西伊豆ドライブ

まだ真っ暗な朝5時30分、東名高速道路下り線。
6速3500rpmで追越車線を流していると、左前方の海老名SA出口から赤色灯を消したまますんごい勢いで飛び出してきたパトカーが、三車線を一気にスライドしてB3の前に入ってきました。
誰かを追尾するのかと思いきや、パトカーはそのままどんどん加速して視界から消えていきます。
ヘンだなと思いつつ警戒しながら走っていると案の定、その先の伊勢原バス停で全ての灯火を消して潜んでいるパトカーを再発見。
姑息な汚い手を使いやがって･･･と低く罵り、速度を落としてその場を通過しました。

西伊豆へ、久々にお茶漬けを喰いに行こう。
そう思い立って日曜日の5時前に出発し、東名/沼津ICでアウト。
R414を駿河湾沿いに南下する頃には空も明るくなり、嬉しいことに雲ひとつない快晴となりました。
気温は0度を少し上回る程度、その寒さ故か、漁港から見る海には湯気が立っています。
広狭混在するK17にクルマやバイクの姿は無く、右手に富士山をチラ見しつつ、そのワインディング・ロードを楽しく走っていきました。
路面はドライですが、ヨコハマ・アドバン ネオバAD08のグリッピング・パワーは12,000kmを超えてやや低下し始めたのか、タイト・ターンの脱出時に不用意にアクセルを開けるとB3は予想以上にそのテールを振り出します。
滑る一歩手前のスロットル開度を探しながら走る、そのヒリヒリした緊張感がたまりません（←Mか？）。

戸田の港にて、一休み。
ここは大好きな富士見スポットで、この日も駿河湾越しに素晴らしい富士の姿を拝むことができました。
到着した時には未だ港に陽は射していませんでしたが、富士山は既に朝日を浴びて黄金色に輝いており、そのコントラストが本当に素晴らしい。
放心状態で見とれているうちに陽光はゆっくりと下りてきて、やがてこの漁港にも陽が当たるようになりました。
風が弱いためか思ったほど寒くなく、実に爽やかでいい気分です。
気がついたら、ここで1時間も富士山を眺めておりました（笑）。


戸田から土肥まで、引き続きK17で南下。
この区間もまた、アップダウンを織り交ぜつつの楽しいワインディング・ロードです。
断崖から紺碧の海を見下ろしつつ、2速⇔3速での痛快なドライビングが続きました。
土肥からは他の車両に従ってR136をのんびりと走り、松崎を過ぎて更に南へと下っている最中にすれ違った、青いALPINA B3S。
お互いにブレーキを踏み、バック・ミラーで確認してみると･･･あ、やっぱり（汗）。

静岡在住、クルマ仲間のM郎さんは、この西伊豆ルートを週末のホーム・コースにしていると聞いていました。
思わぬ遭遇に、二人して大笑いです。
せっかくなので一緒に走りましょうと言うことになり、UターンしてくれたM郎さんに絶景ポイントへと案内してもらいました。
初めて訪れた雲見海岸はブルーの海と沖合いの大岩が実に印象的で、彼方には富士山、その左翼には雪を頂いた南アルプス連山がうっすらと青空に浮かんでいます。
いや～、最高ですねぇ。
これでまたひとつ、お気に入りのスポットが増えました。



メシを喰いましょうと言うことで松崎まで引き返し、目的の店にやってきたのですが、開店時刻まではまだ間があります。
そこで、駐車場の裏手にあるなまこ壁の豪壮な建物を見学させてもらいました。
管理人の方によればこの「伊豆文邸」は築100年、当時は呉服屋として建てられたとのことで、数年前まで個人宅として実際に人が住んでいたのだそうです。
太く黒々とした立派な柱や、背の高いM郎さんが頭をぶつけそうになる（汗）低い長押、現代のものより一回り小さな畳など、心温まる旧家の佇まい。
このテの建物が大好きな私、その居心地の良さに、部屋の真ん中で思わず昼寝をしたくなってしまいました（笑）。


昼飯を喰いに来たのは約一年ぶり、松崎の海鮮料理屋「さくら」。
11時半の開店と同時に入店、M郎さんと一緒に鯵のまご茶漬け定食をオーダーし、まずは食べ放題の冷たいところてんをツルツルッといただきます。
青海苔＋酢醤油＋辛子、黒蜜＋きな粉など、バリエーションを変えて何杯も喰っているうちに、店内はいつの間にか満席となりました。
サクサクと揚がった玉葱と明日葉の天ぷら、ひとつひとつ小さな釜で炊かれたご飯に続き、生姜や葱などの薬味と共に叩かれたたっぷりの鯵が登場。
ニンニク醤油を回しかけて味を馴染ませ、炊きたてアツアツのご飯と一緒に頬張ると、んもー最高です（涙）。
半分ほど喰ったところで残りのタタキをご飯に乗せ、魚のダシをたっぷりとかけてもらえば、とどめの一品・鯵のまご茶漬けが完成。
表面がサッと白くなったアジと魚のスープとが渾然一体となり、旨さ炸裂です。
そう、これを喰うために、ここまでやって来たのです（笑）。

M郎さんともども大満足で店を出て、2台のB3はリスタート。
海岸線をR136で北上、宇久須でK410へと右折し、「凍結注意・チェーン必要」の電光掲示板を無視して（笑）標高900mの仁科峠へと一気に駆け上がっていきます。
ますますテール・ハッピーとなったB3を御しつつ峠を極め、K411/西天城高原道路→K127/西伊豆スカイラインを快走。
周囲には雪が残っており、凍結防止剤の残滓でところどころ滑ったりもするのですが、ドライブには全く差し支えありません。
それよりもこの道で注意すべきはやはり、路面のうねりですね･･･。
今回も何箇所かでB3を大きくバウンドさせてしまい、袋の縮む思いをしました（汗）。




帰路はどうしようかと迷った挙句、沼津市内の混雑を嫌って箱根経由のルートに決定。
M郎さんも途中まで一緒に走ってくれるとのことで、修善寺まで下ってからK80で半島東部の稜線を目指して再び上っていきます。
山伏峠ICから伊豆スカイラインに入り、左手に駿河湾、右手に相模湾を見下ろしながらのクルージング。
前を行くM郎さんのB3Sが奏でる魅惑のエキゾースト・ノートを聴きたくて、少し寒いのですがサイド・ウィンドウは全開です（笑）。
料金所を出てそのまま湯河原峠まで走り、一緒に走れた偶然に感謝して解散。
箱根峠方面へと向かうB3Sを見送って、TOYO TIRESターンパイクを独り駆け下っていきました。

本日の走行距離は、468km。
走行時間は7時間09分、平均速度は65.5km/hでした。

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空と海と富士山。
冬の西伊豆は、期待以上の絶景を以ってオッサンを迎えてくれました。
存分に走れるドライビング・ロードの楽しさはもちろん、現地で喰う昼飯も最高です。
そして何よりもビックリ仰天、M郎さんとの邂逅で楽しさも倍増！
おつきあいいただき、どうもありがとうございました。
しかしこんなに素晴らしいルートを毎週のように走っているなんて、羨ましいにも程がありますねぇ･･･。
皆さんも西伊豆を走る際には、地元ナンバーのALPINA B3Sにくれぐれもご注意下さい（笑）。

コメント 25

ｵﾚも走りてーな～！伊豆。
富士山が噴火するまえに。（藁）
B3のrendezvousすね！＾＾
by 一孤人 (2012-02-13 21:10) 

一弧人さん、こんにちは。

是非走ってくださいよ、伊豆！
特に西伊豆はクルマも少なく、ALPINAロードスターSで気持ちよく走れること間違いなしです。
東伊豆のような観光地はありませんが、だからこそ、お勧めするんですよ。
差し支えなければご一緒させていただきますので、遠慮なくお声がけ下さい（伏）。

by wata (2012-02-13 22:04) 

あ～やっぱり・・・

私は今回家族GTでした。朝、戸田を出て北上、大仁でイチゴ狩りしてました・・

次のニアミス楽しみにしています！





by つくばの松 (2012-02-13 22:05) 

雲見海岸…そんないい所があったんですね…
アソコの先（下田方面）からブッコ抜き放題なんで気にしたことなっかた（汗
by goyan (2012-02-13 22:12) 

こんどはM朗さんに捕獲されたんですね（笑）
さすがにALPINAは数も少ないので、すれ違ったら知り合い率高いでしょうねぇ

2月の頭に箱根から伊豆スカイラインを目指したときには、どうにもならない雪路面で断念しましたが、もう通れるのでしょうか？
行けるのであれば、その為だけに行ってもよいという鯵のまご茶漬けは一度食してみたいです一品です

by amataro (2012-02-13 22:26) 

つくばの松さん、こんにちは。

戸田にお泊りだったんですね！
ってことは日曜日の朝、私は松さんが泊まっている旅館の前をふにゃら～と通過し、目と鼻の先で小一時間ばかり富士山を眺めていたんですねぇ･･･。
いやはや、ニアミスにも程があると思います（汗）。

by wata (2012-02-13 22:30) 

突然の遭遇に感謝です。
おかげさまで楽しい１日となりました。
遭遇にも驚きましたが、ネオバをまだ履いていたことも驚きです。（笑）
さくらのお茶漬け・Ｋ８０は早速レパートリーに入れさせていただきます。
地元なのに知らないことが多すぎてすみません。
また遊びましょう。
by Ｍ郎 (2012-02-13 22:33) 

goyanさん、こんにちは。

M郎さんにつれてきてもらった雲見海岸、素晴らしいロケーションでビックリです。
何度も通っている道ですが、寄り道してみる価値は大ありだと思いました。
しかしこの付近のR136は狭くて曲がりくねっており、前走車両をブッコ抜くのは至難の技。
さすがはgoyanさん！･･･と言いたいところですが、くれぐれもお気をつけて（汗）。

by wata (2012-02-13 22:35) 

amataroさん、こんにちは。

ひょとしたらM郎さんに会うかもしれないな～･･･なんて思っていたら、実際に会ったので仰天しました。
いやはや、走っているといろんなことが起きますねぇ（笑）。

鯵のまご茶漬け、是非一度喰いに行ってみて下さい。
記事にあるとおり、西伊豆スカイラインや伊豆スカイライン、箱根のターンパイクあたりは問題なく走れましたよ。
早朝の凍結がちょっと心配なので、朝は沼津から入って午後に山を走るってのがイイかもしれませんね。

by wata (2012-02-13 23:00) 

M郎さん、こんにちは。

こちらこそ、本当にありがとうございました！
「ドライブ先で仲間とバッタリ」は何度か経験していますが、久しぶりに強烈なサプライズを喰らいましたよ。
来年度版の「ツーリングマップル・関東甲信越」13ページ・Aの3に、「B3S出没注意！」と記載してもらうよう、昭文社に依頼しておきます（笑）。

昼飯は自分の行きたい店におつき合いいただきましたが、気に入っていただいて何よりです。
次回は、今回入荷していなかった鰹のまご茶漬けを喰いましょうね。
ちなみにドライ路面はまだイケるかな～と思って未だにAD08を履いているのですが、雨が降ったらさすがにヤバいかもしれませんね･･･。
なので、次回も晴れた日にお会いしましょう（←まだタイヤを換えないのか？）。

by wata (2012-02-13 23:03) 

やはり、すごい勢いで走られてますね。
予期せず知り合いと遭遇して並走、楽しそうです。
引っ込み思案、友人少なの私にはあり得ない話ですが。
by s_saigo (2012-02-14 13:18) 

雲見海岸に乗り入れいいですね。素晴らしいロケーションです☆
西伊豆憧れです。北海道にはないワインディングですよね？
by mitton (2012-02-14 13:22) 

こんにちは。
毎度のことながら、素晴らしい写真を見せて頂きました。
当日、私も箱根に行っておりましたので、意外と近くにいました(^-^)/
伊豆集合、面白いと思います(笑)
是非ともお呼びかけくだされば馳せ参じます。
by いずみ (2012-02-14 14:18) 

こんにちは
戸田から富士山はこんな風に見えるんですね～。まさに絶景！！
この季節、西伊豆は比較的安全に山道を楽しめるみたいですね。
もう少し近ければなぁ･･･
それにしても素晴らしい天気！（羨）
立ち込める海上の湯気も素晴らしいですね～♪
by zdm1929 (2012-02-14 16:01) 

Wataさん、

今日は結構揺れますね...
いつも素晴らしい写真をアップされてますが、最後のOne Shotが特に美しいと思いました！空・海・車・服が青。実に素晴らしいです。

そして、一つ気になったのですが、下から5枚目の車内からの写真ですが、気のせいだと思いますが、カーブのＲ具合とハンドルの角度からすると、クリッピングポイントからテールスライドしながらCornerをOutしようとされていませんか？？？


by Milou (2012-02-14 16:20) 

s_saigoさん、こんにちは。

いや、走りに出ているのは月に2-3回程度ですから、「すごい勢い」ってほどの勢いでは無いと思いますよ。
しかしクルマ仲間とあちこちで遭遇してるってことは、やっぱりそれなりに走ってるんですかね（汗）。

クルマは独りでも十分楽しめる趣味ですから、無理に仲間を作らなくてもいいと思いますよ。
ちなみに私は独りで走るのも仲間と走るのも、両方とも大好きなんですけどね（笑）。

by wata (2012-02-14 19:50) 

mittonさん、こんにちは。

絶景ポイントは日本中にたくさんありますが、写真を撮るなら、その風景の中にクルマが入っていないと個人的につまらないんです（笑）。
その点を含め、雲見海岸のロケーションは最高でした。

しかしですね、こんな写真ではその魅力の1割も再現できていないと思います。
私たちが北海道へ行くように、mittonさんも是非一度こちらへワインディングを走りに来ていただき、ナマでこの風景をご堪能下さい！

by wata (2012-02-14 19:52) 

いずみさん、こんにちは。

これだけ天気に恵まれて絶景に出会えると、後はシャッターを切るだけでOK。
センスもスキルも一切必要ありませんので、今回もムダにたくさん撮影してしまいました（涙）。

箱根/伊豆方面は、やっと雪の影響が消えたって感じでしたね。
この日は啓蟄か？ってぐらい皆さん一斉に走りに出たようで、何となく春の訪れが感じられた次第です（笑）。
伊豆方面に限らず、またドライブの告知もやりますので、その際は一緒に走りましょう！

by wata (2012-02-14 19:54) 

zdm1929さん、こんにちは。

西伊豆にはたくさんの富士見ポイントがありますが、「車景写真」を撮るならココが一番だと思っています。
構図的にかなりベタなんですけど（笑）、標高0mから3776mまでのフルヌードは格別ですよ！
海面から立ち上る湯気（霧？）も珍しかったもんですから、漁港内にB3を乗り入れて撮ってみました。

とにかく撮影スポット＆ドライビング・ロードが盛りだくさんですので、zdm1929さんも走りに来て下さい。
ちょっと早起きしてアクセル踏んづけりゃ、埼玉から西伊豆までアッと言う間ですから（笑）。

by wata (2012-02-14 19:56) 

Milouさん、こんにちは。

最後の写真、M郎さんの青いジャージがトドメの一撃ですね（笑）。
雲見海岸の海の色はハッとさせられるほどのキレイなブルーで、湾内でダイビングが盛んに行われているのも頷けます。
Milouさんも一度立ち寄っていただき、「青い世界に赤いクルマ」の写真を是非一枚！

なお、下から5枚目は西伊豆スカイラインでの一枚ですが、テール・スライド中だなんてとんでもございません・・・。
タイトな低速コーナーならともかく、この道は中高速セクションの続くルートですから、ハイスピードでのテール・スライドだなんてあり得ない・・・いや、もちろんそんなにスピードは出していませんので念のため（汗）。

by wata (2012-02-14 19:58) 

wataさん、こんにちは。

雲見海岸の写真、最高です～！
海、空、アルピナブルーとM朗さんの青のグラデーションがたまらない上に
富士山と南アルプスとは・・・豪勢にも程がありますねぇ。

うー、鯵のまご茶漬けとところてん食べたいっす（汗）
by onip (2012-02-15 19:31) 

onipさん、こんにちは。

拙い写真を褒めていただくのは身に余る光栄なのですが、何度も申し述べている通り、肉眼で見る素晴らしさとはまったく比較になりません。
なので、onipさんも西伊豆を走ってM郎さんを捕まえていただき、青いジャージ姿で雲見海岸に立ってもらってください（笑）。

まご茶漬けはもちろんですが、実は喰い放題のところてんも旨いんです。
料理が出てくる前に腹一杯にならないよう、M郎さんと二人して自制してましたからね（汗）。

by wata (2012-02-15 20:04) 

戸田の港で撮られた、富士山バックのアルピーヌ素敵ですね♪
なんどか戸田には夕陽を撮りに行ってるのですが、車とこんなに大きな富士山を一緒に撮れるスポットは、なかなか見つけることができなくて。。。ここって、戸田のどのあたりなんでしょうか？
by ezco (2014-09-01 20:31) 

戸田の港で撮られた、富士山バックのアルピナ素敵ですね♪
なんどか戸田には夕陽を撮りに行ってるのですが、車とこんなに大きな富士山を一緒に撮れるスポットは、なかなか見つけることができなくて。。。ここって、戸田のどのあたりなんでしょうか？
by ezco (2014-09-01 20:40) 

ezcoさん、こんにちは。

Blogの本文に「戸田の港にて、一休み。」とありますが、「戸田」がハイパーリンクになっており、クリックすれば撮影場所の地図が表示されると思います。
多少ズレているかもしれませんけど、ezcoさんも是非行ってみて下さい。
いい写真が撮れるといいですね！

by wata (2014-09-02 20:39)