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GT2008GW[4]5月9日(金)岐阜県→長野県→埼玉県 [drive/touring]

予想通り(汗)、またもや6時前に勝手に目が醒めた長良川温泉の朝。
露天風呂→朝食→チェック・アウト。
B3のキーを捻り、そのノーズを北へと向ける。
R256で岐阜の街を抜け出し、今日もまた懲りずに山の中へ。

薄曇りの明るい山間。
清流・板取川に沿うように伸びる高速ワインディング・ロードを、4速3000-4000rpmで駆けてゆく。
実に気分がよろしい。
ふと、誰かが「クルマはメーターの針が12時付近を指しているときが一番気持ちよくなるように造られている」と言っていたのを思い出した。
一般道でB3の速度計の針が真上を指すことは殆ど無いが、回転計の赤い針は今も正に11時から13時の間を行きつ戻りつしているところだ。
なるほど、と思わされた次第である。

R256は、K52へとスイッチする手前から峠越えの強烈な極細山坂道となる模様。
が、昨年8月に全長4500m余のタラガトンネルが開通したため、あっと言う間に難所をバイパスすることができる。
トンネルを出たところにある清冽な湧き水で喉を潤し、ついでに虫だらけのフロント・スクリーンを洗う。
空のペット・ボトルに詰めた清水は、それを一瞬で曇らせるほどの冷たさだ。

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トンネルそのものは高速道路のようなデキであるにも関わらず、その先は未だに1-1.5車線の未改良区間。
ヘッド・ライトをオンにして、森の中を慎重に下っていった。
暫くして長良川に突き当たり、大型車の行き交う対岸のR156を嫌って手前の静かなK61へと右折。
東海北陸自動車道/美並ICの手前で川を渡り、極細のK323を登っていく。
引き続きK63→K85→K294と新緑の山道を辿り、飛騨街道/K58を快走して「普通の国道」R41に出た。

一般の車輌と共にゆっくりと南下していくものの当然面白くもなんとも無く、これでは高いガソリンの単なる無駄遣いに過ぎない。
と言うわけで白川口から白川街道/K62へ。
見通しの良い緩やかなワインディング・ロードを東へと駆けてゆく。
道はそのままR256へと変わり、山を抜けてR257との併走区間/裏木曽街道を南下する。
誰もいないK3で坂下の街に出て、トラックやバスに揉まれながらR19で長野県に入った。

何度目かのR256。
木曽路観光の代表格である妻籠宿をパスし、広い2車線路を走っていく。
このまま走っていけば快適に山越えができるのだが、そうは問屋が卸さない(汗)。
清内路峠への登りが始まる前にK8へと左折、ヘッド・ライトをオンにして、山深い狭隘路へと突入していくのであった。

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標高1236mの大平峠と飯田峠を経て飯田市街に至る、山の中の1-1.5車線路。
舗装状態も望外に良く、緑に溢れてとても気持ちが良いのだが、直線と呼べる直線が全く無い。
ステアリング・ホイールをぐりぐりと回しながら峠に向かって登っていくと、突然視界が開けて広い休憩ポイントに出た。
B3を降り、ウーンと一つ伸びをしてから煙草に火を点ける。
ちょうど昼時でもあるため、風情のある茶屋で一服しようかと思ったのだが、その軒先に吊るされた看板には「本日は14時開店です」。
残念・・・(涙)。
この先も、ひたすらの屈曲路。
峠を越え、廃村を抜け、深い森の中を兎にも角にもひた走るB3。
そんな状態が、延々と30km近く続いたのである。
今回のGTに於いて、最も「走った感」の強い道であった。

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飯田の街中を通過し、JR飯田線/市田駅の近くに「石挽き手打そば」の看板を見つけて迷わずパーキング。
「信濃江」の天つけ蕎麦は、冷たい辛口のツユの他に天ぷらが盛り込まれた温かい甘口のツユも供される、実に旨くてボリュームもある品であった。
旅先で偶然こういう店にめぐり合えるのもまた、ツーリングの醍醐味である。

osm-2008-05-09T14-10-28-1.jpg
大満足のうちに店を出、煙草を吹かしつつ地図を開く。
さてどっちへ向かうべかと思案した挙句、南アルプスの懐に抱かれた小渋温泉で露天風呂に入ることに決定。
P Zero Neroを啼かせてK22を駆け上っていく。
R152を少し南に走り、K253で目的の温泉宿に到着した。
ここは「GT2007」の際に宿泊したことのある、お気に入りの山間宿である。
アルプスの深い山々を遠く望みつつ、誰もいない露天風呂で手足を伸ばす。
長湯に茹ってくると、緑の谷を眼下に睥睨しつつの仁王立ち。
心地良い涼風にお宝を嬲らせながら、42歳のオッサンは考えた。
ここでもう一泊しちゃおうかな・・・。

[泊]他に客もいないし、たぶん予約無しでも泊まれるだろう。
[帰]しかし明日は土曜日だから、道は混むだろうな・・・。
[泊]いやいや、午前中だけサッと走って帰れば大丈夫。
[帰]けど予報では好天は今日までで、明日からは全国的に天気は下り坂なんだよな・・・。
[泊]ただこれまでずっと晴天だったから、一日ぐらい雨でもいいかな。
[帰]でもまだ14時半だし疲れてないし、楽勝で帰れるんだよなぁ。

うーん・・・(悩)。

と、延々と逡巡した挙句、帰ることに。
もうちょっと走りたい気もするのだが、何事も腹八分目に留めておくこともまた肝要だろう。
そう、もう若くは無いのだから(涙)。

宿への未練を断ち切るが如く、R152/杖突街道を北へとつっ走る。
分杭峠の前後は未改良の1車線だが、他は爽快な完全2車線路だ。
高遠の市街地を抜け、出現した何台かの先行車をブチ抜き、杖突峠からの屈曲路を一気に下って諏訪の街までの65kmを走り切った。

コンビニエンス・ストアの駐車場、ベンチに座って缶コーヒーを啜りつつ、最後の煙草に火を点ける。
今朝岐阜県の山ん中で洗ったばかりなのに、何故かもう虫だらけのB3。
短くなった煙草を消し、重い腰を上げてフロント・スクリーンをキレイに拭き、ドライバーズ・シートにカラダを預けてイグニッション・オン。
中央自動車道/諏訪ICは、もう目と鼻の先である。

さて、帰るか・・・。

本日の走行距離、534km。
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ri-co父

wataさん、こんにちは。
今回のGT2008も、興味深く拝読しました。
毎回そうですが、臨場感あるリポートに関心しきりです。あと、写真の舞台(背景)も、土地々の印象的なシーンばかりで、持ち合わせているのか自身でも分からないような感性ですが、刺激されます。
今年はこの時期に出掛けられたので、秋頃にVOL.2を期待できそうですね。楽しみにしています。

<<業務連絡です。
そろそろ、お越しになりませんか?お目にかかれることを楽しみにしています! 
by ri-co父 (2008-05-16 10:18) 

ダブルK

うーん、爽快なツーリングが目に浮かびますね♪
実は私もGW中の平日に木曽の妻籠宿&馬籠宿に行ってたんですよ。
観光が目的なんでルートのほとんどはR19号でしたが(苦笑)。

R258から木曽峠に入る少し前にある富貴畑温泉にあるホテルに宿泊したんですが途中、同乗の家族が寝たので「シメシメ」と思い、クネクネ道でちょっとだけペースを上げたらすぐに起きてしまい「もっとゆっくり走ってよ!眠れないでしょ!!」と怒られてしまいました(苦笑)。
by ダブルK (2008-05-16 17:46) 

wata

ri-co父さん、こんにちは。

前回の記事でコメントしたとおり、今回のGTでは写真をあまり撮りませんでした。
特に最終日は今回掲載した程度しか撮っておらず、もう少し撮影しておけば良かったかな、と少し後悔もしています。
が、景色や道の素晴らしさは自身の脳裏に強く焼きついていますので、良しとしましょう(←自分勝手)。

チャンスがあれば、今年も秋口に再びGTに出たいと思っています。
昨年も秋だけでなくGWに東北を3泊4日で走ってますので、これからも年に最低2回、春と秋とに旅に出られるといいなー(願)。

---

お会いすることを約束してずいぶん時間が経ってしまいましたが、近いうちに必ずお伺いしますのでよろしくお願いします。
by wata (2008-05-16 20:15) 

wata

ダブルKさん、こんにちは。

はい、ダブルKさんが木曽路に家族旅行で来られていたのは存じ上げておりました。
あの辺りは走って気持ちの良い道がたくさんありますので、次回はご家族を置いて旅立たれることを強く、強くお勧めする次第です(笑)。

妻籠も馬篭も観光地炸裂ですが、いいところですよね。
特に妻籠は1994年の5月、初めてのGTの初日の宿を取ったという、他の人には全くどうでも良いのですが私の個人的な思い出の地でもあります(笑)。
当時29歳の私が書いたその旅の記録は今でも古い地図の裏表紙に残っており、今改めて読み返してみると、やはり失笑を禁じ得ません(汗)。
by wata (2008-05-16 20:31) 

k7

wataさん、こんばんは。

走りに重きを置いているwataさんは、写真どころではないですね!!・・・私は逆ですが。(笑)

折角の素晴らしい写真。ぜひデジイチで・・・と思うのですが、いかがなものでしょうか??

そうですか??wataさんのツーリング暦は20代からなんですね〜。どうりで記事も深みがあってつい引き込まれてします!!ウンチク記事とは大違いですね。

ついにダブルKさんもGTですね!!(押)
by k7 (2008-05-16 23:54) 

wata

k7さん、こんにちは。

当時は「グランド・ツーリング」なんて小洒落た呼び方はしていませんでしたが、数日間に亙るクルマでの独り旅は、上記の通り29歳から始めていました。
その頃はメルセデス2.3-16に乗っており、以降M3B、M3Cに乗り換えても毎年必ずどこかへ旅に出ていました。
10年以上経った今でも、やってることはちっとも変わってないってコトですね(汗)。

しかし、私にデジタル一眼レフを勧めるぐらいだったら、むしろk7さんが現地までカッ飛んで撮影するほうが手っ取り早いですって(笑)。
ホントの話、「ここにk7さんがいたら、素晴らしい写真を撮りまくるだろうなぁ」と思えるようなシーンが多々ありましたよ。
それでは、改めてご唱和願います。

「手前ピントの奥ボカシ、下ナメズームで撮影中、植草教授もビックリだ」(意味不明)
by wata (2008-05-17 00:17) 

mtm

wataさんおかえりなさい!
って、もうとっくに帰ってますよね。。。

見事に諏訪ICまでの間は高速レス(舞鶴はご愛嬌)さぞかし素晴らしいGTだったことでしょう!

改めて関西にもいっぱい楽しそうな所がある事に気づきましたので、プチGTしてみます(獏)
by mtm (2008-05-17 08:35) 

mtm

↑獏は爆ですよ!
間違えんといてやぁ!!!
by mtm (2008-05-17 08:37) 

wata

mtmさん、こんにちは。

私は「浪花の三人衆」のように高速道路で大暴れしたりはしませんので(笑)、一般道でのドライビングを楽しむことに終始しました。
関西と言えば六甲山と紀伊半島ぐらいしか走ったことが無かったのですが、どっこい山の中には楽しい道がたくさん潜んでいましたよ。
関東人の私がお勧めするのもなんですが、是非B3を駆って関西探訪の旅に出てみてください。

「獏」もよくわかりませんが、「プチGT(=小さな大旅行?)」ってのも意味不明ですねぇ(汗)。
by wata (2008-05-17 13:21) 

獅子まる

wataさんこんにちは。

今回も壮大なGT紀行を楽しく読みました。
気ままな一人旅に憧れど、平日休暇はおろか休日もせいぜい日帰り程度の自由しかありません。爆

新しい相棒もまだ500km足らずしか走行できず、
相変わらずのならしを続行中です。。。

GTにいければならしなんぞあっ中間なんですけどね〜汗
by 獅子まる (2008-05-17 14:22) 

wata

獅子まるさん、こんにちは。

ここまでのグダグダ紀行文を読んでいただき、ありがとうございます。
あと一つ「�あとがき」なんて記事も書いていますが、実質的には�を以って終了ですのでご安心下さい(笑)。

「新しい相棒」って、TSIエンジン+DSG搭載のフォルクスワーゲン・クロスゴルフですよね。
たくさんの荷物が積めて、道を選ばずにどこまでも走っていけそうですねぇ。
正に、ロング・ツーリングにピッタリのクルマじゃないですか(笑)。

ガソリン高騰の折、燃費は重要なポイントですよね。
一般に、慣らし中は燃費があまり良くないと言われてますので、早いとこ慣らしを終わらせないといけません。
⇒と言う理由をつけて旅に出る、ってのはどうでしょうか?

・・・ダメか、やっぱり(汗)。
by wata (2008-05-17 17:19) 

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