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山梨・蓼科ツーリング [drive/touring]

東北グランド・ツーリングを終え、社会復帰もままならないうちに迎えた土曜日の朝。
渋滞が始まる前の中央自動車道を西に走り勝沼ICでアウト、まだ静かな市街地を北に抜けていきます。
曇り空の下をK210(219)で山方面に向かっていくと、明るい2車線路は突然に終了。
カーナビの画面は、縮尺を200mスケールにまで拡大しないことにはその先の道を表示してはくれません。
2速ギアを選択し、キセノン・ヘッド・ライトをONにして、1.5車線の舗装路を暗い森の中へ進入していきました。

山梨県北部の山ん中をグネグネとのたくる、林道の数々。
中には激しいダートの道もあるようですが、大部分はとりあえず舗装されている模様です。
で、これら舗装林道を結んで山梨市から清里方面へと抜けられるルートを総称し、「クリスタルライン」と呼んでいるようです。
名前は美しいが実際はどんな道だかわかりゃしない、怪しさ満点のこのルート。
前々から一度は走ってみたかったのですが、万が一ガッタガタの酷い悪路だった場合、独りでトラブルに遭うのはどうにも忍び難いものがあります。
と言うことで、気の毒な道連れ・・・いや(汗)、頼もしい仲間の登場です。

090516Boxter and M3.jpg
BMW M3に乗るMTさんと、ポルシェ・ボクスターに乗るKさん。
KさんはM3からスイッチしたばかりとのことですが、そもそも彼は根っからの「山道屋」。
軽量ミドシップのボクスターを得て、ワインディング・ロードに於ける戦闘力が大幅にアップしていることは想像に難くありません。
そんな黄色いスポーツ・マシン2台を引き連れて、青いファミリー・セダンが恐る恐る先頭を走ります(汗)。

090516クリスタルライン1.jpg予想に反し、焼山峠までの区間は2速メインでアクセルを開けて走れるドライビング・ロードでした。
森の中の1.5車線路は舗装状態が非常に良く、かつ見通しもさほど悪くはありません。
対向車に注意しつつも知らず知らずのうちにペースが上がり、タイヤが啼き始めています。
森を出るといきなりの完全2車線路、ますます調子に乗るオッサン・トリオ。
ボクスターとM3とが常に大写しになっているルーム・ミラーを見ないようにしながら(汗)、ブレイク気味のB3を走らせていきました。
いや~、めちゃめちゃ楽しいです、この道。

それにしてもKさんのドライブするボクスターは、速い。
最後尾につき、先行の2台にジリジリと引き離されながらも(汗)後ろからその走りを見ていると、コーナーでの挙動が全く違うことが良くわかります。
クイクイッと曲がってシュンッと加速、ググッと減速してまたクイクイッと曲がる。
可変ダンパーの効果もあるのでしょうが、ロールやダイブ、スクォートなどの姿勢変化が見られません。
M3やB3と異なり、そもそもがスポーツ・カーとして生まれたボクスターですが、Kさんに言わせるとM3より200kgも軽いウェイトが何よりも効いているとのこと。
「ボクスターって、こんなに速いクルマだったんだ・・・」と舌を巻くMTさんと私。
そう、これまで我々は山道を速く走るボクスターを一度も見たことが無かったのです(笑)。

090516休憩中.jpg
090516クリスタルライン.jpg
090516クリスタルライン3.jpg
焼山峠からは、いよいよ林道らしい林道となります。
基本的に1車線、穴ボコ+ツギハギだらけのアスファルトやひび割れたコンクリート舗装、凶悪な段差で道を横切る雨水溝など、「油断も隙もありゃしない走行」が延々と続きます。
複雑な分岐に何度も迷い、目も眩むような断崖沿いに下ったかと思えば、再び峠を目指して急坂を登る、そんなことの繰り返し。
同じようなコンセプト(?)の舗装林道群である埼玉県の「奥武蔵グリーンライン」よりも、遥かにタフなコンディションでした。
しかしながら元来このテの道が嫌いではない3人、対向車/先行車に殆ど出くわさなかったこともあり、そんなアドベンチャー・ランを大いに楽しんでいる模様。
険しい山道を下りきれば、奥入瀬渓流を彷彿とさせるような美しい新緑のトンネルが増富ラジウム温泉手前まで続いています。
そんなクリスタルライン、再訪する価値が大いにあると思いました。
090516M3.jpg

みずがき湖の畔に立つ立派なビジター・センターで昼食を摂り、明るい山間のK610を北上。
道はやがて長野県境の信州峠へと上るワインディング・ロードとなり、3台はどう考えても不必要なペースでコーナーに突入します。
前回、2月に走ったときは雪や氷にビビりまくっての峠越えでしたが、今回は笑って走れるドライ・コンディション。
直後の2台に仮借の無い責めを受けながら(汗)、滑り出しは早いが意外に粘るネクセン・N3000のトレッドを削っていきます。
峠を下って畑の中のK106をクルーズし、R141から八ヶ岳山麓のK11を走る頃には雨が落ちてきました。
K484で向かった原村の日帰り温泉施設「もみの湯」の屋根つき露天風呂に浸かった後、休憩室で作戦会議です。

「本降りになってきたねぇ」
「予報でも雨だったからなぁ」
「ここまで結構走れたから良かったけどね」
「もう走るのやめて宿へ行こうか」
「そうだね」
「明るいうちからビール飲みーの」
「いいねぇ」
「七輪で肉とか焼きーの」
「ますますいいねぇ」
「で、とっとと寝ると」
「素晴らしいねぇ」

090516備長炭.jpg
090516焼きおにぎり.jpg
・・・と言うわけで、雨音を聴きながらテラスで七輪を囲むオッサンたちの蓼科高原。
まだ16時過ぎだと言うのに気温は10度を大きく下回り、室内ではストーブが赤々と燃えています。
今日の走りやクルマの話を肴にビールを空け、備長炭でロースをカルビを鳥をピーマンを玉葱を長葱をジャガイモをトウモロコシをニンニクをエリンギをソーセージを海老を焼いちゃ喰い、焼いちゃ喰いの繰り返し。
大いに結構です(笑)。
細心の注意を払ってこんがりと炙った焼きおにぎりで〆る頃、辺りはやっと少しずつ宵闇に包まれ始めるのでありました。

090516雨.jpg
翌日も、雨。
走る気ゼロでのんびりと朝を過ごした3人は昼前に出発し、諏訪市街の外れにあるMTさんお奨めの「田毎庵」で野菜天ざる蕎麦を喰いました。
値段は張りますがなるほど旨い細切りの大盛り手打ち蕎麦を平らげ、ここで解散。
別件がある二人を残し、一足お先に中央自動車道で帰路に就きます。
大雨のハイウェイは韮崎付近からドライ路面となり、渋滞が始まる前にマイペース走行で帰ることができました。

天候には恵まれなかったものの、たいへん楽しかったオッサンたちの週末。
2日間の走行距離は、525kmでした。
090516PorscheBoxter.jpg
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コメント 16

MT

お疲れ様でした。素晴らしいワインディングでしたね。クリスタルライン。
あのルートはまた走りたいと思います。地元のドリフト族もご愛用の様子
ですから、穴場なのでしょう。秋の紅葉の時期も素晴らしいかも。
しかしボクスターがあんな速い車だとは・・・。強力なブレーキで突っ込みを
制し、素早いターンでコーナーを制し、アクセルを入れるタイミングが早い
ので立ち上がりも制する。後ろに張り付かれると引き離せない。そして、
前を走られると、付いて行くの大変・・・。軽さってやはり重要ですなぁ。
直線ではM3の方が速いんで、これからは直線番長だなぁ。(^^ゞ
ネクセンも結構いけてましたね。私も次はクムホ狙ってます。っていうか、
M3のサイズはクムホしかない・・・。(^^ゞ
梅雨が近づいてきたから、タイヤのチェックしておきましょうね。(^_-)
by MT (2009-06-01 06:59) 

DION

GTの次の週末にはまた駆け抜けていらしたのですね。
凄い・・・。
5月のtotalの走行距離は?と思ってしまいました。
いつもこのペースで走っていらっしゃればタイヤの交換、早いペースとなりますよね。
そう言えばタイヤの記事では過去記事をありがとうございました。
アンケート内容しっかり拝見しました。次回の時の参考にさせて頂きます。
(予算はあまりありませんが・笑)
蓼科高原・お泊りコースだったのですね。
焼きおにぎり、良い感じですね。
6月はどれくらい走られるのでしょうか?(笑)
by DION (2009-06-01 17:38) 

☆ アル ☆

うーむ、色々な種類の車とのツーリング・・・・
楽しそうです。
私も信州蕎麦が食べたくなりました。
まあ、私の場合はいつも白樺湖に向かう道を走りますから、大体前をふさがれます。空いていると楽しいんですが・・・
ボクスター・・・やはりポルシェはスポーツカーなんですね。
by ☆ アル ☆ (2009-06-01 18:35) 

wata

MTさん、こんにちは。

どうもおつかれさまでした。
クリスタルライン、あんなに楽しい道だとは思いもしませんでした。
今回のようなルートではボクスターの速さが際立ちますが、MTさんのM3もめちゃめちゃ速いですからねぇ。
私は先頭に立てば2台に突っつかれ、後続になれば離される。
いやもう、堪忍してください(伏)。

ネクセン・N3000は、やはりグリップ力が低いと思います。
でもそれなりに楽しめるので、これはこれでアリかなと思ってます。
クムホ、履いてみますか?
PS2からだと落差は大きいかもしれませんが、タイヤは履かなきゃわかりませんからねぇ(笑)。
by wata (2009-06-01 21:13) 

wata

DIONさん、こんにちは。

記事の通り、今回は天候と七輪に負けてあまり走りませんでした。
しかしおにぎりを焦がさないように焼くときの集中力は、山道をハイ・ペースで走るときのそれに十分匹敵していたと思います(笑)。
5月度は、なんだかんだで4,000km近く走っているのではないでしょうか・・・。
ちなみに6月度は、そこまで走る予定はございません(←当たり前だ)。

信頼性の低い記事ばかりが目につくこのBlogですが(汗)、タイヤのアンケートは皆さんの声をそのまま集計していますので、そんじょそこらの店や雑誌の評価などよりも遥かにアテになると思ってます。
ホント、皆さんあってのBlogなんだなぁと言うことを、つくづく感じた次第です。
by wata (2009-06-01 21:29) 

wata

アルさん、こんにちは。

ボクスターと山道を走るのは初めてのことでしたが、ラグの無いその挙動には全く驚かされました。
やはり、スポーツ・カーなんですよねぇ。
ただ山道走行はクルマよりもドライバーのスキルに負うところが大きいので、もし私がボクスターを走らせたとしたら、誰もスポーツ・カーだとは認めてくれないと思います(涙)。

諏訪の「田毎庵」では、細切りのたいへん旨い蕎麦を喰いました。
値段はお高めなのですが、相応の価値はあったと思いましたよ。
by wata (2009-06-01 22:10) 

銀蔵

wataさん こんばんは

毎週のように山道を楽しまれていて羨ましい限りです。
自分は山道のレパートリーが少ないので毎回参考にさせてもらってます。
足柄峠、土坂峠、茨城の県北東部広域農道、群馬のK62等など、みんな素晴らしい道でした。
今回の道もいつか行ってみたいと思います。
いつ行けるかはわかりませんが(涙)

昨日は雨の中、ツルツルタイヤで足柄峠に寄道しましたら危うくガードレールに突っ込みそうになりました。
早くタイヤ交換をしないと。。。

「事故らず・壊さず・捕まらず」ですね。
by 銀蔵 (2009-06-01 23:37) 

wata

銀蔵さん、こんにちは。

私も特に山道のレパートリーがあるワケではありませんよ(笑)。
地図を眺めて良さそうだと思ったら行ってみる、ただそれだけのことしかやってませんからねぇ。
クリスタルライン、前半はiDing power炸裂で走れるハズです。
後半はリアル舗装林道なので速度は上がりませんが、自然を愛でながらのんびりと走るのもまたオツなもんですよ。

私もよくツルツル・タイヤで走りに出たりしています。
雨にも遭いますが、すんごくゆっくり走るのでとりあえずは大丈夫です。
速く走ろうなんて思わずに、「事故らず・壊さず・捕まらず」を第一に走ってますよ(笑)。
by wata (2009-06-02 00:09) 

k7_

wataさん、こんにちは。

>>山道を速く走るボクスターを一度も見たことが無かったのです(笑)。

海岸線でオープンドライブや何度か書きましたが女性のドライバーを多く見かけましたが、一度湾岸でまじで踏んでいたボクスターSやTPで何度もピストンしていたボクスターを見た事があります。

クルマとしては素晴らしいのだと思いますがその印象につきましては恐らくwataさんと同じ思いだと思います。(今は好印象・笑)

悪天候のクネクネでも泊まりで気の合った方々との集いは違う楽しみもありますね!!

by k7_ (2009-06-02 09:37) 

mtm

次なる妄想車には必ず登場しているボクスターですが、一緒にクネクネしたことはありません。
試乗でクネクネしたことはあるのですがRRの911より自然でハンドリングも素晴らしい車だと思いました。
しかし、我が家では2シーターは却下されますのでいつまでも妄想が続きます。。。(笑)
by mtm (2009-06-02 18:06) 

wata

k7さん、こんにちは。

ボクスターはスポーツ・カーであると同時にオープン・カーでもありますから、幌を下ろしてカッ飛ぶのはさぞかし気持ちいいんだろうなぁと思います。
今回そんな姿を目の当たりにして、Kさんを羨ましく思いましたよ。
ちなみに少し前までは、優雅なはずのB3Sカブリオで暴れるk7さんを羨ましく思っていたりもしました(笑)。

雨のためあまり走りませんでしたが、それでも楽しい週末でした。
いや、もはや「走らなくてもいいや」的なオッサンになってしまったのかもしれませんねぇ(汗)。
by wata (2009-06-02 20:59) 

TOSHI

wataさん、こんにちは。

GTが終わったばかりなのに全く鞭は緩みませんね(笑)。
5月のみで4,000Km弱!アドバンスポーツなら既に寿命?の半分近くって事ですよね。カッコ良過ぎです!

前回の北榛名山林道といいクリスタルラインといい地図で見ると興味深々なのですが、やはり「白い道路」な林道ですからボクなんかだと多少ビビッてしまいます。テキスト&写真を拝見すると、「ああ、これなら行ってみたい!」と思いました。
今年の夏は「白い道路」が来そうですね(笑)。

それにしても「大人の休日」ってカンジですね。
とても絵になる「3台」+「焼きおにぎり」です!

by TOSHI (2009-06-02 20:59) 

wata

mtmさん、こんにちは。

いろいろと試乗されていますねぇ。
私はボクスターに限らず「試乗」という行為を殆どしたことがありません。
自分のB3を走らせるだけで精一杯なんですよ。
そういえば、このB3も試乗せずに買ったんだっけ・・・(汗)。

二人乗りのクルマって、これまで一度も検討すらしたことが無いんです。
ジジィになって、まだ余力が残っていたら、ド派手なツーシーターズ・オープンに乗りたいとは思っていますけどね(笑)。
by wata (2009-06-02 21:07) 

wata

TOSHIさん、こんにちは。

オッサン3人はもちろん肉なども焼いたりしたのですが、一番心に残ったのがこの焼きおにぎりでした。
ちなみに「醤油味」と「味噌味」、二つ作って頬張ってます(笑)。

4月末の「奥武蔵グリーンライン」、5月度の「クリスタルライン」および「北榛名山林道」と、何故か林道走行が続いてしまいました。
正直、「18インチの40/35タイヤとかで走る道なのか?」とも思ったりしましたが、いずれも無事に楽しく走破しています。
TOSHIさんも一か八かで新たな林道を開拓していただき、是非とも紹介してください。
仰るとおり、今年の夏は「白い道」でキマリです!(←キマリか?)。
by wata (2009-06-02 21:26) 

root-t

wataさん、こんばんは。

ブログの更新のたびにワクワクします。
またまた、林道ですか?

話題の「白い道」ですが、高速道路のない昔、日本アルペンラリーで使われた峠です。大部分(おそらく)。今回のクリスタルラインは、荒川、池の平林道だったかな?

その当時はダートだったのでしょうが、今や舗装されているのでしょう。 でも、当時と同じ道を走れるのも懐かしいと同時に、何だか楽しくなっちゃいますね(私だけ?)。

「白い道」がんばって走りきってください。

by root-t (2009-06-02 23:30) 

wata

root-tさん、こんにちは。

私がちょろっと走ってるのは舗装された林道ですが、root-tさんが走っていたのは「ホンモノの林道」ばかりですよね。
日本アルペンラリーは、今思えば凄いイベントだったんですねぇ。
当時使われていたコースをちょっと調べてみたのですが、知らないうちに自分も結構走ってました(笑)。

今でもかなりタフなルートばかりなのに、当時はダートで全開走行だったんですよね。
私にゃ舗装路でも恐ろしくてそんなマネは全くできませんが(汗)、アルペンラリーの雰囲気だけでも味わって走りたいと思います、「白い道」(笑)。
by wata (2009-06-03 00:02) 

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