SSブログ

GT2008秋[7]9月27日(土)和歌山県→奈良県→三重県→神奈川県→埼玉県 [drive/touring]

9月27日、土曜日。
大陸からの移動性高気圧に覆われて、和歌山県/川湯温泉は朝から澄み切った青空に恵まれた。
早起きして宿の露天風呂にゆったりと浸かる。
目の前の大塔川ではカワセミが瑠璃色の小さな体を梢からダイブさせ、鮎の稚魚を咥えて戻る。
実に清々しい、初秋の朝である。
・・・なのに、GT最終日(涙)。

080927R168.jpgR168を北上、緑豊かな奈良県/十津川村を行く。
十数年前にM3で走った時よりも道は格段に改良されており、一部は高規格道路のようなバイパスとなっていた。
しかしセンター・ラインの無い区間も多く残っており、味わい深さはそれほど損なわれてはいない。
そんな狭隘区間では、必然的に地元のクルマや工事車輌と譲り合って走ることになる。
互いに交わす短いクラクションが、暖かい。

080927谷瀬の吊橋.jpg谷瀬の吊り橋に立ち寄る。
長さ300m、高さ50mのすんごい吊り橋だが、観光用などでは無く地元の人たちの生活用。
故に、自転車や原付もこの吊り橋を渡るのだそうだ。
3日前に渡った徳島県/祖谷の「かずら橋」よりも、遥かにしっかりとした造りである(←当たり前だ)。

このままR168を走っていても楽しいのだが、まだ走ったことの無い道を走るべく、大塔からK53へと右折。
天ノ川と言う名の清流に沿って、天川村を走る。
基本的に1.5車線幅のやや荒れたクネクネ道だが、他にクルマが全くいないので気楽である。
R309との交点を過ぎると、K21
その先はK48で峠を越えていくのであるが、今にして思えばR309を走るべきであったのだ(悔)。

080927K48小南峠トンネル.jpg北は北海道から南は鹿児島まで。
いろいろな道を走ってきたが、この奈良県道洞川下市線(県道48号線)/小南峠越えの凶悪さに比肩し得る道は、これまで経験が無い。
ひとことで言えば、「舗装路の限界」。
狭隘・屈曲・急勾配は言うまでも無いが、とにかく路面が荒れているのである。
道の中央部には砕け散った落石が延々と続いており、アスファルトはところどころ大きく陥没。
アンダー・フロアを擦らないよう、神経を遣ってアイドリング・スピードで進むのが精一杯である。
B3を止めて行く手を塞ぐ大きな落石を谷底へと投げ込めば、鹿が驚いて逃げていく。
ALPINA車がこの道を通るのは、恐らくこれが初めてのことであろうと思われた。
・・・願わくば、誰か同じ目に遭っ(以下略)

080927道の駅「伊勢本街道御杖」.jpgK257で吉野山へとトラバースし、K37で山を下る。
極悪K48での鬱憤を晴らすかの如く、舗装の良い2車線ワインディングをタイヤ鳴らしてこれでもかと走らせる。
引き続きR370を北へと快走、K135→K218を経て東へと走るR369は、4速⇔5速でのクルージングがずーっと続く実に爽快な道であった。
道の駅「伊勢本街道御杖」で昼飯代わりのヨモギ餅を喰い(涙)、三重県に入ってK15を北上。
市街地走行を避けるために広域農道「グリーンロード」を走り、伊勢自動車道/芸濃ICのゲートをくぐった。

日常へと続く高速道路走行は非常に辛く、途中のSA/PAで何度も休憩する。
御殿場ICを過ぎて交通量が増え、追越車線をチンタラ走るクルマに前を塞がれても、もはやプッシュする気力も無い。
厚木IC付近では完全に疲れ果て、最左車線を観光バスの後ろに就いて安穏と80km/hレベルで走る始末である。
更にVICS情報で首都高速3号線の渋滞が判明するに及び、このまま埼玉の自宅へと走るのは不可能と判断。
神奈川の実家で渋滞解消を待つこととした。

ヘトヘトになって実家に到着し、いいもん買ってきたよ〜、と高知県で仕入れた土産を恭しく取り出す。
「四国と言えば土佐、土佐と言えば鰹。これはね、鰹の生節と言って土佐の名産品なんだ。土佐の漁師が黒潮の海から一本釣りで上げた鰹で作ったヤツを、わざわざ買ってきたんだよ。やっぱり鰹と言えば土佐が本場だからねぇ。他の海で獲れた鰹とは一味も二味も違

・・・え?

生節のパッケージ裏に貼付された製造者などの表示ラベルを見て、思わず我が目を疑った。
あろうことか、そこには小さな文字で『原材料:かつお(焼津産)』と書かれていたのである(倒)。

本日の走行距離、699km。
nice?(0)  コメント(12) 

nice? 0

コメント 12

tatsu_B6

初めまして。

9月にアルピナのオーナーになりましたtatsu_B6と申します。
nobuakiさんのブログにはお伺いさせていただいていますが、今回の四国漫遊記を楽しく読ませていただき、コメントさせていただきます。

私も昔、BMW325(E36)で四国を走り回ったことがあります。
なかなか楽しいドライブでしたが、いかんせん私にとっては険しい道が多かった記憶があります。
もう10数年前ですが、それほど変わっていないようですね。

今回、初めてのアルピナですがオーナーの方々に色々とご教授いただければと思います。
また遊びに来させていただきます。
by tatsu_B6 (2008-10-12 17:47) 

mtm

焼津産の鰹をわざわざ四国からお土産にされたとのこと、ご苦労様でした(^o^)
さぞかし恥ずかしい思いをされたことでしょう!?
今度の伊勢でも気をつけてくださいね(^^ゞ
by mtm (2008-10-12 19:26) 

Shima

あ、やっぱり鹿でましたか。
おそらく若いtomちゃんとmini君あたりが同じ目に遭うことを・・・。(笑)

ちなみにこの地肌むき出しのトンネルは何ですかぁ?
ディズニーランドのスプラッシュマウンテンの最後の急降下の前の雰囲気って感じですが・・・。

いよいよ残すところは沖縄だけですねー!
沖縄にもBMWの集まりはあるようなので、是非とも船で運んでひとっ走りしてきてください!!そうしたら出版できますよ。10冊は買います(笑)
by Shima (2008-10-12 19:50) 

wata

tatsu_B6さん、はじめまして。

ようこそお立ち寄り下さいました。
こんなしょうもないBlogで大変申し訳ありませんが、おヒマな時にでも覗いていただけると励みになります。

四国はまだまだ険しい道が多く残っていると思います。
あちこちで工事をやっていたり通行止だったりしましたよ。
しかし逆を言えば沿道の自然が大変美しく、気分よく走ることができました。
是非またお出かけいただければと思います。

ALPINA車のオーナーになられたとのことですが、私のBlogはALPINAに特化した記事が少ないですよね・・・。
お役に立てず、申し訳ございません(←謝るなって)。
by wata (2008-10-12 19:56) 

wata

mtmさん、こんにちは。

産地が違う土産物って、結構あるんですよねぇ。
パッケージだけその土地の名前が入っていて、製造者も中身も全く同じお菓子が各地で売ってたりしますから(笑)。
しかし今回は「まさか」って感じでした・・・。
不覚にも、程があります(涙)。
by wata (2008-10-12 20:00) 

wata

Shimaさん、こんにちは。

同じ奈良県の鹿でも、公園で鹿せんべいを呑気に喰ってるヤツとは大違い。
すんごい勢いで、すんごい斜面を駆け下っていきました。
白い尻だけが、瞼の裏に残ってます。

この素掘りトンネル、暗くて狭くて怖いです。
スプラッシュマウンテンより、怖いです。
二度と通りたくないほどに、怖いです。

あの、何度も申し上げている通り沖縄へは行きませんし、何度も申し上げている通り本も出しませんから・・・。
何卒、ご了承下さい(伏)。
by wata (2008-10-12 20:08) 

k7

wataさん、こんばんは。

2008GTお疲れ様でした。

しかし、疲れも吹き飛ぶような四国の景色とクネクネはさぞかし心に残ったこととお察しいたします。

新たな「ロウ人形」キャラも大活躍ですし。(笑)

焼津はたまたま水揚げされた産地(場所)だと思いますよ!!
だって海に産地はありませんから。(海は一つ)
美味しければいいんです。(笑)
by k7 (2008-10-12 20:21) 

wata

k7さん、こんにちは。

四国や紀伊半島の山道を走りまくっているときは「十八歳の朝」状態でしたが、帰り道の高速道路はもうダメダメでした・・・。
体力的に疲れていたと言うよりは、日常へ帰ることを心が受け入れようとしなかったのだと思ってます。
困ったもんだ(涙)。

確かに、「海は一つ」ですね(笑)。
昨今問題となっている産地偽装ではなく、正直に表示してくれているのでヨシとしていますよ。
情けないのは、能書きをタレた自分です(涙)。

なお、次の記事として「あとがき」を上梓する予定です(まだ書くのか?)。
差し支えなければ、またお読みいただけると幸いです(伏)。
by wata (2008-10-12 20:56) 

tatsu_B6

どうも。

別にアルピナの記事だけではなく、旅行記が楽しかったもので。
私は車で日本全国周っているので旅行記を見るのも大好きです。
今は新しい愛車でどこに行こうか考慮中です。
by tatsu_B6 (2008-10-12 21:30) 

wata

tatsu_B6さん

おぉ、tatsu_B6さんもクルマで全国を旅されているんですね。
いや、素晴らしいことだと思います。
新たなクルマでの旅、楽しみですね。
四国から帰ってきたばかりですが、なんとも羨ましい限りです(笑)。
by wata (2008-10-12 22:19) 

K

日常への帰還、辛いものがありますよね。
こちらは、入れ替わりで日常から脱却中です(^_^;)

オチのネタは、確信犯・・・?(笑)
by K (2008-10-14 12:06) 

wata

Kさん、こんにちは。

GT先からのコメント、ありがとうございます。
私もすっかり日常へと戻り、単なるオッサン・サラリーマンと化している始末です(涙)。

ちなみに「焼津産」の件はネタでも仕込みでも確信犯でも無く、事実です。
実に、遺憾です(泣)。
by wata (2008-10-14 20:09) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。