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昔乗ってたクルマ(2)三菱・ギャランVX-S [automobiles except My B3]

1987年、世の中は「ハイソ・カー(超死語)」ブーム真っ盛り。
特にトヨタはソアラを筆頭に、マークⅡ/チェイサー/クレスタ3兄弟がブームに乗って大ヒット。
色はもちろん、白でキマリですね(笑)。
この「ハイソ」で「スペシャリティ」なトレンドは2リッター4気筒クラスにも波及し、驚異的に車高の低い4ドア・セダン(いや、4ドア・ハードトップ)、カリーナEDが爆発的に売れていました。

そんなハイソな流れに逆らうように、無骨でマッシブなデザインで登場した三菱・ギャラン。
東京モーターショウで初めてギャランを見たとき、あまりの存在感に衝撃を覚えました。
「買う!いつか絶対に買うぞ!」

ギャランと言えば、VR-4。
セリカ・GT-FOURやブルーバード・アテーサ・SSSなどと並び、「2リッター・フルタイム4WD・DOHCターボ・カー」として自動車雑誌に頻繁に取り上げられていました。
・・・が、私の興味は別のところにありました。
それはFFモデルのVXというグレードに標準装備されていた、「アクティブECS」なる電子制御サスペンションです。

当時、電制サスと言えばトヨタの「TEMS」が有名だったのですが、アクティブECSは更にその上を行くテクノロジーを標榜していました。
単に減衰力を切り替えるだけでなく、ロールやピッチ、ダイブなどに対して、その沈む側のサスペンションに瞬時に高圧エアを送り込み、「沈むはずの側を持ち上げて傾かないようにする」というのです。
そりゃもう、ビックリ仰天でした。
「4WDターボは要らない。アクティブECSが欲しい!」

ところが・・・。
アクティブECSを装備するVXの外観は、ボディ・カラーにかかわらずバンパーやサイド・ガーニッシュがグレーのマテリアル・カラー。
どうにも私の好みではありません。
一方、VR-4はフル・カラー・ボディにフル・エアロ・パーツ。
カッコいいったらありません。
が、VR-4にはアクティブECSはオプションでも装着できませんし、そもそも私には4WDもターボも不要です。

外装はVR-4、中身はVX。
そんなギャランが出れば買っちゃうんだけどなー・・・。

・・・と思ってたら、出ちゃいました。
翌1988年の秋に追加された、VX-Sというグレードです。
社会人1年目、スーツもロクに買えない薄給の身であることなど一顧だにせず、冬のボーナスを頭金に36回払いローンで買ってしまいました。
その後はしばらく、給料日前になると通帳の残高が赤い字で表示されるようになりました・・・(涙)。

GALANT.jpg
ボディ・カラーは新色「スーパー・コスミック・ブルー」、トランスミッションは当然5MTを選択。
140psを発生する4G63型、2リッター・DOHC・16バルブ・エンジンは、決してエキサイティングな回り方ではありませんでしたが、KP61から乗り換えた私にとってはそりゃもう驚くほどパワフル&トルクフル。
室内は広く明るく、当然ながらフル装備。
言うことなしでした。

そしてアクティブECSは、極端なほどの「電子制御っぷり」を見せてくれました。

スイッチ操作で「SOFTモード」にしておくと、まさにダンナ仕様の柔らかさ。
よっぽどの急制動や急旋回をしない限り制御もせず、ひたすらオッサン好みのフワフワ感。
全くもって、やる気なしのグニャチン状態です(意味不明)。

が、「AUTOモード」にするとアクティブECSは積極的に制御を開始。
加速/減速/旋回、それぞれの度合いに応じて姿勢を制御しているのがよくわかります。
私はだいたいこの「AUTOモード」で走っていました。

そして「SPORT」モードにすると、感覚的には姿勢変化ゼロ。
もう、不自然なほどにロールもダイブもしません。
コーナリング時は、バイクのように車体を内側に傾けているんじゃないか、と思えるほどでした。
この未体験のコーナリング感覚は、現在に至るまで他のどのクルマでも味わったことがありません。
ワインディングはとことんオン・ザ・レール感覚で走れるのですが、その代わりタイヤが限界を超えるとフロントから一気にアウトへ出て行きます(汗)。
また、乗り心地はもはや同乗者が不安になるほどのもので、極悪仕様と言って差し支えないほどの固さです。
というワケでこのモード、独りで走るときは最高に楽しいのですが、同乗者がいるときはほとんど使いませんでした。

これらの減衰力制御機能の他に、アクティブECSは車高制御機能も有しています。
乗員数や積載量にかかわらず車高を一定に保ってくれますし、高速では車高がダウン、悪路を感知すると車高がアップします。
また停車時には、スイッチ操作で車高を極端に上げることができます。
この機能のおかげで、スキーに行く際のチェーン装着が非常にラクでした。
とにかくジャッキ・アップせずに下に潜れるほど車高が上がりますので、下にゴザを敷くだけでオイル交換ができました。

スイッチ一つでダンナ仕様にもワインディング仕様にもなる足回りを持つ、三菱・ギャランVX-S。
特にトラブルもなく、1988年から1992年まで4年間乗っていました。
どうやら私の「スポーツ・セダン路線」はこのギャランから始まったようですが、その路線は次のクルマから早くもヘンな方向へと向かうこととなります(汗)。
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MT

ギャランというので、ΛとかΣとかを連想してしまいまし
た。そうですよね、その当時のギャランといえば、4W
D化されたターボモデルのVR−4が人気でした。
とにかく高性能で、当時の雑誌などでの加速データなど
ではトップクラス。速かったですね。その世代のFFに
そんなアクティブサスが存在してたとは知りませんでし
た。マニアック路線はこのときからのようですね。でも
今思い返すと、この頃は隠れた名車というえるような車
やグレードが存在してたような気もしますね。
人気車が必ずしもいい車だとは言えない時代と言えるか
もしれませんね。でも皆が車に関心を持ってましたね。
よく雑誌を囲んで話をしてました。懐かしいです。
by MT (2005-12-28 22:55) 

wata

MTさん、こんにちは。
いや、私は特にマニアック路線ではないと思うのですが・・・(汗)。

同じですね、「あの頃」。
ディーラーでもらったカタログや、自動車雑誌を眺めては、乗ったこともなく買えるわけもないクルマたちについて、みんなであれこれ言ってました。

あの頃のことを語りだすと、そりゃもうキリがないので止めておきます(笑)。
ちなみに当時好きだったクルマは、
−三菱・ギャランAMG
−三菱・スタリオンGSR-VR
−いすず・ジェミニ・イルムシャー
−いすず・ジェミニ・ハンドリング・バイ・ロータス
−ホンダ・アコード・エアロデッキ
−トヨタ・カローラGT

・・・やっぱりちょっとマニアックなのか?>自分
by wata (2005-12-29 00:38) 

T.N.

はじめまして。

いつもブログ楽しみに見ています。

私もあのデザインに憧れて、同時期にギャランVZ-S
(5MT)に乗っていました。
過激な運転は苦手なのでしませんでしたが、長距離
走行はよくしました。1日で900km走ったり、無給油で
800km以上走ったりもしました。
自動車通勤はしていませんでしたが、20,000km/年近く
は走っていました。そのため、ガソリン代節約の為に
エコランを覚えてしまいました。
VZ-Sは7年半、140,000km乗って次の車(BMW E46 318i)
に乗り換えました。

今から思いますと、自分の車観が確立した良い車だと
思っています。
by T.N. (2005-12-31 10:35) 

wata

T.N.さん、はじめまして。
ようこそ当Blogへお越しくださいました。
これからもよろしくお願いします。

ご同輩、ですね(笑)。
「ロー&ワイドがカッコいい」と言われたあの時代のクルマたちの中にあって、ギャランは異形(いぎょう)とも言えるスタイリングでしたね・・・。
巨大なグリーン・ハウスや、S字断面のドア/サイド・パネルの造形など、今考えてもずいぶんチャレンジングなデザインのクルマだったと思います。

しかし14万kmはすごい。
長距離走行やエコランなど、T.N.さんの走らせ方もクルマにいいですからね。
私もよく長距離のドライブに出かけましたが、1日900kmもの走行は未だにありませんよ(笑)。
それと4G63型エンジン。
今もランサー・エボリューションに載せられているくらいですから、耐久性も含めて基本設計がしっかりしたいいエンジンだったのだと思ってます。

良いクルマでしたよね、ギャラン。
今はほとんど見なくなりましたが、たまに発見するとつい目で追ってしまいます(笑)。
by wata (2005-12-31 11:37) 

T.N.

もう少しだけ書かせてください。

VZ-Sを購入してから、同じようにギャランAMGに憧れ
ましたね。
わざわざウインカーとシフトノブ(ウッド)をAMG用の
ものに変えました。
これらは今でも手元にあります。

実は318iも既に100,000kmを超えています。
こちらも過激な走行はせず、無給油1,000km走行する
など、平均燃費12km/Lのエコランを心がけています。

最近はALPINAに憧れて、次はALPINA!!と思い、日々
ALPINA関連のブログを見て回っています。

今後も更に面白いブログとなることを期待しております。

追伸 生年は1966年です(笑)
by T.N. (2005-12-31 13:23) 

wata

T.N.さん、こんにちは。
やはり思ってた通り、同じ世代なんですね(笑)。

私もギャランAMGには本当に憧れていました。
チューンされたエンジンは、確か170psでしたね。
何と言っても4WDターボのVR-4より値段が高いせいか、街中で見かけることはまずありませんでした。

以下のサイトに、ギャランAMGの主な変更点が記載されています。
当時はエンジン・パワーにばかり気をとられていましたが、いやはやものすごく手が入っていたクルマだったんですね。
改めて驚きました。
http://www12.plala.or.jp/colt-amg/about_g_amg/galantamg.html

318iも10万kmですか。
私もE36/M3Bを10万km乗りましたが、適切にメンテナンスをしていればへっちゃらですよね。
しかし無給油1,000kmはすごい。
満タン計測換算で16km/lですから、実際はそれ以上の燃費だったんですね。

さて、次はALPINAですか?(笑)
前述のギャランAMGのチューニング・メニューを見ていて、328i/330iからB3へのチューニングと近いものがあるな、と思いました。
ALPINAの場合は排気量をアップさせたり、専用部品だけでなくM3のパーツを要所に使ったりしているようですが、考え方は同じだと思います。

私のBlogがお役に立つとはとても思えませんが、ほんの少しでも参考にしていただけるのであれば幸いです。
ALPINAご購入の暁には、是非書き込みをお願いしますね(笑)。
by wata (2005-12-31 14:10) 

かお

はじめまして。上記のURLに登録しています、かおと申します。私の使っている上記URLのHPで使う「ギャランVX-S」の画像を探し続けていたところ、こちらのHPにたどり着きました。
いやあ、よくぞ、ここまでお詳しく書いてある!!
昔の記憶が一気に蘇って来ました!有難う御座います!!
本当に良い車だったと思います。私の本当の目的はVR-4を買いたかったのですが、「予算」がなくて、NAでVR-4とそっくりという理由から、三菱の中古Dラーで5年落ち、込み込み100万円で始めて自分の給料で買った車でありました。あの電子制御サスは作動する時「ガラガラガラ」と異音を発して作動していましたが、感動でした。私はその後、レガシーに乗り換えてしまいましたが、弟に譲り渡し、15万kmまで乗っておりました。いやあ、ホントに懐かしく思いました。有難う御座います。
by かお (2006-06-12 21:50) 

wata

かおさん、こんにちは。
ようこそお越しくださいました。
よろしければ、引き続きお立ち寄りください。

懐かしいですよね、ギャランVX-S。
当時を思い出しながら記事を書いたのですが、あの独特の走行フィールはやはり忘れられなかったようで、自分でもビックリするほどよく覚えてました。
やはり「ギャランと言えばVR-4」ですが、VX-SはAMGほどではないにせよ、なかなかツウ好みの車種だったと思います。

かおさんのサイトも拝見しました。
「免許を取って最初に乗ったのが親父のシャリオ」って、私と全く同じですよ(笑)。
by wata (2006-06-13 00:13) 

かお

wataさん
こんにちは。wataさんもシャリオを乗ってられたのですか?うちの親父が、大の三菱好きで親父の車歴は

ホンダ360⇒ランサーバン⇒ランサーバン⇒シグマバン⇒エテルナバン
⇒シャリオ(ここで始めて5ナンバー)⇒僕が乗っていたVX-Sのお下がり⇒そして私がひそかに狙って見積もりも取った中古の現行1個前のVR-4を横取りし、今も乗っている。

という流れで、三菱は7台乗り継いでいますね。70歳前の爺さんが「VR-4」。おふくろも免許持っていて「VR-4」ですから、笑ってしまいます。
by かお (2006-06-18 13:20) 

wata

かおさん

うーん、VR-4を駆るお父さん、シブいですねぇ(笑)。

私の父はシャリオの後はマツダ・カペラカーゴ・スーパーチャージャーディーゼル、今はカローラ・フィールダー(ワゴン)です。
メーカーにはこだわりはないようですが、シャリオ以前の軽自動車も含め、乗ったクルマは全てマニュアル・トランスミッション。

ちなみに私の車歴も同様で、このあたり「血」を感じます(笑)。
by wata (2006-06-18 13:52) 

御影のノブさん

こんにちは。
偶然画像を探してたら、こちらのにたどほ着き、同じような方がいるのにびっくりしました。
私も同様約20年ぐらい前にVX-Sに乗っていました。
当時、ギャランに憧れて、出たと同時に買ったのですが、安月給だったのと、VX-Sのグレードがまだなかったので、仕方なくVZを買ったのですが、1年目に駐車場で放火されて廃車に、たまたま新車だからと車両保険をかけていたので、残債を支払って車を買い換える事になったのですが、ギャランに未練があり、両親からは放火された車は縁起が悪いからやめておけと言われたのですが、三菱の車が好きで、ギャランがどうしても乗りたくて、両親の意見を無視してまたギャランにしました。
購入当初マイナーチェンジでVX-Sが加わり、カタログにあのスーパーコスミックブルーで、VR-4のエアロを纏った姿に虜になり、即決しました。
当然5速MTで、スーパーコスミックブルー、納車前にはボディーにポリマー加工し、いつもピカピカにしてました。
オリジナルでラリーアートのシフトノブ、AMGのエンブレムを貼り、フロントグリルとエンジンのヘッドカバーもAMGで乗っていました。
周りの友達はZやスープラ、ソアラやスカイラインでブイブイやってましたが、私はNAの加速が好きだったので、気になりませんでした。
VX-Sは5年乗りましたが、トラブルはパワーウィンドで、ガラスがゴムに食い込み閉まりにくくなり、ゴムを交換してもらったのと、アクティブETSの前輪のエアサスがパンクしたぐらいです。
乗り換えようかと迷っていた時にあの阪神大震災があり、神戸の道路事情が悪くなったのと、当時のRVブームの影響もあり、デリカスペースギアに乗り換えました。
手放してから何年かたち、結婚もし、子供も出来、たまたま当時乗っていたシャリオグランディスを車検に出し、代車をかりたらギャランでびっくり。
グレードこそビエントでしたが、体が感覚を覚えており、どこでどうしたらこうなるとか、よくギャランの癖を覚えていて、台車ながらに結構遊んでしまった事を覚えております。
今でもあのVX-Sがあれば欲しいし、もう一度乗りたい、我が青春のギャランでした。
by 御影のノブさん (2014-05-11 11:33) 

wata

御影のノブさん、はじめまして。

9年も前の記事にコメントしていただき、ありがとうございます!
ギャランと言えばVR-4でしょうし、AMGバージョンの存在を知っている人もいますが、アクティブECSを搭載したVX-Sのことは殆ど知られていませんよね。
なので、こんな記事を書いても誰も興味を示さないだろうな~と思っていたのですが、ノブさんを含め何人かの方にコメントをいただいてビックリしています。

今はもう見ることもなくなったE30系ギャランですが、本当にいいクルマだったと思います。
ノブさんのコメントを拝見しているうちに、ギャランとの思い出がいろいろと蘇ってきましたよ(笑)。
どうもありがとうございました!

by wata (2014-05-11 18:52) 

TakT

こんばんは。
VX-Sは妻が昔乗っていて、よくGSなどでVR-4ですか?って聞かれていたのを思い出しました。アクティブECS懐かしいですね~あのコーナリング時の安定感、高速走行時の自動車高ダウンと今の車では味わえないワクワク感がありました。
当時を思い出させてくれてありがとうございます!
by TakT (2014-05-21 23:35) 

wata

TakTさん、はじめまして。

こちらこそ、コメントをありがとうございます!
そうそう、VX-Sは「見た目VR-4」なんですよねぇ(笑)。
4WDでもターボでもありませんでしたが、アクティブECSは他に類を見ないシステムで、乗るたびにその動作が楽しみでもありました。
車高が下がるから安定するんだよ・・・とかなんとか言って、彼女を乗せて高速道路を爆走していた思い出があります(笑)。

by wata (2014-05-22 00:15) 

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