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奥多摩ドライブ [drive/touring]

夜明け前、B3を静かにスタートさせました。
中央道を快調にクルージングしていると、背後から真っ赤な太陽が昇ってきます。
外気温計は氷点付近まで下がっていますが、今日はどうやらいい天気になりそうです。

独りで走りに出るのは、実に2ヵ月半ぶりのこと。
その間、劣化していた各種マウント・ブッシュのリニューアルやフロント・ブレーキの新品交換などを実施し、やっと再びマイペースで走れるようになりました。
今回は特にリア・アクスル・キャリアのマウント交換と、新たに装備したクワイフ・ATBヘリカルLSDとの相乗効果が、B3のドライブ・フィールにどのような影響を及ぼすのかが非常に楽しみです。
そんなワケで春までガマンすることもできず、凍結⇒撤収覚悟で山道へと向かうこととしたのです。

乗り味の改善は、空いた首都高から始まっていました。
リアのスタビリティが大きく向上し、連続するコーナーやジャンクションでのレーン・チェンジも速度を維持したままスパッと気持ちよく決まります。
また、アクセルを踏んでから実際に加速を開始するまでの時間も明らかに短くなっており、故にC2/山手トンネル内や中央道のストレート区間では、用も無いのに中間加速の繰り返し(笑)。
直進性能も目に見えて改善されていて、6速3000回転レベルでのクルージングも実にリラックスして楽しめるようになりました。
後方の安全を確認した上で何度か強めの制動をかけると、やや甘かった新品のフロント・ブレーキのフィールも交換前のレベルにまで復活。
こりゃええわ~、と独りほくそ笑みつつ、勝沼ICからは一般道で早朝の市街地を抜けて北上していきました。

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山梨県/塩山から奥多摩方面へと続く、R411
久しぶりに走るこの道は改良工事が進んでいるようで、巨大な橋梁が緩い弧を描いて早朝の青空へと伸びていました。
路肩には雪が残っていますが、凍結防止剤が奏功しているためか、路面はハーフ・ウェットながら凍ってはいない模様。
滑らない程度のアクセル開度を保ちつつ、ぐんぐん標高を稼いでいきました。

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・・・が、その先はやはりあちこちで凍結していました。
外気温はマイナス5度を割り、さらに下がり続けています。
走れないほどではありませんが、対向車も時折やってきますのでラフな加減速/旋回操作は禁物です。
こうなるともはやスポーティなドライビングなど望むべくも無く、ABSとDSCの力を遠慮なく借りながらB3は峠を目指して上っていきました。
速度はもちろん出せませんが、緊張感炸裂で実はキライじゃ無いんです、こういうの(←Mか?)。

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柳沢峠、標高1472m、朝8時前、快晴、無風、氷点下8度。
ピン、と張り詰めた冷たい空気が心地良く、実に爽快です。
峠道に陽は未だ射してはいませんが、遠く青空に浮かぶ富士の山は朝日を浴びて白く輝いていました。
雪の中、独り三脚を立ててそんな景色を切り取っているオジサンに話を聞いてみると、この峠は富士山の撮影スポットとして有名な場所なのだそうです。
マイルドセブン・ライトと缶コーヒーのブレイクを終え、この先もあちこち凍ってるから気をつけて、とオジサンからありがたい忠告をいただきつつ、奥多摩方面へと再び走り始めました。

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オジサンの言う通り、峠からの下り坂は日陰のアスファルトに雪氷が硬く貼り付いています。
しかも朝日に向かって走っているため日陰部分の路面状況は実に解りづらく、滑って初めて気がつく有様です(汗)。
雪の残る丹波川の断崖沿い、寒々とした冬景色の中を慎重に走り続けるB3。
それでも下っていくうちにロード・コンディションは徐々に良くなり、丹波山の村役場を過ぎる頃にはほぼ完全なドライ路面となっていました。
そろそろ、マイペースで走ってみても良さそうです。

気温はまだ氷点に届いていないためクルージング・レベルに留めましたが、それでも久しぶりのワインディング・ランは格別でした。
更に今回はこの2ヶ月間でB3に施した各種のメンテナンスが一気に結実したようで、ドライビング・プレジャーも倍増です。

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フルードのエア抜きをしたクラッチのフィールは極めて快適で、マウントを交換したトランスミッションは節度がありながらも指先レベルでのシフト操作に何ら抵抗を示しません。
ロールを伴いつつミッド・コーナーを3速パーシャル・スロットルで回り、ステアリングを戻す動作に比例してアクセルを開けていくと、リア・タイヤがアスファルトを蹴ってB3は力強く立ち上がっていきます。
従前と同様のドライビングでも、腰の辺りからググッと前に押し出されるような感じが明らかに強くなっており、それはあたかもトルクが太くなって加速力が向上したかのような錯覚に陥るほどです。
いや~、何だかとってもイイぞ、B3(笑)。

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都県境を越え、奥多摩湖畔で一休み。
外気はいつの間にかプラスに転じており、青空の下で陽光を背にベンチで煙草を喫っていると、ポカポカと暖かく感じられるほどです。
クルマもボチボチ目につくようになってきましたが、時刻はまだ9時半を過ぎたばかり。
もうひとっ走りするか!とも思ったものの、奥多摩周遊道路ルートK18/鶴峠ルートは再び凍結の可能性がありますし、未走破のR139/松姫峠ルートは土砂崩れのため通行止めとなっています。
ま、何事も「腹八分目」が丁度良し。
今日の走りはここまでとし、引き続きR411でのんびり下山することと致しましょう。

本日の走行距離は、319km。
走行時間は5時間07分、平均速度は62.4km/hでした。

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上述の通り、今回の奥多摩ドライブは道路状況を気にしながらのお気楽クルージングであり、かつ走らせ方もこれまでと何一つ変えていません。
それでもググッと来るトラクションの向上感は私にもハッキリとわかるレベルであり、それはプラシーボで説明できるようなモノでは決してありませんでした。
徐々に低下していたトラクション性能がリア・アクスル・キャリアのマウント交換で復活し、更にLSDで強化された、と言う感じでしょうか。

クワイフのヘリカルLSDはバキッ!と効くワケでは無いため、明確な動作感や急激な差動制限効果を得ることはできません。
その代わり、B3の持つトラクション能力を全域にわたってリニアに底上げしてくれているようで、「後付け感」が全く無いのです。
クワイフ社曰く、このLSDは「"fit and forget” solution」だとのことですが、それは正に言いえて妙だと思わされました。
それでは面白くないじゃん・・・と考える人も多いのでしょうけれど、ドリフトやサーキット走行等を目的としていない私には、むしろこのナチュラルな特性が大変好ましく感じられるのです。

しかし、コレだけではもったいない。
今回は軽~い走りでLSDが受動的に働いただけであり、現時点ではまだその導入効果を云々できる段階にはありません。
やはり一度、能動的かつ積極的に「LSDを効かせて」走ってみなアカン、と思っています。
例えばハード・コーナリング時に於いて、進入/脱出時の挙動は変わるのか、ステア特性に変化があるのか、DSCの介入はどうなるのか、等々・・・。
そういったことはイメージでは無く、実際に知っておく必要があります。
いずれにせよ、更なるトルクを与えて山坂道をガンガン走らせりゃ、何らかの答えは出るでしょう。

・・・とは言え、そもそも私にそんな走りができるのかどうか、大いに疑問なんですけどね(汗)。

コメント(16) 

コメント 16

k7_

wataさん、こんにちは。

小指が立ってますが・・・まだまだ元気ですね~。(小指がですよ)

さておき、緊張感炸裂との事ですが・・・(汁)嫌いじゃないとの事ですが・・・
何があるか分かりませんので、充分お気を付けくださいませ。

先日行った箱根は気温が高く凍結はありませんでしたが、奥多摩方面はまだモリッと走ると言うわけにはいかないんですね。

でも、仰るように高ぶる気持ちを抑えつつ走っても、それはそれで楽しいものがありますね。
リフレッシュを完了したB3のフィーリングもwataさん好みの乗り味に変わったようで、また走る楽しみが出来たのではないでしょうか。

>>更なるトルクを与えて山坂道をガンガン走らせりゃ

・・・のインプレ楽しみにしております。

>>私にそんな走りができるのかどうか、大いに疑問なんですけどね

・・・できると思います。(確信)

それにしても富士山の写真!!イイですね~。

by k7_ (2010-03-01 12:17) 

koji

こんばんは。
久しぶりのマイペースドライブを楽しまれたようで何よりです。
メンテナンス後のフィーリングもご自身の好みに合っているようで。

>ま、何事も「腹八分目」が丁度良し。

おっさんの深みを感じさせる名言です。私も見習います。
『事故らず・壊さず・捕まらず』ですからね。
by koji (2010-03-01 21:10) 

wata

k7さん、こんにちは。

奥多摩方面、この日はまだまだ凍ってました。
もしモリッと走らせたとしたら、ツルッと滑ってクルッと回ってドカッと激突していたものと思われます(汗)。
ま、ある程度は凍結を覚悟していたのですが、リフレッシュの進捗具合を確認したくてついつい走ってしまった次第です。
こんなんでも、楽しいんですよ(笑)。

遠く真っ白な富士山には陽が当たり、近くで濃色のB3は完全に日陰でしたので、双方を一枚に収めるのは大変でした。
そこで、比較的広角なレンズを装着し絞りを強くして入射光量をコントロールするとともに近景から遠景まで合焦させつつヒストグラムを参照しながら多分割測光で云々

・・・って、わかって言ってるのか?(←わかってない)

by wata (2010-03-01 21:13) 

wata

kojiさん、こんにちは。

はい、「ここんとこご無沙汰」だったもんですから、楽しく走ることができました。
メンテナンスもB3以前のクルマではやらなかったようなことまでやってますので、これでフィールが向上しなかったら涙モノです(涙)。

名言かどうかはまったく不明ですが(汗)、「腹八分目」は最近とみに感じているところです。
なにせトシなもんですから、全力で何かをするとしんどいのです。
いや、場合によっては八分目までも至りません。
事実、この日のスロットル開度は最高でも65%ぐらいだったと記憶していますし、最高速度もせいぜい「七文目」ってところでしたよ(←何の?)。

by wata (2010-03-01 21:23) 

tatsu_B6

R411ですか。

私の大のお気に入りのコースで、すでに何十回となく行っています。
柳沢峠から見る富士山は素晴らしい景観ですが、そこから3~40分
山を登ったところから見た富士山や南アルプスは更に素晴らしいです。
冬はやっていないと思いましたが、峠の茶屋で食べるみそおでんも格別!

この時期は路面の凍結でなかなか走れないR411ですが、またまた
wataさんに触発されて行きたくなりました。
ちなみに、写真4枚目あたりにある有名な心霊スポットでは、夜中の2時
頃に走ると色々と楽しい経験ができるとか!?
1度試してみてください♪
by tatsu_B6 (2010-03-01 22:11) 

wata

tatsu_B6さん、こんにちは。

柳沢峠は、久しぶりに訪れたような気がします。
富士山は少し遠いのですが、この角度からは姿かたちがイイんですよねぇ。
ちなみに私が初めてこの峠をパスしたのは今から30年前、中学生の頃に敢行した「チャリンコGT」2日目のことでした(笑)。

天気と気温を調べて日を選べば、この時期でもR411は走れると思います。
tatsu_B6さんも、是非どうぞ。
ちなみに私は景色を愛でながら流すのを旨としていますので、夜走ることはございません(伏)。

by wata (2010-03-02 00:18) 

タッチー

wataさん

ご無沙汰しております。

奥多摩はラジアルタイヤで、もう大丈夫のようで、何気に情報が得られてラッキーって感じでした。

いそがしくて車にすら乗れておらず・・・泣

雪解けの季節なので、そろそろ始動しようかと思います。
また、ご一緒できる機会があればよろしくお願いします。


P.S.
ハチロクが昨日、豊洲交差点の中央分離帯にディープキスしてしまい(泣)
みるも無残な状況で、本日若干凹んでます。

by タッチー (2010-03-03 12:42) 

wata

タッチーさん、こんにちは。

このドライブからもう1週間以上経ってますので、よほど冷え込んだりしない限りは走れると思いますよ、奥多摩。
箱根や伊豆も大丈夫でしょうし、北関東も日を選べばイケるはずです。
お忙しいようですが、無理矢理時間を作ってでも走りに行きましょう(笑)。

ハチロクは、大変でしたね・・・。
街中の交差点で事故るとは穏やかではありませんが、単独で済んだようですから不幸中の幸いかと思われます。
若気の至りもほどほどにしていただき、また楽しく走って下さいね!

by wata (2010-03-03 19:35) 

go

wataさんこんにちわ
LSDの実力を本格的に試せる時期が近づいてきましたね。今回のレポを見てなぜか自分もワクワクしています(笑)今後のレポも楽しみにしています。
by go (2010-03-04 09:49) 

GG4

wataさん、

いつもドライブ・レポを楽しませていただいています。R411、こんな道もあるんですね。時間を見つけて是非走ってみたいと思います。でも家族の手前、一人でこのような道を思う存分走ることはなかなか難しいんですよね。

でも過去には、東京~浜松・R152秋葉街道・茅野~東京まで走ったことがあります。仕事サボって行ったので、奥さんには内緒です(笑)。一部かなり狭い区間がありましたが、当時はミニクーパーSに乗っていたので、その狭さが余り気にならず、一日大いに楽しみました。途中のしらびそ峠からのアルプスは本当に絶景でした。

そのうちRS4でも是非再訪したいと思っています。
先日、ツーリングマップル買いました(笑)。


by GG4 (2010-03-04 12:58) 

wata

goさん、こんにちは。

LSDそのものはきちんと設計通りの差動制限を行ってくれるはずですので、問題はドライバーがそのLSDの差動力を使って楽しく走れるのかどうか、という点です。
すなわち、実力を試されるのはLSDでは無く、この私なのです(汗)。

強化スタビライザーやボディダンパーは、装着してこれまで通り走れば即効果を発揮してB3を更に楽しくしてくれました。
しかしLSDは、ドライバーが意識して「使う」ことによって初めて力を出すパーツなのだと思います。
つまり上手に使えなければ宝の持ち腐れもいいとこで、そうならないことを夜空の星に祈る毎日なのです(←祈ってないで走れよ)。

by wata (2010-03-04 19:54) 

wata

GG4さん、こんにちは。

R411は結構メジャーなルートでして、シーズン中はクルマやバイクが結構走っているようです。
つまり休日の日中などはマイペースの維持が難しいと思われますので、空いてるときを見計らって是非走ってみてください。
完全2車線、ミッド~タイト・コーナーで構成された楽しいワインディング・ロードですから、アウディ・RS4でのドライビングは格別だと思いますよ。

R152/秋葉街道は、走り好きなら一度は走っておくべきルートですよね(笑)。
私も何度か走っていますが、不通区間の存在やダイナミックな景観など、変化に富んだ走り応え満点のロング・ランを楽しむことができました。
さらにツーリングマップルまでお買い上げとは、正にご同慶の至りです(伏)。

by wata (2010-03-04 19:55) 

go

なるほど、さすがwataさん例えるなら
競馬の馬と騎手の関係と一緒ですね(笑)

因みに質問ですが、
LSDを挿入しても、DSCは作動するのですか?
前の記述だと、遅れて作動するとあったのですが。
無知ですみません。
by go (2010-03-04 21:08) 

wata

goさん

DSCは、作動します。
ただし作動開始は遅くなり、かつ作動量も減っているような気がします。

逆に言えば、LSD本来の差動制限力を出すにはDSCを完全にOFFにする必要があります。
もちろん、この日の奥多摩では恐ろしくてそんなことはできませんでした(汗)。

by wata (2010-03-04 22:31) 

go

そうなんですね。
それだけテクニックが必要になるということなのですね。車のシステムは奥が深いです、wataさんご指南ありがとうございます。
by go (2010-03-05 00:37) 

wata

goさん

LSDの差動制限とDSCの作動がどう絡んでいるのかは、まだあまり走ってないのでイマイチ良くわかっていません。
従って「ご指南」でもなんでもありませんので、読み飛ばしてください(汗)。

by wata (2010-03-05 20:40) 

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