P Zero Nero、走行1,500km。

新たにB3に履かせたタイヤ、ピレリ・P Zero Nero。
装着後500kmの富士周辺ドライブを終えて空気圧を調整してから、1泊2日の信州ツーリングで700kmを、翌週の足柄・道志ドライブで300kmを走らせました。
今回つくづく思い知らされたのが、慣熟走行と空気圧設定の大切さ。
Neroは当初の500kmとはまるで違う、実に素晴らしい乗り味のタイヤへと生まれ変わっていたのでした。

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4月19日、午前9時前。
天候、曇り。
長野県松本市、美ヶ原林道。
2車線幅、2速⇔3速の上りワインディング・ロード。
路面状況は乾燥および湿潤、多数の落葉。
DSCスイッチをワン・プッシュ、ADBモードへ。
そして後方より迫り来る、2台のALPINA B3S（汗）。

ミシュラン・パイロットスポーツ装着時と同等のペースで走ってみますが、どのコーナーでもNeroは全く動じません。
音を上げる気配も無く、荒れたアスファルトをしっかりと掴んでくれています。
調子に乗ってアクセルを踏み込んでいけば当然啼きはするものの、Neroのグリップ力は総じてパイロットスポーツのそれを上回っていると感じました。

ドライ路面/ハーフ・ウェット路面とも、滑り始めはパイロットスポーツより更に穏やか。
私のようなレベルの者にも滑り出しがわかり易いという点も、実に好ましく思えます。
これはグリップ回復時も同様で、いきなりガツンッ！とグリップが戻って慌てることもありません。
ソフト・ランディングと言った感じです。

この挙動の穏やかさを意図的に確認すべく走ったのが、29日の山梨県/道坂峠越えの屈曲路、K24。
同じくDSCをADBモードとした上で、わざと鋭角的にステアを入れたり、コーナリング中に不必要なアクセレーションをしたりしてグリップ・バランスを崩してみます。
すぐ後ろを走るB3SのJAY-Tさんからは「結構滑ってましたねぇ（苦笑）」とのお言葉をいただきましたが、やはり滑り出し/回復時ともにマイルドであることやそのズレ幅が小さいこと、そしてADBモードでも最終的にはDSCの制御が入ってくれることから、あまり恐ろしい思いをせずにむしろ楽しくB3を走らせることができました。
もちろん3速以上で回るような中高速コーナーでは、こんなことができようハズもございません、私（汗）。

ちなみにこれらの挙動は、COX・ボディダンパーを装着してからグッと穏やかになっています。
今回タイヤをNeroに履き替えたことで、その特性が更に顕著なものとなりました。

反面、パイロットスポーツほどのステアリング・レスポンスはNeroにはありません。
切り始めのスパッ！という感覚が、若干マイルドになっています。
が、それも楽しさをスポイルするほどではありません。
逆にハイウェイではこの特性がアドバンテージとなり、よりリラックスしてクルージングを楽しむことができるようになりました。

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自分でもビックリしていますが、今回山坂道を走らせて思ったのが、Neroは非常にいいタイヤなんだな、ということ。
ピレリ社は"POWER IS NOTHING WITHOUT CONTROL"と言うコピーを使っていましたが、正に言いえて妙。
高性能だけど尖ったところが無く、実に扱いやすい。
そんなキャラクターは、B3というクルマにも通じるところがあると思います。
レスポンスの違いとトレッド・パターンのカッコ悪さを差し引いても、今のところパイロットスポーツよりも自分の好みに合っていると感じています。

が、タイヤの良し悪しはもちろんこれだけでは測れません。
まだ雨の中を走らせてはいないので、重要なポイントであるウェット性能は未知数のまま。
また磨耗が進んでも能力が極端に低下しないパイロットスポーツと較べて、トレッド・ウェア性能も気になるところです。

最初の500kmまではその性能に少々不安を抱いてはいましたが、少なくとも現時点では大満足。
これからもどんどん走りこんで、Neroというタイヤを理解し、最後まで徹底的に使い倒してやろうと思っています。
と同時に、空気圧ひとつでタイヤのパフォーマンスは大きく変わり、まるで別物のようになることも身に沁みてわかりました。

「タイヤが悪いと言う前に、自身のウデと空気圧を疑うべし」

･･･ハイ、以って家訓と致します（礼）。

コメント 12

おはようございます。

タイヤブランドを替えるのは勇気のいるところですが、とりあえずと云うか ご自身のフィールにマッチしたようでGood！ですね。

私は、タイヤ交換後5000km弱走行しましたが、その9割は高速道路での使用となってしまい・・・勿体ない。
wataさんの様なレポートは書けるに至りませんが、路面温度も上昇する今後に01Rをもっと堪能してみようかと。

空気圧、侮れませんね！
by Nishi (2008-05-02 07:18) 

Nishiさん、こんにちは。

いやほんと、換えて失敗したらどうしようかと思っていましたよ。
すぐに脱ぐワケにもいきませんから、我慢しながら走らせるのかなぁなんて考えたりもしましたが、フタを空けてみれば仰るとおり、Goodでした（笑）。

ベストな空気圧を探すのも、結構楽しい作業ですよね。
セッティングによっては、違うタイヤに履き替えたのかと思うぐらいの変化が出ると思います。
今やドライブのベスト・シーズンですから、ドンピシャの空気圧を見つけてポテンザRE01Rで走り倒しちゃってくださいね。
by wata (2008-05-02 20:11) 

wataさん、こんばんは。

あのコンディションの悪い道を水を得た魚のように難なく走られていた姿から推測するに、相当調子いいんだろうなぁ〜!!と感じてました。

私に050なんて正に「ネコに小判」あっｲﾔ「ブタに真珠」・・・(我ながらいい表現・爆)

百戦錬磨のwataさんは何を履いても結果は同じ。(←あえて書きません、速いなんて)と言う結論に達しました。(拝)
by k7 (2008-05-02 22:52) 

k7さん、こんにちは。

美ヶ原林道でのNeroは慣らしが終わったばかりのほぼ新品状態でしたから、一番オイシイところだったのだと思います。
正に「十八歳の朝」と言った感じでしょうか（意味不明）。
更に後方からは「黒いの」と「屋根開くの」が鬼神の如くやって来るもんですから、必死に逃げるほかありません。
実のところ、半泣きで走ってましたよ（汗）。

ちなみに、k7さん＋RE050は「鬼に金棒」が正解。
もし私がRE050を履いたなら、それは文字通り「匕首に鍔」（←難解）
by wata (2008-05-02 23:31) 

こんばんは。
そうですか、空気圧がそれほど大事とは、わかってはいるものの、ついつい毎回計らずに走っています。
今、空気圧どのくらいなんでしょう？って言っているようでは、ドライビングの上達はありえないということを肝に銘じておきます。
by zen (2008-05-02 23:48) 

zenさん、こんにちは。

そうですね、放っておいてもエアは少しずつ減っていくので、たまにはチェックしてみることをお勧めします。
タイヤの当たりが固めだと思ったら空気圧を少し下げるとか、逆に頼りなかったら上げてみるとか、いろいろと試してみるのも面白いですよ。
zenさん、RE050のフィールが少し固いって言ってましたよね。
空気圧の調整で、結構変わると思いますよ。
タダですし（笑）、是非お試し下さい。
by wata (2008-05-03 00:27) 

こんばんは。

ネロ良さそうですね。

数年前タイヤ交換に訪れた某タイヤショップの説明では、PS2はPSと比べてコンフォート性能を向上させているので静寂性や乗り心地が良くなってますよ、と。
確かにその通りのタイヤだと思いますが、逆にPSと比べるとそのコンフォート性能が賛否が分かれる原因になっているのかも知れません。

他メーカーでは、ロッソやDNAdBユーロがPS2と同様の方向性のタイヤとのことで、ネロについてはロッソよりもスポーツ志向に振ってあるとの説明でした。

私は実際に履いた事が無いのでゴタクを並べて想像するしかできないのですが、実際に履かれているwataさんが体感されている通りの良いタイヤなのでしょう。

私も今のPS2が6分山程残っているので、タイヤ交換はまだ先なのですが、何を履いてもたいして違いが分からない感覚しか持ち合わせていないため(涙)、おそらく(何も考えずに)無難にPS3(←ゲーム機か?)辺りかなぁ？と。
by elle-hus (2008-05-03 19:37) 

elle-husさん、こんにちは。

タイヤを選ぶ際、専門店の意見はとても参考になりますよね。
私なんぞいつもインターネットで購入し、カー・ショップに持ち込んで組み替え。
従ってプロのアドバイスを受けたことも無く、勝手なイメージだけが先行している始末です（汗）。

各社とも、トップ・レンジのタイヤは常にスポーツ性能とコンフォート性能とを高次元でバランスさせていると思っています。
パイロットスポーツからPS2への進化はその双方を向上させているのでしょうし、P Zero Rossoもとてもスポーティなのに乗り心地が良いと評判ですよね。

そんな中で、Neroはその性格が今ひとつわからないタイヤでした。
「P Zero一族」故にスポーティなタイヤであろうことは想像できたのですが、比較的安価であることや、アウター・サイドのショルダーがかなりのラウンド形状となっていることなどから、グリップ性能などはパイロットスポーツに届かないかな、と思ってました。
･･･良い方向に裏切られましたけどね、その予想（笑）。
by wata (2008-05-03 20:50) 

こんにちは！
ネロのこといろいろ思い出してみるのですが、デザイン以外に気に入らなかった事は無いように思います。
耐久性に至ってはかなり優秀で、性能の変化もほとんど感じませんでした。
意外とwataさん好みの定番タイヤになるのではないでしょうか？
サイズによっては欠品もよくあるみたいなので人気があるのでしょうね！？
by mtm (2008-05-04 12:37) 

mtmさん、こんにちは。

耐久性が優れてるってのは、大変嬉しい情報です！
なんと言ってもB3を「走らせまくっている」人の経験談ですから、信用しまくりです（笑）。

かつてM3にRossoを履かせていた友人は、「Rossoの性能はPS2と同等だけど、唯一の欠点は減るのが早いこと」と言ってました。
Rossoは減る、と言う声は他にも良く聞いていましたので、メーカーもNeroではその点を改良してくれていればいいな、と思っていたところです。

それにしても、Neroのトレッド・パターンはカッコ悪いでんなぁ･･･。
ま、走ってたらわかりゃせんので良しとしまひょか（笑）。
by wata (2008-05-04 13:35) 

wataさん、こんにちは。

先日のK24での走りを見ると、既にＮＥＲＯを履きこなしているような感じでしたが。。
私はＰＳ２の感覚に未だ手こずっていますが、普段、走る分には快適なので良しとしています。すぐに履き替えられるほど、男前でもありませんし。。（笑）
ＰＳ２の空気圧もちょっと試してみようと思います。
その後はドライビングテクニックの習得に精進するだけです。。
by JAY-T (2008-05-04 22:33) 

JAY-Tさん、こんにちは。

うーん、カラダにはまだパイロットスポーツの感覚が残ってるんですよ･･･。
Neroもベクトルとしては同じようなタイヤだと思うんですが、やっぱり違います。
それなのに交換前と同じ感覚で漫然と走らせてるのは、良くないですよね。
暫くの間、カラダがNeroを掴むまでは、意識して走らせなきゃイカンと思ってます。

本来はタイヤを換えたらすぐに適応できればいいんですが、私にはそんなセンスは無いワケで･･･。
四十路を越えてなお、勉強です（涙）。
by wata (2008-05-04 23:07)