸脱していると言わざるを得ません(汗)。
四国カルストでは、ALPINAロードスターのホイール・キャップが落ちてるんじゃないかと思って探しちゃいましたよ(←探してない)。

ちなみに2枚目の写真、どこのどなたかは存じ上げませんが、勝手に撮らせていただきました(汗)。
お心当たりのある方は、メールをください(←くれない)。

by wata (2010-11-02 20:58) 

ブラン

こんばんは。楽しく拝見しております。

四国って、確かに9枚目のような道が多いですよね。

以前、深夜に徳島から四国に入って、「国道だから快適でしょ♪」と思って
走った道が439号の『酷道』でした。泣きながら数時間走っていると、
どんどんと標高が上がっていき、その峠が京柱峠でした。

峠の脇に小さなうどん屋があり、早朝なのにおじいさんが一人で店番を
していて驚いた記憶がありますw
by ブラン (2010-11-02 21:48) 

wata

ブランさん、こんにちは。

そう、国道だからっつって安心していると、酷い目に遭うんですよねぇ・・・。
R439はずいぶん昔にE36/M3で少しだけ走りましたが、やはりもの凄い隘路だったことを覚えています。
当時は道路状況に関する詳細な情報も無く、アバウトな全国地図としょっちゅう測位不能となるカーナビを頼りに走っていました。
赤い道=国道=安心というこれまでの常識がまったく通用せず、ブランさん同様、泣きながらあちこちの「酷道」を走っていた記憶がありますよ(笑)。

by wata (2010-11-02 22:44) 

DION

ヘッダーのお写真はルートK32-K36あたりで写されたのでしょうか。
素敵ですね。
なるほど帰りはフェリーで九州脱出なのですね。
四国カルスト、なんだかお天気のせいもあり
ちょっと怖い感じです。
by DION (2010-11-03 22:51) 

wata

DIONさん、こんにちは。

トップ・バナーはお察しの通り、上から9枚目の写真と同じ場所でB3を前方から撮影したものです。
鳥の声すら聞こえない山の中でして、のんびり写真なんか撮ってるうちに日が暮れたらシャレにならないと思い、この後ペースを上げました(笑)。
今回の四国カルストは寂寥感炸裂でしたが、2年前は晴天で爽快感炸裂でした。
いずれまた訪れたい、と思っているんですよ。

by wata (2010-11-03 23:26) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。