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GT2008GW[2]5月7日(水)岡山県→鳥取県→兵庫県→京都府 [drive/touring]

朝6時前、勝手に目が醒める。
岡山県/蒜山高原の朝は、雲ひとつ無い真っ青な空と野鳥の囀りで始まった。
B3のエンジン・ルームを点検し、朝飯をたらふく食って出発。
県道に出、各部が暖まるまでゆっくりと走る。

グランド・ツーリング2日目の今日からは、概ね東へと向かうことになる。
今晩の宿は京都府北部の天橋立付近に取ってあり、そこまで高速道路を使わずに走るつもりだ。
が、蒜山高原を出て向かったのは北西方向。
東へと向かう前に、中国地方の最高峰である大山(だいせん)をぐるっと一周しようという魂胆である。

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まずはK114/蒜山大山スカイラインで大山の山麓を目指す。
森の中をぐんぐんと駆け上がる、かつては有料道路だったと言う4速中心の高速ワインディング・ロードだ。
素晴らしい景色と新緑とが、サイド・ウィンドウ越しに流れていく。
鳥取との県境である尾根付近まで登ると、3速で回るようなコーナーが続く。
他にクルマはいない。
朝っぱらから最高である。
あっという間にK45との交点、大山鏡ヶ成キャンプ場付近に到着。

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ここから時計周りの大山一周ワインディング・ランがスタートだ。
K45→K158→K30→K34→K34→K45、合計約65km。
高原地帯をたゆたう5速にまで入るような道や、暗い森の中でアップ・ダウンを繰り返す2速固定の屈曲路、輝く日本海を見晴るかすストレート、対向車に注意してライト・オンで走る1.5車線路、そして3速メインで思わず熱くなるワインディング・ロード。
行く手を阻むクルマも無く、変化に富んだ大山環状道路を思うさま駆け抜けることができた。
大満足のうちにダウン・ヒルとなる蒜山大山スカイラインで蒜山高原まで戻り、東を目指す。

岡山県と鳥取県の県境に沿って、R482(一部区間R179併用)を行く。
高原地帯を4速⇔5速3000rpmで突っ走る、実に気持ちの良い2車線路だ。
交通量は僅少、前走車に出くわしても安全にパスすることができる。
途中、前方を左から黄金色の動物が横切ったため軽くブレーキング。
すげー、この辺りにはテンがいるんだ・・・。
ところがこのテン、道路の右端に達した途端に何を思ったか北島康介ばりのクイック・ターンを決め、再び左へ向かって猛ダッシュ。
仰天した私、ABSがかかるほどブレーキ・ペダルを踏み込んで、何とかテンを轢かずに済んだのであった。
あぁ、ビックリした(汗)。

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八頭町(やず。旧・八東町[はっとう]。ややこしい・・・)からは、R29/若桜街道へとスイッチ。
快晴の空の下、4速⇔5速のファスト・ランがこれでもか、と続く。
兵庫県に入り、戸倉で南へと折れるR29に別れを告げ、K48→K6と快走を続けるB3。
E4/6型エンジンはどこまでも心地良いハミングを奏で、ピレリ・P Zero Neroはしっかりとアスファルトを掴み、COX・ボディダンパーは連続する高速コーナーでのスタビリティを更に揺ぎ無いものにしてくれている。
いやもう、とにかく走りまくりである。
・・・うん、確かに走り過ぎているかもしれない(汗)。

R312を経てK2を走る頃、昼時を迎えてお腹がグー。
どこかで飯を食おうと考えていると、沿道に「皿蕎麦の街・出石(いずし)へようこそ」との看板が立っている。
・・・皿蕎麦?
うーむ、これは食わざるを得んな・・・(←義務なのか?)。

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というわけで、出石の街へ。
街中を少々歩こうかとも思ったが、まずは腹を満たすべく蕎麦屋「左京」の暖簾をくぐる。
皿蕎麦とは蕎麦を小皿に分けて出すものらしく、一人前が5皿とのこと。
腹が減っていたので二人前(10皿)を注文する。
黒くてコシの強い田舎蕎麦で、旨い。
旨いのだが、量が少なすぎる。
あと5皿追加して、漸く満腹になった。
感覚的にはこれでざる蕎麦1.5人前なのだが、お会計は2,000円。
ま、観光地なので仕方ないか。

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食後、付近を少し散策してみる。
聞けば、ここ出石は但馬の小京都とも呼ばれる城下町だとのこと。
平日にも拘らず、旧い街並みは観光客で賑わっていた。
武家屋敷や寺社仏閣、灯篭や鼓楼に人力車。
なかなか風情のある街である。
それにしても、今日は暑い。
Tシャツ1枚でも汗をかくほどだ。
初夏のような強い陽射しが屋敷の白壁に反射し、目を灼くようにも思われた。

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K536→R178と北上し、京都府に入って日本海に出る。
久美浜湾内の小さな港では係留された漁船が微風に揺れ、漁師さんたちは漁具の手入れに余念がない。
なんとものどかな風景である。
ここからはR178で丹後半島を時計回りに一周する。
碧い海を左手眼下に見下ろしつつ、ときどき現れる前走車をセンター・ラインが白くなるや否やブチ抜きながら、北端を目指して3速⇔4速で走り続けた。

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経ヶ岬で海を見ながら一服点けた後は、若狭湾に沿って南下。
R178はここから一転、2速メインのタイト&ツイスティな屈曲路となる。
左手は正に断崖絶壁だが、遠くまで見通せて実に気持ちが良い。
すれ違ったタンデムから「ヒャッホー!」「すっげー景色!」との叫び声が聞こえてきたが、それも大いに頷ける。
内陸部に入って海面レベルまで下った後は、他の車輌に混じって宮津湾沿いをのんびり走行。
日本三景の一つ、天橋立に寄ろうかとも思ったが、なんだか観光地丸出しだったのであっさりとパス。
宮津の市街地を抜け、R178と分かれてK605へ。
途端にクルマがいなくなり、久しぶりにガス・ペダルを踏み込んで、高台に聳えるホテルまで一気に駆けた。

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連休後の平日とあってか、ガランとしたホテルで通された部屋は、天橋立を正面に望む広々としたツイン・ベッド・ルーム。
素泊まりとは言え、これがビジネス・ホテルのシングル・ルーム並の料金で泊まれるのだから、閑散期のツーリングはやめられない。
天橋立の向こうに落ちる夕陽を呆けたように眺めた後、宮津の街までB3を走らせて夕食。
ホテルに戻り、露天風呂で汗を流し、無駄に広い部屋でビールを片手に翌日の算段を練った。
旧いIBMのラップトップPCで宿の予約を済ませ、21時過ぎにベッドへ潜り込む。
その刹那、爆睡。

本日の走行距離、400km。
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トモ

wataさん

お久しぶりです。
大山周遊ドライブ、楽しそうですね。
清涼な空気感、爽快感が伝わってきます。
自分が走ってるみたいです。

現実には、wataさんのようにGWや盆暮れをはずした
長期休暇ドライブは難しいのですが、

ブログ読む度に、私も、北海道や九州へのGTに行きた〜〜い!!!
と思ってしまいます。


と、言う訳で……


買っちゃいました、B3S。
いい年して、初めての左、大丈夫か? ガソリンも高いのに、
と自分でツッコミ入れながらも、B3の走りを楽しみたいと思います。

どこかで、お会いできると良いですね。
by トモ (2008-05-11 17:08) 

wata

トモさん、こんにちは。

1年ほど前の記事に「B3探しを始めたくなった」とのコメントをいただきましたが、そうですか、本当に買っちゃいましたか!
価値観は人それぞれではありますが、イイですよ、B3。
しかもハイ・チューンドのB3Sとくれば、痛快なドライビングを堪能できること請け合いです。
LHDにはすぐに慣れますし、燃費もそのドライビング・プレジャーを考えれば決して悪くは無いと思います。
しかし、まさかこんないい加減なBlogを参考にして買ったりしてないでしょうね・・・(汗)。

できれば一泊、それが無理なら日帰りでもいいですから、是非ロング・ツーリングに出てみてください。
B3Sの実力がイッパツでわかりますし、また一気にB3Sを好きになると思いますよ。
いずれ、どこかでお会いしましょうね!
by wata (2008-05-11 18:46) 

k7

wataさん、こんばんは。

大山ぐるっとしたいぃぃ・・・。
4速中心のコーナー走りたいぃぃぃ・・・。
で、誰も走っていない景色を撮りたいぃぃ・・・。

イヤぁ〜参りました。
オープンドライブには最高の景色ですね!!

ライブの蕎麦の皿積上げているのを見た時、ギャル曽根かと思いました。(笑)あれだけ積上げて1.5人前なんですか?

海沿いの景色も素晴らしいし・・・なんか仕事と家族ほっぽらかして旅に出たくなりました。(何があったか?)
by k7 (2008-05-11 20:41) 

wata

k7さん、こんにちは。

蕎麦が盛られた皿は、本当に小さいんですよ。
正に一口サイズ。
ギャル曽根だったら、怒り狂うと思います(笑)。

いいですか、k7さん・・・。
自分の書いた記事を読み返すたびに思うのですが、こんな拙い文章とテキトーに撮った写真では、実体験の素晴らしさの1割も再現できていないのです。
いや、謙遜などではなく、本当にそう思うのです。

従って、もしこの記事をご覧になって「いいなぁ」と感じたのであれば、実際に体験するとその10倍以上の素晴らしさがk7さんを打ちのめすハズなのですよ。
しかも私のB3の小さなスライディング・ルーフと比較して、k7さんのB3Sカブリオの開口部はその数倍。
結果、数十倍もの感動が怒涛の如くk7さんを襲うのです。
えぇ、日常をほっぽらかして旅に出たとしても、十分にお釣りが来ると思いますよ(笑)。
by wata (2008-05-11 22:06) 

ダブルK

当初はまさか神戸日帰りツーリング!?かと思ってましたが、さすがにそんな無茶なことはしてませんでしたね(笑)。
親会社の都合で世間の大型連休に合わせた休日体制になる私は、指をくわえて眺める事しか出来ません(苦笑)。

wataさんは拙い文章などと謙遜されてますが、このBlogを読んだ人は皆、行きたくてウズウズしてるはずです。
よぉし!会社に居場所がなくなっても良いからほっぽらかして行くぞぉ〜っ!!

・・・嘘です。
クビになったらB3の残りのローン払えなくなっちゃいますから(苦笑)。
by ダブルK (2008-05-12 16:37) 

wata

ダブルKさん、こんにちは。

いやいや、ダブルKさんがお勤めの会社も、2-3日の有給休暇でクビにしたりはしませんよね(笑)。
私だって、今回は3日間しか休んでませんから。
せっかくB3というクルマを所有しているのですから、旅に出ないと勿体無い気がするんですよ。
要は貧乏性なんですね、私(汗)。

オフ・シーズンであれば宿泊費も驚くほど安く済みますし、ETC割引で高速代もセーブできます。
更にダブルKさんの場合、M3風のドア・ミラーやLEDテール・ランプ、それとヘッド・ライトのアイライン(?)なんかを売っ払っちゃえば、一週間分ぐらいの旅費なんかカンタンに捻出できますよ。
さぁ、今すぐネット・オークションへ出品を!(←無責任)
by wata (2008-05-12 19:59) 

MT

なんかGTに行きたくなってくる写真ですね。
良い感じですねぇ。素晴らしい。
で、何時になるかはわかりませんが、行くときは
情報教えてくださいませ。。
by MT (2008-05-12 20:49) 

wata

MTさん、こんにちは。

いや、セミプロ・カメラマンのMTさんにお褒めいただくとは、何とも恐縮の極みです(汗)。

ウデもセンスも機材も無い私、画質や構図などは最早どうしようもありません。
ただ、写真は基本的に「そこへ行かなければ撮れない」んですよね。
なので、皆さんに「なんだこの写真は。オレなら遥かに素晴らしい画を撮れるぞ。よし、GTに出立だ!」と思っていただけるのであれば、こんなに嬉しいことは無いのです。

MTさんも「GT野郎」ですよね。
私の持っている情報で良ければ全てお伝えしますので、是非またグランド・ツーリングにお出かけ下さい。
by wata (2008-05-12 21:13) 

JAY-T

これが本当のツーリングって感じですね。
「旅先の風情を楽しむ」ポイントはこれなんでしょうね。
wataさんの移動距離に比べると、私なんか近所のコンビニにお買い物に行く程度の距離しか走ってないなぁと痛感致します。(笑)
私も頑張って走るぞ!という気分になってきました。
by JAY-T (2008-05-12 22:09) 

wata

JAY-Tさん、こんにちは。

「旅先の風情」と言うよりは、単に「走り」を楽しんでいるだけのような気もしますが(汗)、いずれにしろもの凄く楽しんでます(笑)。
常人からすればアホみたいな行動なのかもしれませんが、本当に走らせているだけで楽しいですし、またB3は楽しくさせてくれるクルマだと思ってます。
えぇ、JAY-Tさんならきっとわかってくれると信じてます(祈)。

距離もそうですが、中身の濃いドライビングをするのって大切ですよね。
たかだか2-300km程度の日帰り(或いは半日)ドライブであっても、交通量の少ない山坂道やカントリー・ロードを走らせるとすっごく気分がイイじゃないですか。
そういう意味でも、JAY-TさんのB3S生活は「特濃」だと思いますよ(笑)。
by wata (2008-05-12 22:46) 

zen

こんばんは。
いつも思っているのですが、Wataさんはどうして詳細なルートや道順を覚えられるのですか?
一応僕もツーリングマップルやナビをフルに活用して覚えるわけですが、Wataさんみたく細かなことまで記憶はできません。
これはきっとWataさんが生まれもった才能でしょうね。
で、この才能のお陰で方向音痴な僕もいろんな道や湯、麺が楽しめますので、ありがたい限りです(笑)。
by zen (2008-05-12 22:55) 

mtm

↑同感です!
なぜですか?
ナビに軌跡つけてたり???

今回のGTを拝見して本当に楽しさがひしひしと伝わってきます。
4月に舞鶴まで行ったのに高速ばかり走ってました(泣)
周囲には楽しい道が満載だったのだと思うとかなり損した気分です。(涙)

まだまだいいところいっぱいありますね♪日本!!!
by mtm (2008-05-12 23:15) 

wata

zenさん、こんにちは。

うーん、どうしてって言われましても・・・。
zenさんと同様、地図(ツーリングマップル)でルートを決めてカーナビで自車位置を確認しながら走ってるだけですよ。
ただ、カーナビのルート案内機能は殆ど使いません。
案内されないような道ばかり走りますからね(笑)。

こうしてBlogを書いているときは、同じ地図を見ながら記憶を辿っています。
ところどころ抜けていることもありますが、逆に書いているうちにその情景を思い出すこともあります。
ま、そもそもが「地図で抜くタイプ」ですからね、私(意味不明)。
by wata (2008-05-12 23:15) 

wata

mtmさん、こんにちは。

地図を見てみたのですが、神戸−舞鶴間も楽しそうな道がたくさんありますねぇ。
しかしながら、ドライバーとクルマの能力の限りハイウェイをブッ飛ばす!と言うのもとても楽しいのではないでしょうか。
ちなみに恐怖心が人一倍強い私、高速道路ではグニャチン走行炸裂中(涙)。
実際のところ高速道路は、走るべき山道や田舎道へのアプローチ手段と考えている次第です。

走った道を憶えているのは、事前に地図を見て自分でルートを選び、かつカーナビの案内を使わずに走っているからなのかもしれません。
人の後について走ると、どこ走ったか全く憶えてませんからねぇ(汗)。
それと、道が素晴らしいと忘れようにも忘れられなくなっちゃうってのもありますよ。
そんな道が、日本各地にはまだまだたくさん走っているのだと思ってます。
by wata (2008-05-12 23:42) 

amataro

wataさん こんにちは

まさにグランド・ツーリングですねー またAlpinaはそういうのが似合います 新緑にaplina blueなんてまさに絵になる光景です

最近どうも腰が重くてあまり遠出をしていませんが久しぶりに遠くに足を向けて見たくなりました
やっぱり平日のロングドライブですねー
by amataro (2008-05-13 12:50) 

wata

amataroさん、こんにちは。

クルマはいろいろな使われ方をしますが、BMW/ALPINA車はロング・ツーリングに出るとその実力が特に良くわかるんじゃないかと思ってます。
E46/M3に乗る友人も何人かいますが、そのうち3人は私と同じくグランド・ツーリスト(笑)。
スポーツ・グランド・ツアラーとしてのM3を、高く評価しています。

amataroさんも「腰が重くて」なんて仰らずに、一度思い切って旅に出てみては如何でしょうか?
E46/M3の実力に、改めて惚れ直すと思いますよ(笑)。
by wata (2008-05-13 19:58) 

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