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茨城⇒阿武隈・只見ツーリング [drive/touring]

茨城県常陸太田市小菅町、うどん・そば屋「ゆみ野」の駐車場。
一旦は止んだ雨が再びポツポツと落ちてくる中、zenさんのALPINA B10 3.2と杉さんのB3ビターボ・クーペ、そしてshimaさんのロードスターの3台が快音を残して南へ走り去るのを、手を振って見送りました。

「さて、行きますか」
「はい、行きましょう」

zenさんから「(雨の)茨城広域農道で新品タイヤの皮剥きドライブ」に誘われた際、翌日も休みだしどうせなら1泊してやろうと目論んだ46歳。
とりあえず郡山市内のホテルを予約し、大好きな阿武隈高地を北上しようと考えました。
静岡からB3Sで参加するM郎さんも「お泊りセットを持参する」とのことでしたので、同じホテルを取った上で同道いただくこととなったのです。
もちろんzenさんたちにも「延長お泊りコース」を勧めてみたのですが、この前四国へ行ったばかりじゃないか・・・と、半ば呆れられてしまいました(汗)。
そんなワケで、ここから2台でのツーリングがスタートです。

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福島県に入り矢祭町を過ぎると、R349は針路を変え山の中へと入っていきます。
ここからは文字通り、ひたすら走り続けるカントリー&ワインディング・ロード。
交通量はほぼ皆無、幅員の拡大と縮小とを繰り返しつつ、その道はどこまでも続いています。
一部にバンプやアンジュレーションは残るものの、昨年の夏に雨の中を南下したときと比べ、東日本大震災による路面や路肩のダメージはかなり修復されていました。
小野町からはK41へと右折、JR磐越東線の非電化単線と絡みながら、静かな夏井川渓谷を南東方向に流していきます。
再びノーズを北に向け、誰もいないR399でアクセル・オン。
緑の山の中を、黄金色の田園風景の中を、青い2台のB3はひたすら走り続けます。
ずっと雨だった午前中の茨城県内とは異なり、薄曇りながらもアスファルトは完全なドライ・コンディションで、スリップ・サインが出まくりのタイヤでも安心です(←いいのか?)。
矢祭から170km、東名高速道路なら東京-静岡間に匹敵する距離を、M郎さんと共に走りまくりました。
んもー、最高です!

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・・・が、今回この阿武隈高地北上ルートを択んだ理由は、単に走りまくるためだけではありません。
原発事故による警戒区域や帰宅困難区域のすぐ西側を通るR399がどうなっているのか、実際にB3を走らせて、この目で確かめたかったのです。
川内村から葛尾村にかけてのR399は従前と変わるところは見られず、引き続き楽しく走ることができます。
しかしながら、浪江町に入る頃から沿道の草は伸び放題となり、ひび割れたアスファルトも注意を促すカラー・コーンが立てられているだけで、補修されぬままとなっていました。
R114の交点付近には、以前に給油したことのあるガソリン・スタンドや商店、民家などがあるのですが、いずれも人の気配は無く静まりかえっています。
初めて訪れた場所ならともかく、何度か走って記憶にある風景が荒れている様を目の当たりにすると、何とも言えない寂寥の念がこみ上げてきます。
そしてその先、1-1.5車線となって飯舘村へと続くR399は、深い山の中に設置されたフェンスに固く閉ざされていました。
普段は陽気なM郎さんも私も言葉少なく、目の前の現実にただ立ち尽くすのみです。
いつになるかわかりませんが、このフェンスが開かれたら必ず走りに来ようと心に決め、Uターンを切って山道を戻っていきました。

誰もいないR459を西へ、R349を南へ走り、すっかり陽の落ちたR288で郡山市内へと向かいます。
駅前の渋滞を抜け、予約しておいたホテル「東横イン郡山」にチェック・イン、晩飯を喰いに二人でフラフラと繁華街へ歩きました。
で、郡山に住むクルマ仲間のリョウスケさんを呼ぼうとM郎さんが電話をかけ、話し始めたその時、

「あれっ!?」
「ええっ!?」
「げげっ!!」

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我々の目の前でスマートフォンを握りしめたまま凝固する、リョウスケさん。
目ん玉飛び出るんじゃないかぐらいのビックリ顔でしたが、恐らくM郎さんも私も同等以上のビックリ顔だったと思われます(汗)。
あまりの偶然に腰を抜かさんばかりに仰天し、一瞬の後に大爆笑。
リョウスケさんは自宅へ帰る途中だったとのことですけど、それにしても郡山の路上でバッタリ会うなんて、普通はあり得ませんよねぇ・・・。
腹を抱えた3人のオッサンは、郡山なのになぜか「九州男児」という名の店で熱々のモツ鍋をつつくのでした。
いやー、それにしても驚きました(笑)。

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翌朝は、ホテルを6時に出発。
郡山ICから東北自動車道に乗り、磐越自動車道を西に向かいます。
放射冷却の影響か気温はグッと下がっており、道路脇の電光掲示板が8℃を指している箇所もありました。
今日は只見を経由して新潟県に出、関越自動車道で帰る計画。
と言うことで会津坂下ICでアウト、只見川に沿ってR252を走ります。

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途中、会津宮下から県道へ逸れて沼沢湖に寄り道。
えらい山の中にある静かなカルデラ湖で、なかなか良い休憩スポットだと思います。
ちなみにこの先、国道に戻るまでのK237は、すんごい高低差の九十九折れ。
大笑いで駆け下った結果、タイヤの溝がまた減ってしまいました(汗)。
R252へ復帰、引き続き西に向かいますが、只見川の河原には土砂がうず高く盛られていたり、巨大な流木が散乱している箇所があります。
これはおそらく昨年夏に只見地方を襲った豪雨の爪痕でしょう、未だ一部不通となっているJR只見線の線路には草が生えており、代行バスが国道を走る姿も見受けられました。
一日も早い完全復旧を、改めて祈るばかりです。

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小休止のために只見ダムへと立ち寄る頃には低い雲も消え、抜けるような青空が拡がってきました。
田子倉湖に沿うR252はダイナミックな山岳ワインディング・ロードとなり、前を行くM郎さんのB3Sを追いかけてタイヤ鳴らして走ります。
一年のうち半年近くは雪に閉ざされてしまうと言うこのルート、連続するスノー・シェッドの規模からも冬の厳しさが窺えますが、夏から秋にかけては走り応えも景色も最高です。
六十里越トンネルを抜ければ新潟県、延々と続く極上の羊腸ダウン・ヒルを楽しみまくった対価として、タイヤの溝が更に減ってしまいました(汗2)。

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そのまま山を下りて小出ICから関越道に乗ったものの、まだ時間が早いのですぐ先の六日町ICでR253へ。
初めて走るK560/魚沼スカイラインは絶景路、昼の陽光に輝く田園や町並みを眼下に眺めながら、アップダウンの激しい尾根道をのんびりと走ります。
しかしながらR353へと下る道がこれまたタフな屈曲路、調子に乗ってB3を走らせた挙句、タイヤの溝がまたもや減ってしまいました(汗3)。
M郎さんに「これはもはやパイパン・タイヤですね」と言われても、返す言葉がございません(涙)。
塩沢石打ICから再び関越道に乗り、赤城高原SAで解散。
都心へと近づくにつれてクルマが増え、ペース・ダウンを余儀なくされましたが、渋滞が始まる一歩手前で帰ってくることができました。

二日間の走行距離は、896km。
走行時間は13時間32分、平均速度は66.2km/hでした。

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茨城の広域農道を楽しみ、阿武隈高地をひたすら走り続け、郡山で酒を呑み、只見の山岳路を駆け抜ける。
一泊二日のショート・トリップでしたが、クルマ仲間と共にとても充実した週末を過ごすことができました。
秋のドライビング・シーズン、皆さんも是非楽しんでくださいね。
もちろん、私も楽しみますよ!

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M郎

本当に楽しい2日間をありがとうございました。
郡山に行くなら東北道を使うのに、常磐道ー関越道、wataさんならではの発想ですよね。

リョウスケさんとの出会いは運命を感じましたが、このツキはどこかの可愛いおねいちゃんで使いたかったです。(笑)

帰った翌日、車に異変が起きました。
アイドリングの音が小さかったので、マフラーを覗いてみると、なんと動いたことが無いフラップが閉じていました。
その後も、正常に動いています。
現在触媒の修理に出していますが、動いた理由は慣らしが終わる17万Km近くになったからか、触媒の異常の関係かなんだかよくわかりませんが、良かったとしましょう。

今回のツーリングでタイヤのスリップサインが4本ともに出ました。
私は根性が無いので、溝がなくなるまでは引っ張れませんので、交換予定です。
次回は、お互いの皮むきでしょうか?
by M郎 (2012-10-13 17:48) 

ぽちぶらっく

こんにちは。

只見のルートは整備されている印象で走りやすそうですネ。
お疲れ様でした。

ボクは丁度お昼過ぎに奥只見から酷道といわれるR352を会津に向けM3を走らせていましたが、ニアミスとは言えぬものの、
お近くを走ってらしたんですね。
雨の翌日の気持ちの良い天気でしたよねぇ。

2台のE46のブルーと秋空の青が綺麗な写真で
記事を楽しませていただきました。
(^ー^)ノ

by ぽちぶらっく (2012-10-13 20:26) 

wata

M郎さん、こんにちは。

こちらこそ、おつきあいいただきどうもありがとうございました!
それにしても、良く走りましたねぇ。
おかげさまで、茨城の広域農道も阿武隈高地も翌日の只見六十里越も、とても楽しかったですよ。
しかも、走ってるだけでも十分楽しいのに、リョウスケさんとバッタリのオマケつきでしたからねぇ(←オマケか?)。

マフラーのフラップは、あまりに走りすぎて治ったのかもしれませんよ(笑)。
しかし、B3Sのタイヤも一気に減っちゃったんですね・・・。
私のB3のタイヤもいよいよセミ・スリック状態ですので、ドライはともかくウェット路面はもうダメかもしれません。
ということで、明日にでも交換しようと思っています。

by wata (2012-10-13 21:27) 

wata

ぽちぶらっくさん、こんにちは。

R252/六十里越はほぼ完全な2車線路ですので、豪快なドライビングを存分に楽しめます。
ただし、6月から11月ぐらいまでしか走れませんから、今がチャンスですよ(笑)。

R352/奥只見樹海ラインも、秘境感炸裂の素晴らしいルートですよね。
お互いに気持ちいいドライブができて、何よりでした。
この道、福島県側が長らく通行止めになっており、いつ走れるようになるのかな~と気にしていたんです。
で、図らずもぽちぶらっくさんのコメントで開通を知ることができました。
どうもありがとうございました!

by wata (2012-10-13 21:28) 

リョウスケ

いや~~、ホントっびっくりしました。
当日、昼のメールに気づかなかったからかもしれません(汗)。

翌日、クルマがなくてご一緒できなかったのが残念でした。。
次回、是非ご一緒させてください!!

M郎さん!!
運命を感じます(笑)。
静岡と埼玉のクルマ仲間の方と、地元でお互い電話しながら、リアルでご対面ですから・・・。また、ご一緒しましょう。
by リョウスケ (2012-10-13 22:27) 

amataro

しかし走られてますねー
2日間で何県通過されたのか分かりませんが、楽しそうな道ばかりでうらやましいです

リョウスケさんと連絡せずとも出会えるとは運命としか言いようがありませんね(驚)

次のタイヤの記事も楽しみにしてます
by amataro (2012-10-13 22:40) 

wani

R399フェンスの開かれる日の来る事を願ってやみません。

R252今のうちですね そろそろ紅葉でしょうか?
未体験のK237と共に羊腸に浸ってみたいです(笑)

K560ツーリングマップに付箋つけました
これでもう関越のIC区間2つ3つパスするのは確実です。

by wani (2012-10-14 11:12) 

wata

リョウスケさん、こんにちは。

晩飯におつきあいいただき、どうもありがとうございました。
それにしても、ブッたまげましたねぇ・・・。
昼間に送信したメールにノー・リアクションだったので、この日は会えないんじゃないかと思ったのですが、まさか直接鉢合わせするとは思いもしませんでした。
正直、ここ数年でいちばん驚いた出来事となりましたよ(汗)。
いずれにせよ、おかげさまで楽しい郡山の夜を過ごすことができました。
次回は是非、一緒に走りましょうね!

by wata (2012-10-14 17:31) 

wata

amataroさん、こんにちは。

はい、走りました(笑)。
特に初日の茨城広域農道→阿武隈高地縦走は観光ルートからは程遠く、ある種マニアックなロング・コースだと思います。
しかしそれだけに走り放題で、ややもするとトランス状態に陥り、自分とクルマとが一体となってしまったかのような錯覚を覚えてしまうんですよ(汗)。
amataroさんも是非一度走っていただき、郡山でリョウスケさんと遭って下さい(←「会う」じゃないのか?)。

by wata (2012-10-14 17:32) 

wata

waniさん、こんにちは。

このフェンスの先、山を抜けるとのどかな田園風景が拡がり、その先にはめちゃくちゃ楽しい連続ヘアピン・コーナーがあるんですよ。
しかしながら付近は記事に書いた通りの状況で、私も少なからずショックを受けました・・・。
現実は、本当に厳しいものがあると思います。

沼沢湖や只見の六十里越、新潟県の魚沼スカイラインなど、いずれも秋の紅葉は素晴らしいんじゃないかと思われます。
が、ギリギリまで待ってると雪が降りますので、どうぞご注意下さい(汗)。

by wata (2012-10-14 17:33) 

wakinchan

こんにちは!九州男児です!

楽しい道って書いてある場所が多くて、
900kmの行程とは、本当に存分に走られたのですね!

いつも凄いなぁと思うのは、毎回毎回とても濃い内容で、
且つ、同じ喜びを分かち合える友人の方々が、
多くいらっしゃることです。

いやぁ、本当に読ませて頂いてて楽しいです。


10枚目くらいからの道路の感じもそうですが、
地図の上の写真など、阿蘇、大分方面に似てる気がします^^

by wakinchan (2012-10-15 15:43) 

wata

wakinchanさん、こんにちは。

おかげさまで、走りまくりましたよ~。
移動のために高速道路を走っただけの区間もありますが、広域農道や国道、県道はほぼ走り放題です。
阿蘇山周辺ほどのダイナミックな景観は望めませんが、極めて満足度の高い二日間となりました。

仰るとおり、走りに連れて行ってくれたり一緒に泊まって酒を飲んだりしてくれる仲間がいるってのは、本当にありがたいことだと思っています。
バーチャル/リアルを問わずたくさんの皆さんに構っていただき、Blog書いてて良かったなぁ・・・と、つくづく思いますよ!

by wata (2012-10-15 21:07) 

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